脳神経外科の看護とは?脳外っていうとどんなイメージがあるだろうか。全くみたことない人はよく分からないと思う。 対象の患者は、くも膜下出血、脳内出血、硬膜外出血、硬膜下出血、脳腫瘍、水頭症、(脳梗塞) 頭部外傷や、出血の場合はだいたいが緊急オペになることが多い。 それゆえに、術後もICU管理となる。 脳腫瘍は待機的オペで、大学病院などで症例が多い。 脳梗塞はあえて載せたが、本来なら神経内科が適応となる。 でも、実際は神経内科医というのはあまりいないので、脳外科がみてることも多い。 こんなことから、入院も予定入院というよりは、緊急入院が多いのが特徴的である。 脳腫瘍を主に取り扱っている病院は別。 脳外科の場合、まず意識レベルが重要。 なんらかの障害を受けていることが多いので、観察はすみずみまで行う。 言葉、運動、感覚、視力など、あらゆる機能を評価していかなくてはならない。 また、どこの部位が障害されたかで、あらかじめその障害の程度をアセスメントする必要もある。 従って、脳の解剖、機能は徹底的に熟知しなくてはいけない。 少しの機能低下や変化がすぐに急変につながるので怖い。 脳外ではよく瞳孔をみることが多いが、これは脳の圧迫状態をよく表している。 出血や脳浮腫によって脳が圧迫されると、動眼神経が圧迫されて瞳孔が開いてくる。まず片方。そして両方散大するともう死亡となる。 ちょっとおかしいなという第六感も大切。 そういう気づきがないと、重要な所見を見落とすことになる。 脳外科の術後はだいたい人工呼吸器管理。 そして脳室、脳槽、皮下などにドレーンを入れてくる。 このドレーンがまた管理が大変で、ベットの高さなど細かく設定してあるため、注意が必要。 このドレーンはあらゆる科の中でも一番管理が大変だと思っている。 術後大変といえば、くも膜下出血だろう。 術前からも大変だけど、術後も大変。 術後は脳血管れん縮がおこらないように、あるいは早期発見しなくてはいけない。 これはいわゆる脳梗塞状態に陥ることで、血管が極度に収縮してしまうこである。 それから、水頭症という合併症もある。これは脳の中の髄液がつまってしまうこと。 だから、くも膜下出血は合併症予防に全力を注ぐ。 脳外は急性期を越えると、今度はリハビリ。 リハは根気がいる。 患者のやる気がない場合は往々にしてあるので、なかなか進まない。 また、変化も少ないから、リハするほうとしてもやりがいを感じにくい。 在宅で脳外の患者が多いのは、後遺症が圧倒的に多いからだ。 だから、在宅をやりたい人は脳外、神経内科をやっておくとなにかと役に立つ。 脳外は患者のセルフケア能力が低いことが多いので、ケアが濃厚だ。 なんにしても全介助ということが多いので、大変だ。 オムツ交換、体位交換もこれまた大変。 腰を壊す看護師もよくいる。 脳外時代はとにかく、オムツに体交・・・それがよく印象に残っている。 脳腫瘍は最近ではガンマナイフと呼ばれる放射腺治療も行われている。 このガンマナイフ。かなりくそ高い。 東京でも確か4台ぐらいしかない。(女子医、NTTとか。) 放射腺を集めて局所的に照射する。転移性の脳腫瘍に効果的とか。 すごいもんです。 グリオーマと呼ばれる脳腫瘍は未だ難治性。 まだまだ、これからの発展が必要。 脳梗塞は薬物治療が一般的だが、最近ではカテーテル治療も行われている。 できる施設は限られている。 これから大いに発展が期待される。 脳梗塞は今後もかなり増えると予想される。 看護を行う上でも、脳梗塞の病態整理は是非とも熟知しておきたいし、その必要性があるだろう。 しかし、脳外ってのは微妙だ。 手術して救命できても、植物状態になってしまっては本当に救命して良かったのかと疑問が残る。 そんなケースをいくつもみてきた。 脳外のオペはある意味賭けだ。 うちの親が脳出血などでかなり厳しいといわれたら、まずオペはしないだろう。 ジャンル別一覧
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