菜教の別館

2016/10/06(木)16:23

4リンク・ストーリーズ[公演終了]

稽古期間中稽古場へ向かっていると、 声優の勉強を共に始めて、 事務所に入ってからも共に四苦八苦しながら歩んだ友人が 脳梗塞で突然亡くなったと電話をもらった。 彼女は同い年で、同期の少ない私にとっては特別な存在だった。 事務所へ行けば、どっちがどっちかわからん!なんて言われるくらい、 二十歳前後の私たちはよく似ていたらしい。 最近彼女は役者よりも、スタッフ側のお仕事が多く いい姉さんとして話は聞こえてくるけれど、ここ数年あの頃のように 密に交流することもなくなっていた。。 御通夜も告別式も終わって、お仕事と稽古に追われる日々を 取り戻さなくてはと思っていた時、 亡くなった彼女の御母様からメールをいただいた。 18歳から25歳くらいまで、娘と一番近くに居ただろう私と、 改めて話したかったと。 『4リンク・ストーリーズ』で「燃やせ刑事魂!」という物語がある。 その日、この物語の台本が上がってきた。 植村喜八郎さんが演じた“荒巻”役の最後の台詞が… 「俺の娘は白血病で死んだ。あいつは最後まで生きたい、生きたいって言ってたよ。 なあ、なんで娘は死んだんだ?あいつはそんなに生きる価値のない奴だったのか? 教えてくれよ青島。・・・誰かを殺して娘が助かるなら迷わず殺す。 それが大切な人を失う人間の・・・親の心だ。」 だった。。。荒巻は悪役ではある。 でもこの日、娘を無くした母からのメールをもらったばかりの私には 直視できないシーンだった。 荒巻役の喜八さんも娘をさんを思ってか、初めて口にするその台詞を 涙に詰まらせて言い切ることができなかった。 この本を書いた吉久さんも、二人の娘を愛してやまない人だから、 どんな思いで紡ぎ出した物語なのか。 「魔法少女プリティーモモ」 私の大好きな魔法少女にくっついてる小さな生き物役“デッチ” 主人公は必ず自分の力で乗り越えるので、小さな生き物の醍醐味は 応援と声援、サポートなのです。 そして戦わない魔法少女達は、最終的に魔法で解決しません。 魔法ではなく心で前に進むのです。 「プリティーモモ」でも“ナナ”という少女の病気を治してあげることはできなかった。 でも主人公の“モモ”と“神蔵くん”はラスト星降る夜空に「またな、ナナ」と語りかける。 存在した彼女は消滅したわけじゃないのです。 「燃えてヒーローショー!」 遊園地のヒーローショーの裏舞台。私の役はプロダクションデスクの怖いオバサン。 亡くなった友人の今は、こんな風だったかも?なんて思ったり。 参考にさせていただいた人が面白いけど可愛いげがなかったので、 友人の“可愛げ”と“憎めなさ”をプラスして演じました。 今を精一杯生きることが笑いを生むシチュエーションコメディー。 死なない方法が有ったんじゃないか? 死んでしまったらおしまいなのか? 今を精一杯生きることで乗り越えていけるのか? 今回はそんな3つの物語に参加させていただきました。 御通夜の時、棺の中に折り鶴をおさめました。 「そちらの時間は、こちらの時間の流れと違うそうです。 あっという間だと思うから、またね、由香ちゃん」 とメッセージをそえて。 「刑事魂」の肉体の自由生命のパーフェクト教団(中国マフィア)フェイは、 私の人生初アクションがありました。 観てくれた方々には「笑えた」と良い感想をいただきました。 吉久さんが一番辛いでしょって言われまくりのアクションシーン。 でも楽屋で私、息も絶え絶えで、 牧野さんには笑われるし清四郎くんには介護という名の撤去をされるしでした。 「プリティーモモ」は初めて私を観た方に一番喜んでもらえたかも? まぁマイクなしで生声優見ちゃったって感じかも? 私は喜んでもらえれば何でもOKなんで、楽しんでましたが。 デッチのリボン、自分で縫い付けたの。可愛いでしょ♪ 「ヒーローショー」の眼鏡と白のトートバッグとスタバのトールサイズは 勝手に“星さん”のイメージで自主的に用意しました。 大好きな役者さん“ザッキーさん”役の能見さんとからめて幸せでした! 『バイオマン』牧野美千子さん、めっちゃ可憐で美しい! 『フラッシュマン』植村喜八郎さん、カッコいい飲み友達な先輩! 『ダイレンジャー』能見達也さん、面白い!ファンです! そんなお3人の楽屋ショット。 そして自分で製本してロゴも書いた台本たちプラス出てない「映画魂」に このお3人と吉久直志さんのサイン。 この公演に関わったすべての皆様ありがとうございます。 何より、足を運んでくださったお客様ありがとうございます。 またの機会もよろしくお願いします!

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