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心筋梗塞

心筋梗塞

病態生理

心筋梗塞とは、心臓の筋肉、つまり心筋が死んでしまう状態に陥る病気です。心筋は、三本の冠状動脈から血液を供給してもらって栄養を得ています。それらの血管が詰まることで、血流が閉ざされ、栄養がなくなれば組織や細胞は当然死滅するわけです。教科書には100%の完全閉塞が心筋梗塞で、それ以下の99%などの狭窄では狭心症みたいなことが書かれていますが、99%の狭窄でも、心筋が壊死に陥れば心筋梗塞と呼んでいますし、逆に完全に閉塞してても壊死を伴わなければ心筋梗塞とはいえません。

心筋梗塞のリスクとなる因子に高血圧、動脈硬化、糖尿病、高脂血症などがあります。これらの因子が多いほど、リスクは高くなります。この因子をみて気づくかと思いますが、いずれも血管の障害です。血管を正常な状態に保つことが、すなわち予防といえます。

一般的な機序としては、動脈硬化などで粥種(お粥状にドロドロになっている)が積み重なり、狭くなった血管でそれらがはがれたりするこどで出血となり、血栓が形成され、血栓が積み重なると、血管が閉塞します。

心筋梗塞にはいくつかの分類があります。

発症~48時間    急性心筋梗塞(acute)
~1ヶ月      亜急性心筋梗塞(recent)
1ヶ月以降     陳旧性心筋梗塞(old)
3ヶ月以上     完全慢性閉塞(CTO)
(石灰化病変)
         
急性心筋梗塞(acute) T波上昇、ST上昇
亜急性心筋梗塞(recent) 異常Q波、ST上昇
貫壁性梗塞 異常Q波形成

Q波梗塞      (原則的に貫壁性梗塞)
non Q wave 梗塞  (原則的に心内膜下梗塞)

前壁    anterior 左室の前
前壁中隔  anteroseptal 左室~心室中隔
側壁    laterl 左室の横
下壁 inferior 心臓の下
後壁 posterior  心臓の後ろ
右室 right ventricular

心筋梗塞の中でも多いのが、前壁中隔梗塞と下壁梗塞です。右室の梗塞はなかなかお目にかかりませんが、それは左室に比べ、心筋の厚さが薄いために、血液が末梢まで浸透しやすいなどの理由があります。
閉塞部位で一番影響が強いのが、#5である、左冠動脈の主幹部(LMT)といわれる部位です。これは左冠動脈の一番付け根であり、ここが閉塞することで、2本ある左冠動脈の血行がすべて途絶されることになり、左心の機能が著しく低下します。また、一番末梢のたとえば#4などが詰まっても治療をしない場合があります。状態が安定していれば、わざわざPCIをしなかったりします。このように部位によって重症度はかなり変わります。心筋梗塞になったらすぐに心筋壊死が始まるわけではなく、もともと狭心症などがある場合は、もともとの冠動脈には細い側副血行路(コラテラル)があり、狭窄すると正常の血管から狭窄血管を補ってくれることがあります。このコラテラルが太く発達している場合は、血行が保たれることになりますから、たとえ閉塞しても壊死にならないのです。反対に言えば、初めての心筋梗塞はそういった補助がないために一気に壊死に至ると言えます。

心筋梗塞の修復過程

0~4日は炎症期。
4~8日は炎症がおさまってくる時期で、心筋の崩壊が進行します。
6~8日は治癒開始時期。血管が伸びてきて細胞が増殖します。しかし、一番脆い時期です。
3~6週 瘢痕時期 壊死組織が吸収され、繊維化されます。

(梗塞部位) (閉塞冠動脈枝)

前壁中隔梗塞 前下行枝
前壁梗塞 前下行枝
前側壁梗塞 前下行枝+回旋枝
高位側壁梗塞 回旋枝
下壁梗塞 右冠動脈or回旋枝
右室梗塞         右冠動脈


心筋梗塞には三大合併症があります。不整脈、心不全、心原性ショックです。

不整脈は心筋傷害による自動能の亢進、リエントリー回路の発生、受攻期の閾値の低下などにより、vf(心室細動) VT(心室頻拍)が出やすくなります。24時間以内に発症しやすいと言われています。また心筋梗塞の初期の主たる死亡原因はこの不整脈によるものであり、これを防ぐこと、あるいは対応することで、救命率はあがります。

