野澤武史のラグビーモチベーター!!

2010/03/01(月)20:31

ゲインに正直なチームが・・・

ラグビー(322)

 本日付で、今シーズンの日本代表スコッドが発表になりました。  早いもので来年はワールドカップイヤー。それを考えると、かなりフレッシュなメンバーが選ばれたといっていいのではないでしょうか。僕はフッカーの堀江選手に期待します。決勝戦でのプレーもそうですが、人に対する異次元の強さの持ち主。どこかトヨタの中山選手に通ずるものがあります。  今年は秩父宮でジャパンの試合が多く組まれているので、今から楽しみです!  さて、今年ルール解釈改正があったスーパー14。  開幕節のような「過剰な」レフリングはなくなったとはいえ、やはり、タックラーのプレーには大きな制限がつけられたのは確か。結果として、ボールの継続が容易になり、キックの蹴り合いで時間が過ぎていく・・という場面は減少しました。  どのチームも、ターンオーバーされにくい=ゲインを積み重ねるアタックにシフトチェンジしているように見受けられます。ブルズの得点能力が抜けていますが、その原動力となっているのが「スクラムハーフを絡めたアタックシェイプ」です。  ディフェンスシステムが整備された現代ラグビーにおいて、ブレイクダウン周辺は、ラインブレイクが起こりやすい場所であることも確かです。  ブルズは1パスで、どんどんゲインラインを切っていきます。  もちろんそこには、考え抜かれたアタックのシェイプが用意されています。とにかくハーフからのアタックの選択肢が抜群に多い。スクラムハーフでボールを分配できる、というのが今のブルズの強みです。  スタンドオフの方が視野が広いし、時間的にも余裕がありますが、ゲインからはそれだけ遠くなってしまいます。であるならば、もうひとつ前の段階でボールを動かしてしまう。スタンドオフは取り切る場面とエリアのコントロールの仕事をする、という役割分担です。  このラグビーの前提となるのが、スクラムハーフの卓越した判断力。デュプレアというプレーヤーが、もはや戦術の1ピースを担っています。  更には、圧倒的なブレイクダウンの強さ。クリーンなボールを出すことがデュプレアの選択肢を増やし、ゲインラインを切りやすいシチュエーションを生みます。ゲインを切れば、ゲートからしかブレイクダウンに参加できないというルールがある以上、より簡単にブレイクダウンワークを行える。非常にいい循環が生まれています。  僕個人としては、スクラムハーフのところでボールを動かすとラグビーの幅が狭くなってしまうのであまり好きではありませんが、そのアタックの広さも、ゲインを取ることで効果を発揮するのであれば、もはや僕の好みは時代遅れということになるのかな。ルールが変わり、ラグビーも変化する。  このスポーツの面白いところです。

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る