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阿部和子





 ≪自己が誕生する前≫


 言うまでもないことですが、個人としての私(=自己)が生まれる前から、
 世界(=生きる場所)があります。
 その世界という場の中に(私の)生は与えられます。

 人は、日々具体的に展開されるさまざまな出来事の主とならんとする生命や、
 その始まりを自分自身でつくり出すのではなく、他社(自分でないもの)
 から与えられるという頼りなさをもっています。

 この他社(=世界)に埋没している頼りない生命を、周囲とのやりとりを通
 して自分のもの(他ではないもの)として区別することで、私(=自己)が
 誕生することになります。

 並行して、その生命(を生きること)を周囲とのやりとりを通して自分の
 ものとして受け入れていくことになります。
 生(命)はその最初において、私(=自己)という意識はもっていないと
 思われます。


   『乳幼児期の「心の教育」を考える』
    第2部 子ども-大人関係の中での自己の育ち より
                 著:阿部和子  発行:フレーベル館

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2007年2月4日配信のメールマガジン
   【JPCN】「私」という意識、いつ生まれたのかな?
…に掲載しました。





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