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ね、君が行きたいところへ行こうよ

ね、君が行きたいところへ行こうよ

第六話 永遠に・・・

「クマさん・・・」

朝の光の中、コトリは目を覚ましました。

「おはよう。
大丈夫?ちゃんと眠れた?」



「うん・・・。ありがとう。

クマさんは?
もしかして、全然寝てない?・・・よね・・・。

ごめんなさい・・・私・・・。

いつも自分のことばかり・・・。」




「そんなことないよ。

ボクは、なんていうのかなぁ。
コトリさんが幸せそうに笑っててくれるのがなによりも幸せなんだから。

自分のことより、
なんだか嬉しいんだよ。

それより、

昨日は何かあったんだよね・・・。
何も知らずに、何もしてあげられなくてごめんね。」





「そんなことないよ。

私ね、とにかくクマさんのこと思ってた。
悲しいことや辛いことは、自分で乗り越えなきゃいけないことだから。

でもね、どこにいても、何をしていても、
きっとクマさんが抱きしめてくれるって信じることが出来て。

だからね、私、
昨日はとても悲しかったけど、

ただただ、クマさんに会いたいだけで飛んで来たの。


聞いてもらいたいとか、助けてもらいたいんじゃなくて。

クマさんの声が聞きたかっただけなの。」






「うん。

ボクはね、いつも自由に、元気に飛び続けるコトリさんが、
そんなコトリさんを見ているのが大好きなんだ。


でもね、疲れたり悲しいことがあったときは、
いつでもここに来ればいいよ。

何もしてあげられないかもしれないけど、
ただそばにいることしか出来ないかもしれないけど、






ここはコトリさんの帰る場所だから・・・。」










二人はいつまでも、お互いの顔を見つめていました。












長い旅だったね。

もう誰もわかってはくれないって、諦めようとしたり。

誰にも迷惑を掛けたくなくて、一人で泣いていたり。


期待することに疲れて、

同じ気持ちなんて、どこにもないって投げやりになりかけて、








それでも、誰のせいにもしなかった。





すべては自分のためにおこる出来事。






ずっとずっと幸せだった。

幸せに生きて来た。






そう思ってきた。



こんなにスゴイ幸せがあるなんて気付かなかったよ。




キミとなら、もっともっと幸せになれる。

ずっとずっと驚きながら、もっともっと幸せになれる。








出逢えてよかった・・・。

泣きたいくらいに・・・。



ありがとう。



これからも、よろしくね。



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