心不全は、心筋壊死により心筋のポンプ機能が著しく低下した場合に起こりえます。特に左室が広範囲にやられると、それは顕著におこります。逆にいえば、来院時に心不全症状がある場合は、障害が強いといえます。心筋壊死→ポンプ機能低下→急性左心不全→肺水腫という経過をたどることになります。心不全を合併してるかどうかで予後も異なります。

心破裂、これも重篤な合併症です。一週間ぐらいの間に発症することが多いです。心筋が壊死すると豆腐のように脆くなります。そこから段々と繊維化して固まっていくのですが、壊死した早期に過大な心負荷を加えると、心筋が破れてしまいます。そうなると、心嚢に血液が貯留し心タンポナーデとなり、多くは助かりません。
心破裂には二つ種類があり、自由壁(左室前壁)破裂型と、穿孔型です。自由壁が破裂すると、前述のとおり、心タンポナーデとなり致死的です。ただし、浸出型と呼ばれる小さい穴からジワジワと心タンポナーデへと進行するタイプもあり、これは早期発見により救命できる可能性が高くなります。穿孔型というのは、心室中隔というところに小さな穴が開き、左室から右室へ逆流します。穴が大きくなると症状がでてきて手術適応となります。
心破裂のリスク因子は、始めての心筋梗塞(狭心症が過去になく、あるいは軽度の今狭心症の既往)、女性、高齢、持続する高血圧、持続するSTの上昇、および再上昇、心膜摩擦音の聴取。

乳頭筋断裂 これも心破裂の一つです。乳頭筋というのは、弁を支えているものです。また、心筋についているものなので、心筋壊死より、そこに傷害が及ぶと乳頭筋が断裂することがあります。断裂により、弁の機能が低下し、弁がきちんと閉まらなくなります。急激に僧房弁閉鎖不全症などになります。滅多におこる合併症ではありませんが、早期発見のために、心音を注意深く聴取し、僧房弁領域で新たに心雑音を認めたら、疑う必要があります。多くは下壁梗塞に合併します。治療としては、緊急手術をしなければ救命できません。

心室瘤 壊死した心筋に圧がかかれば、そこが瘤のように飛び出したりします。
そうなると壁も薄くなりますから、破裂もしやすくなります。また、そこに血栓が溜まりやすくもなります。瘤の部分を開いて心臓の内側にパッチを当てこぶの部分を内腔と分離するDorという手術を行ないます。所見としては、心電図上で、ST上昇が持続します。


症状

胸痛あるいは、胸部圧迫感などの胸部症状が一番重要な所見です。胸部症状は一般的に30分以上持続するといわれています。胸全体、首や肩、歯、お腹あたりまで痛みがあるので注意が必要です。痛みは指で示されるような局所的なチクチクとした痛みというよりは、広範囲の痛みを訴えるといわれています。自分の経験では、激烈な痛みで七転八倒するような感じよりも、うずくまるような痛みが多いと感じています。痛みの評価は、今まで最も強い痛みを10として、x/10という風に訴えてもらいます。背中の強い痛みは大動脈解離の可能性もあり、鑑別が必要です。しかし、糖尿病患者や、高齢者では典型的な痛みを感じないこともあります。それらを無症候性心筋虚血ともいいます。糖尿病などは神経障害などで痛みを感じにくいのです。その他、心不全やショックをおこすと、それらの症状がでます。
呼吸困難、手足の冷感、意識消失、チアノーゼ(皮膚が紫色になる)、冷汗などがあります。最悪の場合、心室細動などの致死的な不整脈が出現し、突然死することがあります。心室細動に至れば、すぐに失神し、心臓はほぼ止まった状態であり、数分で死にます。急性心筋梗塞の場合、病院にたどりつくまでの死亡ではこの不整脈が原因のことが多く、なるべく早く、病院に行く必要があります。
病院にさえたどりつけば、かなり救命率はあがります。
それでも、全体な死亡率は30~50%であり、心筋梗塞は重篤な病気なのです。

