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心臓血管外科とは?

心臓血管外科の対象患者は、心筋梗塞、狭心症、弁膜症、先天性心臓疾患、大動脈破裂、大動脈解離、閉塞性動脈硬化症、下肢静脈瘤など。
手術も大手術が多く、患者へかかる負担も大きい。
開胸手術では、心臓をとめる必要もあり、そんなときは、人工心肺を使う。
人工心肺ではさまざまな副作用もあるので管理が大切。
最近では、人工心肺の使わない冠状動脈パイパス術(OFF POMP CABG)などがあり、患者にとってやさしい手術が行われている。ただし、技術は難しくなる。
大動脈破裂などは、主に、救命センター経由で緊急オペとなる。
あとはだいたい、待機的手術が一般的。
先天性の小児心臓外科は、手術が行える施設がかなり限定される。
小児心臓外科医が少なく、またうでの立つ人はさらに少ない。
成人の手術がうまくても、小児の手術ができるわけではない。

一般的に心外の術後はICU管理。開胸手術で病棟に戻ってくることはまずないだろう。それだけ管理が大変。術後でもかなり大変な部類に入る。
術後はほとんどが、人工呼吸器をつけたまま帰ってくる。
点滴類も多い。
スワンガンツ、バルンカテ、胃管、ドレーン、ペーシングリード・・・でも、そんなライン類も3日も経てば、どんどんはずされていく。
一週間もすれば、全部なくなってくる。(順調にいけば。)
術直後はだいたいバイタル、バランスは1スト(1時間おき)。
観察して、検温して、おしっこ測って、指示を受けて・・・などなど大変。
でも、外科は経過がやっぱり早い。
パイパスでも2週間ぐらいで退院できるし、翌日には歩いてたりしている。
経過が早いのは看護してても楽しいし、やりがいがある。
そのためには、いかに早く、離床を図るかがポイント。
看護の役割は大きい。
内科と違うのは経過の早さだろう。
だけど、合併症のリスクも高い。
呼吸器合併症は結構高い確率でおこる。
特に緊急手術(大動脈解離、胸部大動脈瘤破裂)など。
それを予防あるいは、ケアしていくのが看護の役割だ。
呼吸の機能はもちろん、肺理学療法は必須だ。
また、人工心肺を使うめた血栓がおきやすい状態でもあるため、脳梗塞なども稀におこる。
だから、術後は覚醒したらすぐに意識レベルと神経症状を確認する。
そのまま覚醒しないで麻痺があった・・・なんてこともあるからだ。
精神的には、ICUでICUシンドロームになる人が結構いる。
やっぱりあの閉鎖的な環境で、モニターや、チューブ類につながれたまま、寝たきりでいると、おかしくなるのだろう。
夜間せん妄などに注意しなくてはならない。

心臓外科っていうと、なんだかとてつもなくすごい手術で、術後管理も大変なんだろうなあと思う人が多いが、パイパスのオペ後などは、ほんとに患者は元気。
とても心臓のオペをしたとは思えないほど。
消化器のオペをした人なんかよりよっぽど元気であったりする。
ただし、緊急入院で緊急オペをした人はかなり手間取る。
大動脈破裂や、大動脈解離などがそのいい例。
合併症はかなりあるし、元気になるまで、1ヶ月ぐらいを様子みることとなることも多い。
呼吸器もなかなかはずせない。
バイパスばかりやってるところは、比較的病棟は落ち着いてるのではないだろうか?

心臓外科にいきなりいくのもいいが、最初に循環器内科をベースに覚えているとよりやりやすいと思う。
術後はケア的要素が強くなる。
心臓外科をやる場合、病院選びが大事。
症例数がかなり施設によって違うからだ。
ある病院では年間300例もやってるのに、ある病院では50例ぐらいしかないとか。
100例未満の病院は結構ある。
民間の専門病院のほうが活発にやってることが多い。

心臓外科だけではないが、特に心臓手術の場合は患者の不安が大きい。
生きて帰ってこれないんじゃないか?という不安を抱く患者は結構いる。
家族も含めたメンタルフォローは大切。
術後も同じで、今後に生活などで患者は不安に思っている。
そこをどう和らげていくかは、看護師次第。
そのためにも知識は豊富に持ち合わせていないと、患者の疑問に答えることはできない。


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