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今日のプロジェクトXは、骨髄バンクを作った人と、初めての患者、ドナーについてでした。
私も、医学生ながら、未だに骨髄バンクには加入していません。一回生のころ、加入しようと電話したら、「ありがとう、でも20歳以上じゃないと加入できないの。ごめんなさいね。パンフレットお送りするから、20歳になったらどうかお願いしますね。」といわれ、パンフレットが送られてきて、それから20歳になってもすっかり忘れていました。 5回生になって、血液内科をまわっていたときのこと、私の担当患者さんは50代の男性で、白血病でした。 化学療法をしたのですが、今回2度目の再発で、骨髄バンクにも照合したのですが、一致せず、あとは効く可能性の低い臍帯血移植しかない、というところまできていました。 病状の説明を受けられた日、「生きたい。でも、なにもしなかったらあと6ヶ月ていわれた。どうしようもないんかなぁ・・。」と涙を流しておっしゃられました。 なにもできない私は毎日話を聞くだけでした。 一年の病院自習の中で一番つらい実習でした。 そして、私もだれかの骨髄に合うかもしれない、と4年前届いたパンフを取り出して、親に相談しました。ところが予想に反して反対されてしまいました。理由は、ドナーにかかる負担が大きすぎること、入院が必要なために仕事を休む必要も生じること、そして、なにもうちの娘がそこまでしなくても、ということでした。 そんな両親にかなり失望し、なんとか説得しなきゃな、と思ううち、時間が経ち、また忙しさに頭の片隅においたままになっていました。 でも、今回両親もプロジェクトXを見ており、私にもぜひ見なさい、と勧めきました。なんなんだ、この変わりようは? そこで、今度こそ登録しよう、と例のパンフをとりだして早速記入しました。 ところで、うちの両親もそうですが、「うちには関係ないし」という人はけっこう多いのでは? でも、白血病はいつ、だれが突然なってもおかしくない病気です。急性白血病(アンディ・フグもこれでした)は10万人に男性6.0人、女性3.9人、慢性白血病は10万人に1人の割合で発生しています(1995)。甲子園球場が満員で4万人くらい(?)、だから、そのうち、だいたい1~2人くらい。これってけっこう多いですよね。 この白血病患者さん達は生きる為に、かなりの苦痛を伴う検査や化学療法を受けねばなりません。検査一回に、めちゃくちゃ太いボールペンくらいの筒を背中に数回さされて、この検査を何度となく繰りかえします。これは局麻なので、かなりの激痛を伴います。さらに化学療法では激しい副作用に耐えねばなりません。患者さんには、「こんな思いするくらいなら死んだほうがいい。」と言ってしまう方もいます。 ドナーになったら、太い針を何度もさされてしまう、と知って、足をすくめる方も多いと聞きますが、ドナーの場合は全身麻酔で痛みは感じないし、患者さんはそれ以上の痛みに耐えて生きようとしています。そして、それでも亡くなる方の数の多さ。 「なにもうちの娘が」 私は親になったことがないから、まだその気持ちは分からないけど、患者さんも誰かの大切な娘(息子)であること、そのことをうちの両親にも考えて欲しいな、と思います。 もし、だれか家族が骨髄バンクに加入しようとされていたら、あたたかく賛成してあげてほしいです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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