検査

まず心電図。STの変化が現れます。一般的な変化の順序としては、T波の増高→ST上昇→異常Q波→陰性T(冠性T)です。この通りに必ず経過をたどるとも限りません。異常Q波が出現している場合は、梗塞が貫壁性(心筋の外側~内側まで)に心筋が壊死したことを示していると言われていますが、必ずしもそうではないと最近は言われています。。従って、原則的にST上昇のうちに治療を施す必要があります。異常Q波は最後まで残りますが、これによって過去に心筋梗塞をおこしたことがわかります。教科書等では、心筋梗塞はST上昇すると書いてありますが、非上昇型の場合もあります。心筋壊死が心内膜に限局した場合は、STは低下として示されます。それを心内膜下梗塞ともいいます。

心機能を見るために心臓超音波(心エコー)をとるのも普通です。これにより、心臓の壁の動きがよく把握できます。動きが悪い部分は梗塞部位と想定されます。また、弁の動きも把握でき、合併症である乳頭筋断裂による僧房弁閉鎖不全症などの評価や心タンポナーデなどにも役立ちます。

そして心臓カテーテルです。臨床ではCAGともいいます。これにより、どれだけ狭窄しているかが一発でわかります。造影剤を使用したりするので、副作用もあり、少なからず身体に侵襲があります。(副作用は、嘔吐やショック、発赤などがあります。)冠動脈は15番まである部位に番号がつけられており、どの部分が何%狭窄しているかを知ることができます。たとえば、#1 99%のように、表示します。通常は75%以上、左主幹部では50%以上を有意狭窄といい、治療対象となります。
また、LVGといって左室造影を併せて行うことが多く、これは左室の動きが把握できます。
心臓カテーテルの合併症として、造影剤の副作用の他に、冠動脈の穿孔、内膜解離などがあり、カテーテルにより、冠動脈そのものを傷つけることがあります。これらを発症した場合、状態によっては心臓外科の治療が必要となります。
そういうことも含めて、心臓カテーテル治療には、バックアップとして心臓外科が必要です。
また、治療中の合併症として再還流障害があります。これは、PCIによって血管が開通した際に壊死層から、フリーラジカルやカリウムなどが流出し、VTなどの不整脈を引き起こすことがあります。(再還流不整脈とも言う)そういったことから、心筋梗塞患者の傍には常に除細動器をスタンバイしておく必要があります。

そのほか、重要な指標として血液検査があります。心筋は傷害を受けると、細胞内から心筋酵素が流出してきます。それを心筋逸脱酵素といい、その量を心筋傷害の指標としています。その代表格がCK(クレアチニンキナーゼ)とCK-MBです。CKが正常値の約3倍以上を超えると心筋梗塞と診断されます。多くの施設ではこの2つをルーチン的に経過をみていきます。これらの酵素はある量を超えると下がっていきます。そのピークをピークアウトといい、酵素が上がりきったことを指します。それは、心筋の梗塞がストップしたことをも意味しています。また、梗塞量の指標にもなりますが、カテーテル治療などをした場合は、CKが早期に大量に血管内へ流出することになり、実際の梗塞量より上回るといわれており、梗塞量の指標にはなりがたいとされています。ただしCKは心筋炎、除細動などでも上昇することがあります。それに対し、CK-MBはより心筋に特異的な酵素のため確定診断としての目安になります。その他、AST、LDH CRP WBC なども見ます。最近は、簡易的に早期診断として活用されている診断マーカーが普及されています。ラピチェックといわれているものと、トロポニンTがあります。これらは、心筋梗塞の比較的早期に出現されます。ラピチェックは2~3時間、トロポニンTは6時間ぐらいで反応を示します。ラピチェックは心不全などでも陽性になることがあり、目安程度の信頼性と言われています。トロポニンは心筋に特異的であり、精度はかなり高いといわれています(94%が心筋に含まれている。)
心電図と血液検査で心筋梗塞の診断はほとんどついているようです。

