先日、万引き犯を捕まえた。

100円ショップでの出来事。

60歳前後と思しき女性でした。

最初、荷物を整理する狭いカウンターの通路を
手ぶらなのに無理矢理入って来るおばさんに
少しムッっとして見ると、

忙しそうに立ち働くレジ係の目を盗んで、
ビニールの買い物袋をスルリと取った。

手ぶらなのにこんな物だけ取るなんて不振に思ったけど、
レジの人も、この程度で騒がれた方が迷惑だろうと
モラルのなさに苛立を覚えつつも黙ってた。

目の端でそのおばさんを捉えつつ荷物の整理をしていると、
おばさんは盗んだビニール袋の中に雑貨をいくつか放り込んだ。

「え？カゴじゃなくアレに放り込むってコトは…会計しない気？」

案の定、私が荷物整理を終えてエスカレーターを下ろうとすると、
レジを通らずそのまま付いて来た。

もめ事に巻き込まれるのはイヤだったけど、
今、何も言わずに‥見なかったことにしてしまったら、
私は悪い事してないのに罪悪感が残るような気がして、
おばさんに声をひそめて話しかけた。

「あの‥私見てましたよ。お金払ってませんよね」

もし素直に商品を陳列棚に戻してくれれば、
騒ぎにしようと思っていなかったんだけど、
おばさんは逆上して「何言ってるの！！そんな事してません！！」と
大騒ぎした。

係の人が駆けつけて来て、彼女をつれていった。

何だかとても空しい気持ちだけが残った。

だけど手口からいって常習犯っぽいから…
私が注意したコトは間違ってないんだ！って、自分に言い聞かせた。

万引きの語源は、

商品を間引いて盗むことから「間引き（まびき）」で、
撥音「ん」が入ったって説が有力とされている。
万引きの「万」は当て字。

「間」に「運」の意味もあるため、「間」と「運」が結合され、
運を狙って引き抜くという意味で「まんびき」になったとする説や、
万引きはタイミングを見計らい盗むことから、
タイミングの「間」からといった説もある。

江戸時代から使われているらしい。

そんな柔らかな言葉を用いるのは止めた方がいいような気がする。
窃盗なんだから。