2023/10/25(水)00:42
大村小の観望会
そういうわけで、朝までスタパーで楽しんできたわけですが、今夜は大村小の観望会です。
昨日の今日だから、いい空だわなぁ、と思いながら、17時過ぎに到着。
すでに、Uさん、YMさん、HSさん、Nさんが到着済みで機材が並んでる。
ふむふむ。奥から、C11、Ninja400、Mak127、FSQ85か。これに80EDで、口径はまちまちだけど、手前からちゃんと焦点距離順になってたりするのがおもしろいところね。笑。
複数のグループで回す観望会だと、小口径+ドブみたいなペアを組むんだけど、ここの観望会はみんなバラバラ見てもらう、ゆるーいスタイルなので、これでいいわね。
機材を出して、本格的に開会する前に、例年通り、係のお母さんたちに覗いてもらう。
いつも一生懸命準備して、運営してくれているからね。当然の配慮でございます。
明るい空をバックにポッカリ浮かぶ半月。瞳孔が絞れてるからなかなかシャープに見える。
今日も気流いいみたいね。よかった。
だんだんと空が暗くなってきたところで、開会。
さて、私はまずはSWAN 40mmでお月さまでございます。
ちいさい子、はじめての子たちに、ここで覗き方をマスターしてもらわなきゃ。
小2の女の子。最初は例によって左右の目の真ん中へ月の光。ま、そうなるよねー。笑。
右と左どっちで見たい?と問いかけて、こっちと答えてもらって、意識を片方の目に向けてもらう。
そうすると、自然とそっちの目で覗く感じになるんだよなぁ。最初は動きに迷いがあるんだけど、
「もう一回やってみようか?」「そそ。上から穴を覗きながら近づけていく感じね」
二回、三回と繰り返し目を近づける動作を練習してもらうと、最後はスーッと覗き口へ。
「見えてるよね?」の問いかけに、ニッコリ笑顔で「うん!」。だよねー。
左右で心配そうに見ていたお父さんお母さんもホッとした表情になる。
「これでどの望遠鏡でも見られますよ、大丈夫です。」
お父さんお母さんも覗きましょ。ねー、きれいですよね。
親子三人でニコニコしながら、隣りの望遠鏡へ。
はい。次の方、お待たせしましたー。
だいたいありがちなのが、はじめて覗く子供が覗きだしてすぐにお父さんお母さんが横から「見えた?」「見えた?」と訊くパターン。こうなると、見えてないお子さんは途端に焦りだして、見えてなくても「見えた」と答えてしまう。一旦萎縮してしまうと、ホントに見えるところまで持っていくのは少し大変なんだよな。
せっかくベテランガイドさんと立派な機材が並んでるんだから、ここでぜったい覗けるようになってもらわないともったいないもんね。それゆえこういう観望会は月がある夜がいいんだよなぁ。
ま、ここでの観望会も今年で4回目だから、結構覗きなれてる子も多いわね。
スタパーに顔を出してくれたご家族さんも居るぐらいだし。
さて、次は土星へ。Pentax SMC10.5XL。53x。
土星をマジマジと見るにはちょっと倍率不足だけど、そういうエンターテイメント系の見せ方は奥の大口径&長焦点に任せて、覗きやすさと明るさ優先。
「ちっさ」とか言われながら(フリーレンのフェルンかよ?w)
ねー、ホントにわっかがあるでしょ?