他に検査としては、胸部レントゲンとRIがあります。レントゲンでは、心臓の肥大が分かりますし、合併症として心不全から来る肺うっ血の有無などを調べます。心筋梗塞になると、心機能が低下しますので、それに伴い心拍出量も低下します。そうなると、うっ血が始まり、左室の場合ならその手前にあたる肺静脈に血液が溜まります。やがて進行すれば肺胞などにも血液が浸潤し、肺の中が水びだし状態になることを肺水腫といいます。

RIは、塩化タリウムという物質を静脈注射して、それが心臓にとりこみ、ガンマカメラで撮影し、それが取り込めてないところが心筋の虚血を示していることになります。急性心筋梗塞ではまずしませんが、心カテが出来ない場合、また高齢で適応でない場合などは、虚血の状態を把握するときや、落ち着いたときに再評価するときなどにやります。

冠動脈CTというのが、最近増えています。これはマルチスライスCTによって立体的に心臓を撮影します。現在では、まだ心臓カテーテルほどの診断能力はありませんが、最近では、最高のCT機で撮影すると、かなり精度が高いものとなっており、ゆくゆくは造影はカテーテルに代わり、CTへ移行するといわれています。侵襲がカテーテルに比べて圧倒的に少ないのが利点です。

治療
AMIはCCUで管理となるのが普通です。CCUがない場合は、それ相応の重症部屋で集中治療をする必要があります。だいたい、2~3日滞在することが多いです。
痛みに対しては、塩酸モルヒネを使用することが一般的です。モルヒネは吐き気を催すので、吐き気止めを一緒に投与します。また、モルヒネは静脈拡張作用があるため、前負荷を軽減し、心臓の負担を減らします。三時間ぐらいは効果があります。狭心症で使用するニトログリセリンは無効と教科書ではいわれていますが、臨床では、点滴用のニトログリセリンを使用します。これによって、冠動脈を拡張し、場合によってはそれによって血栓が流れることもあると言われてます。さらに動脈、静脈も拡張し、心臓の負荷を軽減することもできます。ISDN(ニトロール) NTG(ミリスロール)が一般的に使われます。(ただし右室梗塞には使われません。なぜなら、ISDN(モルヒネも)などは、静脈拡張などにより、血液を静脈に貯めてしまうことで、心臓への血液の戻りを妨げ、低心拍出量となりショックに陥る可能性があるから)。ISDNでも、血圧が下がる場合は、シグマート(冠動脈を選択的に拡張、血圧低下が一番少ない)を使用したりします。

血栓に対して、ヘパリンの持続点滴、静脈注射をすることが多いです。またIVCTといって、血栓溶解療法をすることもあります。t-PAといった血栓溶解剤を使用して、カテーテル前に血栓を溶かすことを試みることもあります。ただし、これはかなり出血性の合併症を伴うため、既往に脳出血とかがある場合は禁忌とされます。これによって、再還流する場合もありますので、再還流障害に注意しなくてはなりません。
また、抗血小板剤としては、バイアスピリン、プレタール、パナルジン等を内服します。緊急の場合は、パイアスピリンを噛み砕いて速やかに吸収されるように内服させます。抗血小板剤はステントを留置した際に、ステント内の狭窄を防ぐ目的があります。ステントはやはり異物であるため、血液が凝固反応を示すわけです。
酸素療法を予防的にすることが多いです。それは、少しでも心筋へ酸素を送るためでもあります。また、心不全を合併していれば、低酸素を補うために酸素投与、あるいは人工呼吸器管理となります。
心筋梗塞の治療はMONAといわれています。Mはモルヒネ、Oは酸素、Nはニトログリセリン、Aはアスピリンです。

