2008/12/14(日)14:34
凍結オレンジ。アンタゴニスタ・5
両手を掴まれベッドの上に押し倒されて、アヤはその近い顔を睨みます。
互いの息がかかる程に近く、アヤは志信さんに圧し掛かられて窮屈です。
しかも志信さんの鼓動が伝わって、自分の体が痺れるよう。
「行くなと言うのに聞かないのは子供だからか?」
珍しく志信さんが眉間に皺を寄せています。
「こうして無事に帰れたのは奇跡だと思え」
「わかりました」
言葉とは裏腹に、アヤは不服そうです。
アヤは組の為に役に立とうとさえ思ったのに、子供扱いとは憎らしい。
「怪我一つ付けられていないだろうな」
「何もありませんよ」
志信さんはアヤの両手を離そうとしません。
「まだ疑っているんですか?」
「山本組の組長は、木刀を持ち歩くと聞いている。打たれていないか」
「そんなおかしな組なんですか?」
「…テキヤから上がってきた組だ。極道の常識とはややかけ離れている」
木刀を持ち歩けば警察に捕まるだろうに、とアヤは思います。
志信さんに圧し掛かられているのに、しかも下半身が絡まろうとしているのに、
アヤは冷静です。
「そろそろ…」
アヤは志信さんの眼を見ます。
「見ていると体が疼くか」
「疼いているのはあなたです」
志信さんは自分のネクタイを外してアヤの両手首を縛りました。
「はあっ?」
アヤが仰天していると、上着のボタンを外されシャツの上から体を撫でられます。
「あっ、あの!志信さん!」
アヤが抗おうとして腰を捻ると、志信さんの下半身に触れました。
「わ」
そこはとても固く、志信さんは我慢が出来ない状態です。
「今頃驚くことか?」
「…いいんですか、俺とこんなことをしていても」
「私のやるべき事は来週の準備だけだ。各方面の兄弟の組にも顔を出したし」
「…子供はあなたですよ」
アヤに罵倒されても志信さんは涼しい顔です。
このやんちゃな子に、慣れているからでしょう。
アヤのベルトを外してスラックスを下着ごと脱がせてしまうと、
股間を弄ります。
「アヤにも我慢をさせたな」
「俺の事は二の次でいいんです。あなたはこの組の…」
「組の事は、今だけ忘れろ」
志信さんがアヤの茎をぐいぐいと扱き始めるので「クウゥ…」とアヤが喘ぎます。
手が縛られているので、自由が利かずにただ腰を動かして更なる刺激を求めます。
「貪欲になってきたな」
「久し振りだからですよ。あ!…やだっ…」
生意気な口を叩こうとするアヤをねじ伏せたのは志信さんの指です。
茎の裏側を攻め始めたのでアヤは次第に体が上気して、息が荒くなります。
「アヤ、大人になれよ」
「ああん!やだって言っているのに!」
アヤの茎が先走り、志信さんは口角を上げてみせます。
「体が馴染むな。アヤの肌はいい香りがする」
「は…はあ?」
志信さんはアヤの茎を銜えて、口内で爆ぜさせました。
まさか志信さんとアヤがそんなことを始めているとは知らず、
大伯父は近頃街を徘徊する暴走族や、建設の進むパチンコ店のことを考えていました。
この一帯は、極西のシマです。
しかしとぐろを巻いて、隙を伺う者の存在に気付かないはずがありません。
「来週は儀式だ。なれば今週末が山場か」
大叔父の言葉に男衆が頷きます。
本家の警備は一層厚いものとなり、門番四名・玄関周り六名・裏手に三名という、
まるで抗争前の準備のようにものものしい空気が流れていきました。
6話に続きます。
●拍手をありがとうございます●
4話がマニアックですみませんでした…