マンハッタンで考えてみた

2008/06/09(月)07:35

キッチン・ゴッズ・ワイフ

本/映画が好き!(67)

 覚悟はしていましたが、この週末は30℃を超える暑さでした。昨日はゴルフに行ってきましたが、帰りは駅の階段を上っただけで息切れしていました。運動不足ですな。この暑さでは、そりゃ、リベラもホームラン打たれますよ。今日は家にこもり、ヤンキース観戦をしながら、読みかけの本を読み終えました。  日本と同じで、夏休みになると本屋さんに推薦図書のコーナーができます。学生向けなので、私には有難いコーナーです。その中に、昔「女性学」のクラスで読んだ本が平積みになっていました。アメリカで教鞭をとっていた英文学の先生で、女性を主人公にした小説を読みながら進めていく授業でした。その中で印象に残った話に『ジョイ・ラック・クラブ』がありました。チャイニーズアメリカンのAmy Tanの書いた小説で、映画にもなりました。  1度日本語で読んでいる本は読みやすいかな・・と図書館に。残念ながらお目当ての本はなく、エィミ・タンの2作目"The Kitchen Dod's Wife"(『キッチン・ゴッズ・ワイフ』)がありました。パラパラと見ると読みやすそうなので、借りてみました。  過去の結婚や共産党から逃れてアメリカに渡った母と、アメリカで生まれ育った娘との世代や文化のギャップ、そして親子愛が彼女のテーマです。この先、アメリカに長く住み、いずれは子ども・・と考えている私には、なかなか興味深いテーマです。前作ではその母子とのギャップがメインだった気がするのですが、『キッチン・ゴッズ・ワイフ』では母の中国での話が小説の大半を占めます。大叔母が亡くなり、形見として娘が譲り受けたものはキッチン・ゴッド(かまど神)の飾られた中国風ドールハウス(神棚かと)。娘たちにキッチン・ゴッドの由来を話し、娘にはキッチン・ゴッドではなくもっと相応しい女神を探して祀ってあげるから・・と約束してプロローグは終わります。  母であるWinnieと娘Pearlはそれぞれに内緒にしていることがあり、お互いを思うばかりに遠慮してるところから長年誤解が生じていました。ラストでお互いが打ち明け合い、娘はいかに母が自分を愛していたかを知ります。母の内緒にしていたことは、まさに小説の核心である中国での生活。以前、同じような大河的な小説『ワイルド・スワン』(ユン・チアン著)を読んだときは、内容はドラマティックなのですが、トーンが同じ印象で中だるみしてしまいました。が、この小説はエィミ・タンのシンプルな文章も良かったのか飽きませんでした。

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