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RIKIにっき

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2006.02.08
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カテゴリ:お仕事
 昨日のブログに書いた、検査中に気分が悪くなってしまった患者さんがかなり回復された頃、今度は別の患者さんが、「ベッドで点滴が必要」という事態になったらしい。

 うちの医院、ベッドは1床しかない…。(-_-;)
 しかもそのベッドの置かれている狭い部屋では、ナースと栄養士が、患者さんの生活指導をするのを目的にしていて、ナースコールすら作られていない。。
 基本的に点滴の患者さんには座って、採血室の中で点滴を受けていただいているのだ。

 さっきまでそのベッドで休んでいてもらった患者さんの顔色がかなり良くなり、「待合室で待っていられますから」とおっしゃったのをイイことに、そのお言葉を信じ、検査結果がでるのを待合室で待っていただくことにして、新しい患者さんを急遽、その貴重な(-_-;)、ベッドにご案内する。
 
 「新規事業で隣にジム作る前に、まともな点滴室作れよ」という私の思いはともかく(-_-;)、マスクをした、その50代前半と思しき男性患者さんは、これまたかなり、しんどそうだった。。。

 その方は糖尿病をお持ちなのだが、カゼで食事がまともに取れなくなってしまい、一時的に血糖コントロールがむちゃくちゃになっての高血糖…ということで、3号点滴(→病院用のポ○リスエット、という表現でイメージわきますかねぇ…、水と電解質補給用の点滴です)にインスリンを混ぜての点滴を準備。
 いい血管をお持ちの方で助かった。
 点滴の針を刺すのも、おお~、一発でバシッとキマったね!(^_-)-☆
 針をテープで固定し、その患者さんが休まれているベッドと、生活指導のナースや栄養士が座るデスクの間にパーテーションを置いて、

 「すいません、インスリン入った点滴なんで、よろしくお願いします」

 と、生活指導担当ナースにその患者さんの様子観察を託して、私は部屋を出た。


 基本的に、点滴管理は採血室ナースの仕事である。
 しかしベッドで点滴される患者さんについては、そのベッドのある部屋が、診察室3つ隔てて向こうにあり、採血室から目が届かないこととナースコールがないこと、12:30ぐらいまではその部屋で生活指導があることから、『暗黙の了解』というやつで、生活指導ナースに様子を見ていてもらうことになっていた。

 その『暗黙の了解』が、マズかった。。
 採血室の私や生活指導のナース、どちらの目も届かなかった時間が存在したのだ。

 いつの間にか漏れてしまった点滴で、患者さんの腕はパンパン!
 しかも生活指導担当の人間がいなかったため、患者さんが自ら、点滴スタンドを押して、採血室に現れたのである。。。

 なんてこったいΣ( ̄ロ ̄lll) ガビーン!!

 …漏れるような点滴の刺し方をしてしまったのは、明らかに私のミスである。
 しかし、ここまで腫れるには、患者さんはかなり痛かったはず。
 点滴の際には、「少しでも何かおかしかったら、ここに人(生活指導ナースなど)がいてますんで、伝えてください」と、私は患者さんに言っていた。

 その部屋に人がいないとわかっている時には、私はいつも患者さんに、クレンメ(→点滴の滴下数を調節する部分)の操作方法をお伝えして、点滴の止め方を説明するようにしている。
 本来、それはマズイことだが、こうなることが怖かったからだ。

 が、今回は人がいたことで、患者さんに点滴の止め方を伝えていなかった…、あちゃ~~(||| _ _)!!

 「患者さんの側離れるなら、様子見てからにしてーや…」

 と自分のミスを棚に上げ、生活指導ナースに腹を立てる私。(←何てヤツ!(-_-;))
 
 もちろん、点滴は刺し直し。
 採血中で手が離せなかった私に代わり、同僚がやり直ししてくれることになり、患者さんは再び生活指導の部屋へ。
 「申し訳ありませんでした」と、別の患者さんの採血をしながら、頭を下げた私である。。


 12:30を過ぎた頃には、すべての診察が終了、採血ももうでない。
 会計待ちの患者さんが医院内に数人いらっしゃる程度で、採血室の同僚も、生活指導の同僚も、常勤ナースはみんな、昼休みに入った。
 そんな中、生活指導の部屋で一人点滴されているさっきの患者さんのところへ、私は改めて謝罪に向かった。
 何とも気が重かったが…、私の姿を見た患者さんは、笑顔を見せてくれた。
顔色も、多少良くなられているように見える。

 「すみませんでした、(腫れた)手、痛みますか…?」

 「いや、大丈夫ですよ。でも、よく腫れましたねぇ…」

 あああ、『穴があったら入りたい』とは、この状態のことやね…。(ーー;)

 そんな私に、その患者さんは、あれこれ話をされる。
 いつから体調を悪くされたか、から始まって、普段の暮らしぶり、お仕事の話、果ては「ホリエモン」問題まで。。。

 「誰かと話をしたい」という気持ちが戻ってこられたのは喜ばしいことであるし、私もとりあえずの仕事は、後片付けを含めて、すべて終わっている。
 少し高めのベッドで休んでおられる患者さんの側にしゃがみこみ(イスがなかった…)、患者さんを見上げるような形で、私はお話に耳を傾けた。


 いつもは時間に追われてばかり、『患者さん』というひとくくりの枠でしか、どの人も見ていない私。
 しかし、今こうやってベッドで話をされている方は、(もちろん『患者さん』だが)その前に、”『○○※※さん』という、たった一人しかこの世にいない人”。。


 ○○さんとのやり取りの中で、私は日々流されて、忘れかけていた、「大切なこと」を思い出すことができたのだった。


 点滴は終わった。
 会計のところまで、○○さんと一緒に歩く。

 「気ぃつけて、お帰りくださいね」

 「ちょっとラクになったんで、後は家で寝てます」

 「…おだいじに。(^^)」

 「ありがとうございました」

 いつもよく使う「おだいじに」という言葉だが、今日は特に実感を込めて言うことができた、私なのだった。。


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最終更新日  2006.02.08 13:16:45
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