安静も治療のひとつです。心筋梗塞がおきた心臓は機能的にも実質的に弱くなっているため、最初は安静を保つことが重要です。絶対安静であり、上体を起こすことさえ禁じられます。当然ながら、食事も禁止です(消化によるエネルギー増大のため。)とにかく、心臓に負荷のかかることは極力避けるようにします。病態により、ベットを少し上げたり、座位をしたりと段階的に安静度を上げていきます。カテーテルをfemoral(股)から入れた場合は、シースという管が入っているか、圧迫止血をしています。安静を保つことで出血を防ぎます(大腿動脈というかなり太い動脈なので、足を曲げたりすることで出血しやすくなる)

今の主流は心臓カテーテルです。PCI(経皮的冠動脈インターベーション)といい、血管にカテーテルという細い管を入れ、閉塞してる部分を風船で広げたり、ステントという金属を植え込んだりします。発症6時間以内であれば、再灌流療法により心筋壊死の範囲を狭くすることが可能とされ、一般的には12時間以内がインターベンション治療の適応とされています。それ以後でも、症状が持続する場合などはやる場合もあります。PCI中の合併症としては、slow flowがあります。これは、良好に病変が拡張したと思われる状態において、造影すると流れが悪くなっていることをいいます。末梢や微小循環の閉塞が考えられます。また、全く流れないものをno reflowといいます。血管拡張剤などで対処します。
PCI後の合併症として怖いのが、急性冠閉塞です。POBA後に起こる合併症であり、治療部位が急激に冠動脈が閉塞します。最近は、それの予防としてステント療法がなされ、この合併症が解消されましたが、ステント後は治療後3~5日ぐらいにおきる亜急性血栓性閉塞(SAT サット)というのがあります。少ない合併症ではありますが、心筋梗塞と同じ状態となるため、非常に危険です。それに対しては抗血しょう板薬で予防します。SATが起きた場合は、緊急でカテーテル治療が必要です。

POBA(ポバと読む)
昔からある方法。冠動脈内からバルーンとよばれる風船をふくらまし、血管を拡張する。以前はPTCAと読んでいたが、ステントやロータといった治療がでてきたため、専門的な名称がついた。
再狭窄率は30%。それゆえに単独でやることはほとんどない。

STENT(ステント)
バルーンでふくます方法にメッシュ状の金属を植え込む方法を加えたもの。
現在の主流。
POBAよりも再狭窄率は低い。

血栓吸引
血栓が柔かければ、吸引して閉塞を解除できます。

rotablater(ロータブレーター)
カテの先端がダイヤモンドでコーティングされており、それが高速回転し、狭窄部位を削りとる。
適応は石灰化病変の慢性期の患者に行われますので、当然ながら、急性心筋梗塞には使われません。
これができる施設は限られており、ある程度の症例が必要。技術的にも難しいとされている。

DCA(方向性冠動脈アテローム切除術)
カテの先端にカッターの刃がついており、それで削りとる方法。最近はほとんどしてないようです。

DES(薬剤溶出性ステント)
新世代ステント。2005年になってから日本でも認可され、使いはじめている施設がでてきている。従来のステントでは、ステント表面に内膜が増殖し、再狭窄を生じてしまうことが問題となっていたが、このステントはステント表面にシロリムスという免疫抑制剤をコーティングしていることで、新生内膜の増殖を抑制するというもの。再狭窄率は10%をはるかに切るといわれている。
ただし、急性心筋梗塞では適応とされていないのが現状です。
また、問題点としては、抗血小板剤を長期にわたって内服する必要があるため、薬の副作用などが心配されます。出血の危険があるので、手術を控えてる人などは、使いにくいとされています。

第1選択はまずPCIとなっているのがほとんどだと思います。その他、PCIが困難な場合や、再狭窄を繰り返す場合などは、CABG(冠動脈パイパス術)を考慮します。閉塞している血管に腕や足、胸の中の血管を切り取ってパイパス状につなぎあわせるのです。原則的に、三枝病変、左主幹部病変はCABGとされていますが、最近は、PCIが発達し技術も向上してきていることから、PCIで対応している施設も増えてきています。





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