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カテゴリ:日々の出来事
最近読んだ本(9月から10月)です。
1.佐々木譲 著「警官の条件」 これは「警官の血」の続編とも言える作品です。 それは三代に亘る警察官一家の物語でした。 深い感動を呼ぶ物語でした。 本作はその三代目の安城和也の物語です。 佐々木譲は、前作に勝るとも劣らぬ筆力で描いています。 緻密な記述と隙のないロジックで物語を構築しています。 和也に対する上司であった加賀谷との関係もスリル感満点。 どちらが本物の警官なのか、警官とはどうあるべきか。 正反対の資質を持つ二人を通して考えさせる。 流石です。
2.山本一力 著「粗茶を一服」 シリーズ「損料屋喜八郎」の一編。 彼の描く「人情」「筋」「正義」を体現している喜八郎シリーズです。 損料屋とは今の「レンタルショップ」 不況に苦しむ江戸庶民の困窮を救う為、幕府は札差に「債権放棄」を させた「棄損令」。 それにより一層苦しくなった武士階級。 そんな時代を背景に頭脳と胆力を持って活躍する喜八郎。 料理屋の女将秀弥との恋の行方も気になる面白さ。 肩の凝らないエンタ―テイメントです。
3.今野敏他4名著「警官の貌(かお)」 今野敏、誉田哲也の他の2名、福田和代、貫井徳郎が執筆。 各作者とも力があるのですが、貫井徳郎の 「見ざる、書かざる、言わざる」はショッキングな作品でした。 最初は読むのが辛いレベルのグロさに辟易しましたが。 最後まで我慢して読むと作者の意図がわかり、考えさせます。
4.長岡裕樹 著「教場」
少し前に大変な評判だった作品。 読みたかった本です。 数々の栄冠に輝いた前代未聞の警察小説。 舞台は警察学校。 警察学校のイメージを完全に覆す作品です。 優秀な警察官を育てると思っていたところ、何とそこは 必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじき出す為の篩(ふるい) だとは。 白髪の鬼教官の不気味な言動や驚異的な洞察力。 当初考えていたストーリーではなく、短い話しを集め、それを連動させて 一つの作品に集約している。 まるで怖いもの見たさのように先へ先へと読ませます。 確かに新しい感覚の刑事小説とは言えます。 正直、まだ慣れない感じですが。
5.長岡弘樹 著「教場2」 前作の続編。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2018.10.13 06:04:44
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