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カテゴリ:はぷにんぐ
夜12時前ごろだったろうか?
間接照明の薄暗い部屋で、友人と長電話のひと時をすごしていると、 窓の外から、赤い光がチラチラともれて来た。 先日まで私の住まうマンションには、頻繁に救急車が来ていたが、 用向き先である1階住人の方には、もうその必要がなくなられた。 立て続けに救急車の用向きがあるのは、身内の方々には辛い現実であるし、 冷たい言い方だが、近所の者にとっては迷惑な話でもある。 どちらにしても、救急車やパトカーといった類いの物は、 自身や身内の必要がないかぎり、見かけて明るい気持ちにさせる物ではない。 何が来たのか確認しようと、ベランダへ向かいかけた時、ふと気がついた。 「サイレンが鳴ってない‥」 もう、窓外から赤い明かりがもれ出して、かなりの時間が経過しているが、 人の話し声や緊迫した雰囲気が無い。 とにかくベランダへ出て、1階のマンションの入り口付近を覗き込んでみる。 やはり救急車‥梯子車? 救急車と梯子車が仲良く並んでサイレンは鳴らさず、頭の回転灯をつけている。 辺りには人影もざわめきも無い。 そのまま暫く眺めていたが、何の変化も起こらない。 3月深夜の外気はまだ肌寒く、ベランダから引き上げ風呂へ入った。 出て来てもう一度ベランダから覗き込むと、2台の緊急車両は消えていた。 去るときもサイレンを鳴らす事はなかったようだ。 いったい何だったのだろう? 救急車と梯子車といった組み合わせは、どういう場合に必要とされるのか? 人気が全く無かったのは、どういった理由だったのか? 緊急車両なのに、来る時も帰る時もサイレンを必要としなかったのは 何故だろう? 私の貧困な想像力では、解明出来ない謎が残された。 ちょっとしたミステリーである。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005年03月22日 09時35分09秒
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