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太陽電池

新春特別企画「2005年、注目の8大テーマはこれだ!」第6回=太陽電池
by マルテックス・インベスター編集部


 環境問題に対する関心の高まりもあり、太陽電池市場が急成長を続けている。業界団体である太陽光発電協会は、国内太陽電池市場規模を2003年に1730億円だったものが、2010年に4730億円、2020年に1兆2500億円、さらに2030年には2兆2500億円にまで成長すると予測している。世界需要については、2030年に国内の10倍規模となるとの見方もあり、市場全体の成長ポテンシャルは大きいと考えられている。

 太陽電池はクリーンで無尽蔵の太陽光を、シリコンなど半導体により電気エネルギーに変えるデバイスである。キー材料である半導体別に、単結晶シリコン、多結晶シリコン、化合物半導体などにタイプ分けされる。この中でもっとも普及しているのが多結晶シリコン、次いで単結晶シリコンである。太陽電池のメリットは石油など化石燃料を使わず、CO2(二酸化炭素)も発生しないこと。近年クローズアップされている省エネ、地球温暖化対策にマッチした発電システムと言えよう。

 太陽電池で最も先行しているのが、日本であり生産・導入量とも世界市場全体の5割弱とトップで、ここ10年間一貫して高い伸びを続けている。この最も先行している日本でさえ、電力会社発電能力に対する太陽電池発電能力は1%レベルと低く、本格的な普及はこれからといえる。一方、海外についてもドイツやアメリカなどの積極的な導入施策もあり急成長している。このように太陽電池は、世界規模で成長ステージに入っていると言える。

 国内市場が世界に先駆けて立ち上がったこともあり、日本企業は太陽電池市場でトップの地位にある。世界の太陽電池メーカー別シェアを見ると、第1位のシャープ(6753)が他の追随を許さず圧倒的で、次いで京セラ(6971)、さらに第4位に三菱電機(6503)と、日本企業が上位を独占している。また太陽電池のセル材料として最も多く使われる多結晶シリコンでは、トクヤマ(4043)が世界第2位に位置する。最近におけるこれら企業の太陽電池事業を分析すると、国内以上に海外の伸びが高く、海外の収益貢献が大きくなってきている。世界的な太陽電池市場拡大は、日本企業にとって大きなメリットとなっている。

写真=環境問題に対する関心の高まりから、世界的に太陽電池市場が拡大している。写真は太陽電池会社を訪れた英国のブレア首相。(ロイター)


■ トクヤマ(4043) マルテックス業種分類=総合化学業
 太陽電池のセル材料として最も多く使われている多結晶シリコンで世界2位。多結晶シリコンは半導体、太陽電池向けに需給ひっ迫が続いており、昨年9月に20%の値上げを表明するなど絶好調。急増する太陽電池向けに飛躍的な生産コストダウンを実現する新工場の立ち上げを発表しており、2006年初めからは本格寄与する見込み。全体ベースの業績についても、多結晶シリコン貢献から好調。焦点である来06年3月期は、値上げ効果本格化から急拡大が予想されている。

■ シャープ(6753) マルテックス業種分類=家電・AV業
 液晶だけではなく、太陽電池関連として注目すべき収益状況になってきている。太陽電池の世界シェアは3割弱と、2位の京セラを引き離して断トツ。太陽電池事業は爆発的な成長となっており、今05年3月期における会社計画の事業売上高は、期初の900億円(前期比23%増)から1100億円(同50%増)へと増額修正。来期以降も現状からは5割レベルの成長が続くと予測されている。同事業の売上高営業利益率は10%強であり、利益インパクトは高い。

バックナンバー

第5回「ゲーム」関連業界=アミューズメント機械業、ゲームソフト業

第4回「エネルギー」関連業界=石油元売業、海運業

第3回「不動産」関連業界=不動産業

第2回「BRICs」関連業界=総合商社業、海運業、鉄鋼業

第1回「健康」関連業界=食用油業、清涼飲料業、食品業




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