香水大好きコンクール受賞作品┏…………………………………………┓。○。香水大好きコンクール受賞作品 ○o。。.....................。o○ ┗…………………………………………┛ 最優秀賞作品 --*-- (nutmeg)さんの作品 --*-- 『見果てぬ香りを追い求め続けて』 幼い頃からいい香りのするものが大好きだった。 特にお日さまの香りをいっぱい吸収したふわふわしたものが好きだった。 そのふわふわしたものとは花びらを乾燥させたもので、たんぽぽのような 形の白い花びらをいっぱい集めて置いておくと干したての布団のようなお 日さまのにおいになるのだ。その香りと肌触りはなんとも言えず心地よく ていっぱい集めてまくらにしたいと夢みていたのだがまくらにするには膨 大な量の花びらがいるため断念するしかなく悲しかったことを覚えている。 けれど大きくなったら太陽をイメージした香水を作るんだ!と香水瓶に 描く太陽の図まであれこれ空想しては楽しんでいた。 そんな私がいろいろな香水に興味を持つのは自然な流れだったが、十九 の時に出会ったある本がきっかけでますます香水の魅力にはまっていった。 わずか十センチほどの薄く小さなその本は、本屋のレジの隣にミニ文庫 シリーズとして並んでいたうちの一冊だった。こんな小さな本もあるのだ。 と何気なく手にとった「香水物語」という名のその本に、私はその後何度 も読み返すほど引き込まれた。 その中に登場する香水たちにはまだ出会ったことがなかったのだが、大 人の香りという感じがして強い憧れを感じたものだった。 見ることも聞くことも触れることもできないが、確かにそこに存在して いる不思議な感覚。故に私が香水を使う時は、目に見えないが私の身体を 覆う空気を「着る」=「纏う」感じできめ細かい香りの霧の中に腕や足を くぐらせる感覚がとても好きだ。 そして私の体温で温められ、肌になじみ私だけの香りに変わる。 香水は香りそのものの魅力にネーミング、コフレ、パッケージ、コンセ プトなども相まって素晴らしさを更に引き立たせてくれる芸術作品だと思 う。いつか「香水物語」に登場するような大人の香りもさりげなく着こな せられるようになるだろうか。まだ出会えずにいる香水たちは私の想像を かきたてる。数え切れないほどの香料が組み合わさってできる香水。無限 の可能性は私の夢そのもの。その神秘さに私は惹かれてやまない。 平成十四年 八月 十四日 nutmeg o○o。。..。o○o。..。o○o。。..。o○o。..。o○o。。..。o○o。..。o○o o .。o ○o。..。o○o。。..。o○香水広場通信○o。..。o○o。。..。o○o。.. o http://khiroba.com o○o。。..。o○o。..。o○o。。..。o○o。..。o..。o○o。..ライト9/15号.より 香水物語 ジャンル別一覧
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