ほらほら「見えた!」ですぐに目を離さないでじっくり見てると細かい部分がだんだんと見えてくるんだよー。ね。見えるでしょ。
ときおり登場する初めてさんの練習で月へ戻したりしながら、のんびり見てもらう。
だいぶバラけてきたな。お。木星がでてきた。あっち向けよう。
そそ。右にふたつ、左にふたつ、木星のお月さまが見えるね。
そう!シマシマがあるのよー。よく見えてるねー。
「見せてもらってもよかですか?」
ご年配の方がいらした。娘さんが付き添っている。
「はじめて見せてもらうとですが、大丈夫ですかね?老眼もあるし」
大丈夫ですよー。望遠鏡っておっきいメガネみたいなもんですから。私も老眼(心の中では遠視と言いたい)入ってますし。笑。
それではまずはお月さまです!イスに座ってゆっくり見てください。
「あらー、こんなにはっきり見えるとねぇ。きれか~」
ですよねー。
次は土星です。わっかが見えると思います。
「ホントに!」
この次は木星です。シマシマが見えます。まわりの小さな星は木星のお月さまなんですよー。
「すごくきれいね。ありがとう」
いえいえ。この先におっきい望遠鏡がありますから、もっと大きくして見せてもらってくださいね。
列が切れた。よし。次はコートハンガーにしよっと。
コートハンガーっていう星の並びを見てもらってます。
まずは右上から左下にまっすぐに並んでる星の列を見つけてください。
見つかったら、真ん中ら辺から右下に向かってフックが生えてます。
それを頭の中でクルッと回転させると、ハンガーになりますね?
「ハンガーというか、えもんかけですよね?」とお母さん方。
まさにそうなんですけど、子供たちに「えもんかけ」って言っても伝わらないので・・・。笑。
はい。次はアルビレオ。
はくちょう座のくちばしの星、アルビレオです。
あそこにある織姫星、こっちの彦星、んで、はくちょうのしっぽの星、デネブを結ぶと、おっきなおっきな三角形になりますね。これが夏の大三角。
はくちょう座はデネブがしっぽで、これが胴体。こっちが羽根、こっちも羽根。ここが首。ここがくちばしです。このくちばしの星を望遠鏡で見ると二つの星が並んで見えます、この二つの星の色がぜんぜん違うところをみてくださいねー、などと説明しながら覗いてもらう。
ちょうどご夫婦で並んでおられたので、
お母さんにこれを見せると、私もこういうのがほしい、と言われてしまって、お父さんが困ってしまうことになりますので、どうぞお気をつけください。
私が奥さんに見せるときは「この空の星はきみのものさ」と事前に伝えて、そういうセリフが言えないようにしています。などと与太話もはさむ。
何色と何色に見えた?ふむふむ。お母さんと娘さんとで表現が違うな。
えっとですね。星って面積がすごくちいさいので、人によって見える色って結構ばらつくんですよ。だからどっちも正解なんです。
「私も見せていただこうかしら」
おだやかな口調の年配のご婦人。
それでは、まず月へ。
「クレーターというんですか。とてもきれいに見えますね」
はい。デコボコしてますね。今日はとてもよく見えていると思います。
次は土星です。
「わっかが分かれてるんですね?」
え?わっかの真ん中辺りで二つに分かれているのが見えるんですね!
すごいです。よく見えてますねー。
次は木星です。
「シマシマが見えますね」
はい。その通りです。左右二つずつの星が木星のお月さまです。
と説明しながら、いやあ、すごい観察力!恐れ入りました。と思いました。
終わりの会で、印象に残った対象として挙げてくれたのが、月とコートハンガーだった。
おお!見せてよかった~。
やっぱ星の並びを探したりイメージしたりするのが楽しいんだろうかね?
コートハンガーと言ったときに、お母さん方が口を揃えて「えもんかけよね~」と言ってるのを横目に、見ていなかったお父さんがすこし悔しそうだったので、「また次回お見せしますよ」と言い添えておいた。
撤収しながら空を見上げると、一面の雲!
え。いつの間に?ぜんぜん心配してなかったけど、実はよくもってくれた感じだったのか。。。
雲間の月を覗いてみたいが、いかんせんお腹が空いた。なんか食べに行こうっと。笑。
というわけで、いつもにもまして、記憶に残る、なかなか思い出深い観望会でした。
来年も晴れてくれるといいなぁ。