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日記

日記

日産ディーゼル工業

みずほインベスターズ証券

調査部

シニアアナリスト

河合 敦氏


日産ディ

「排ガス特需」今期ピーク
業績上ブレ余地
一段高パワー秘める

2005年8月1日
◆投資判断◆ 「1」

 当調査部では、当面の自動車セクターでの注目銘柄として、自動車NOx・PM法による買い替え需要が今期ピークを迎え、その恩恵を最大限享受するとみられるトラック3社を考えている。今回はその中から日産ディーゼル工業(7210)を取り上げる。

 自動車NOx・PM法では、首都圏や中部・近畿の大都市圏において、新車登録後9年経過したディーゼル車の継続使用を禁止している。つまり規制地域内のトラックユーザーは、使用期限の到来を機に、新車に買い替えるか廃車しなければならない。規制スケジュール上、この買い替え需要が今期ピークを迎えるとみられる。

 トラック3社の今期普通トラック需要予測は11万台前後だが、当部では以上の理由により12万台程度の需要が発生すると考えており、その場合11万台の需要を前提とする各社の今期業績見通しも上ブレが期待できる。

 日産ディは、「尿素SCR方式」によって業界に先んじて新長期排ガス規制をクリアした。同業他社は、新長期規制をクリアするための技術として「EGR(排ガス再循環装置)プラスDPF(排気微粒子除去装置)方式」を採用しており、尿素水補給の必要のある日産ディ方式にはインフラ整備とユーザーの使い勝手の点で不安視する向きもあったが、尿素SCR方式は燃費が良いというメリットについてもユーザーの理解が得られつつあり、販売は順調に推移しているようだ。

 同社はリストラの過程で優先株を発行しているが、先日一部買い戻しを発表し、普通株転換による希薄化懸念も和らいだ。会社予想をベースに算出される連結PERは、希薄化を考慮して14倍程度と計算されるが、トラックの販売状況が好転し、業績上方修正が現実的になるにつれて株価には一段の上値余地があろう。


日産ディーゼル工業の連結業績推移



売上高   営業利益      経常利益   純利益   1株利益
03.3   3,813    115     60    ▼33 -
04.3   4,530    282     191   ▼403 -
05.3   4,612    334     304   300 117.0
06.3(会社予) 4,650 300     270   220 90.1
06.3(予) 4,850 355 325 265 108.6





※予想はみずほインベスターズ証券。(単位:億円、円)


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