2007/04/05(木)10:22
成長の神秘「かぐや姫」Pt3
どうも、東京から帰還しましたー。
これからもヨロシクお願いしますー。
しかし、誰もその姿を見ることはできませんでした。
え?その姿すらみてないの?
美しい噂だけでここまで恋心もやせるの?
うそだろ?
対面もしてないのに・・・・
翁が結婚を進めても頑として拒むばかり。
結婚が嫌なのか?
我子を、子孫を残さなくていいのか?
さすが天人だ。
あの世で子孫をつくる、そう考えているのだな。
それでも通い続けた五人の男がおりました。かぐや姫はかれらに、一人は天竺の鉢、一人には火鼠の皮、一人には竜の首の玉、一人には蓬莱の玉の枝、一人のはつばくらめの子安貝をとってきてくれたら結婚を考えるといいました。
えーい、黙れい!
なんだ、この条件は!?
それに、何だ?
とってきてくれたら、結婚を考えるだけなのか!
何故考えるだけなのだ!
我侭すぎる、なんて我侭なんだ。
おじいさんとおばあさんはそんな子に育てた覚えはないぞ!
あー、懐かしい腰を抜かし、気を失い、度肝をぬかれた日々・・・・
あの頃が懐かしくよみがえってくるぞい。
それが今ではこんなに我侭な娘になって・・・・
嫌ならはっきり断れよ。
さて、無理だ。
こんな条件飲むほうがおかしい。
ありえぬ。
この男たち何を考えている?
火鼠や竜の首の玉だと?
笑わせてくれる・・・・
それにみんな持ってくるものがバラバラで公平な勝負にすらなっとらんではないか。
そんな我侭娘と結婚するなら、その辺の有力者から室を迎えい!
そのほうが、よっぽど賢明じゃい!
だって彼らは彼女の成長過程をしらないいんだ。
3年で乙女になった彼女は普通にいけば、あと3年でおばんにり、その3年後には婆さんになってるんだ。今結婚したらものスゴーく後悔することになるよ・・・・
そうして3年がたちました。
あー、もう3年も経ってしもうた。
あの五人には悪いことをしたのう、と懺悔心いっぱいのおじいさん。
さて、ここで不思議なことがおこっている。
五人のうちの一人、蓬莱の玉の枝をとってこいと言われた車持皇子は職人にがんばってつくらせ、その偽者の蓬莱の玉の枝を持ってきたとき、普通ならおばんのかぐや姫は若かった!
まぁ、実際、月の使いがお迎えにあがった時、おじいさんが
「私たちは20年、その子を育ててきました。」
といっていたが、絵本の挿絵ではまだ若かった。
となれば、幼少のときは成長が迅速で、乙女になれば成長ストップなんて
うらやましい体をしているのか。
事実、かぐや姫が月に行く時、不老不死だということを述べている。
さてさて、そんなかぐや姫が人間と結婚していたら偉い騒ぎになるだろう。
子供は父、母どちらかの遺伝子を受け継ぐ。その確立は1/2
子を4人つくれば、そのうちの2人は不老不死で3年たてば、立派な若者になる。そやつらが、また、結婚し、4人の子を産めば、そのうちの2人は・・・・
と続けていけばあら不思議、地球人の人口はだんだん減っていき、世の中、天人だらけになっていく。
なんせ3年で若者になるのだから、人間もたまったもんじゃない。
あー、かぐや姫、ここで人間と子をつくり、がんばっていれば、地球侵略も夢ではなかったのに・・・・
そして、ある満月の晩、月から、天人が迎えにきて、かぐや姫をつれていきました。
「20年も育ててきたのです!」
おじいさんの言葉に対し、その天人はこう答える。
「たくさんの黄金をあたえたではないか」
あー、なんて言い草だ。山上憶良に有名な句がある。
白金も 黄金の玉も 何せむに
勝れる宝 子にしかめやも
意はどんな金銀宝石よりも、我子には勝ることはない
と簡単でも奥深いものである。
これが人間なのだ。
おじいさんも、悲しかったであろう。
20年という月日を費やし、愛情をもって育ててきた。
が、それを黄金ざっくざくで片付けられた。
天人さん、人間に育てさせようと考えるんだったら、もうちょい人間について学んでほしかったなぁ。切ないなぁ、おじいさんよ。