「不思議の国のアリス」日本語訳ではわからない言葉遊び
お薦めの洋書、ご存知、「不思議の国のアリス」です。この作品、言葉遊びが多彩で、英語を勉強する人にはためになるのではないでしょうか。言葉遊びは日本語に翻訳するのが難しいので、日本語訳を読むだけではこの作品の面白さを完全に理解することは難しいでしょう。●不思議の国のアリスの言葉遊び「不思議の国のアリス」の中に出てくる言葉遊びについて、具体的に見てみたいと思います。例えばアリスとネズミとの会話で次のようなやり取りがあります。"Mine is a long and a sad tale!" said the Mouse, turning to Alice andsighing."It _is_ a long tail, certainly," said Alice, わかりますか?冗談の解説をするのは野暮だとは思いますが、一応。「私のは長くて悲しい話("tale")なんだ」とネズミが言います。「それを聴いたアリスは確かに長い尻尾("tail")ね」と答えます。ネズミの言うお話"tale"をアリスは尻尾"tail"と勘違いしたのです。実はこの2つの単語、発音が一緒なんですね。例をもう一つ`And how many hours a day did you do lessons?' said Alice, in a hurry to change the subject.`Ten hours the first day,' said the Mock Turtle: `nine the next, and so on.'`What a curious plan!' exclaimed Alice.`That's the reason they're called lessons,' the Gryphon remarked: `because they lessen from day to day.'"the Mock Turtle"と"the Gryphon"がアリスに学校での学習時間を教えるシーンです。彼らの学校は初日に10時間授業がありますが、二日目以降9時間・8時間・7時間…と授業時間が減っていきます。実はこれは授業という意味の"lesson"と減らすと言う意味の"lessen"をかけている言葉遊びです。この2つもつづりの違いだけで発音は同じなんですね。こういった言葉遊びは日本語に訳せません。ですから「不思議の国のアリス」は原書で読んだ方が断然面白いです。