テーマ:☆詩を書きましょう☆(8320)
カテゴリ:きみに願いを。(詩)
小雨が風に舞う午前4時
朝もやの中に濡れた漆黒の羽を見つけてしまう 浮かび上がる黒 ついばむ相手を待ちかねた口ばし 霧吹きのような小雨が髪を湿らせる 背筋が凍る ぬるい風が頬をかすめてあざ笑う 浮かび上がる輪郭は黒 僕をついばもうと待ちかねて電線に佇む烏 終わりの始まり 自分を甘やかした罰が下る 朝もやの中で自分を見失ったことに気づく あなたを忘れて屈みこみ ひとりだからとさまようばかり 雫が落ちた 始まりを告げる美しい尾に目を奪われた あなたが託した思いを届けに来た黒い烏 かつて あなたはこの羽が美しいと言った 羽があるから飛べるんですね 「違うよ」 羽があるから飛べるんじゃなくて 飛ぼうとするから 飛べるんでしょう? きみの言葉はいつか飛べる その手には羽がある きみの想いはきっと飛べる そのさまが見たいんだ 待っているとは言われていない 待たせているつもりもない だけど願う 飛ぼうと思う あなたのところへ飛ぼうと思う 柊リンゴ 7.12 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2019/07/12 09:37:11 AM
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