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カテゴリ:エッセイ
10年ほど前に「舞踏会の手帳」というフランス映画を ビデオでみたことがあります。 たしか戦前の映画で、主演女優の名前すら記憶に ないのですが、その映画がなぜか鮮烈に思い出されて なりません。 40代くらいの、上流階級の未亡人がひまつぶしに 社交界にデビュウしたての10代のころに舞踏会で ダンスの相手をつとめた男性たちが、現在どうしているのか ひとりづつたずねてゆく、というストーリーでした。 それぞれの男たちは、中年をすぎて、それぞれの人生を 生きています。 かつて若かりしころの面影などなく、生活の匂いをただよわせて 生身の姿をさらしているのです。 そんなストーリーでしたが、私もそんなふうに学生時代に出会った 男性たちをひとりづつたずねて歩きたいと、思うのです。 幻滅するだけかもしれませんが、彼らがどのような人生を 送っているのか、この目でたしかめてみたいと思うのですが、 まあ、今のような私の現状では、とても許されないことなのです。 だから、なおさら空想の世界だけでも、せめて一人ひとりを訪ね 歩くのも悪くはないと、想像をたくましくしております。 それも、私のひそやかな、そして、ささやかな楽しみのひとつでも あるのです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年10月06日 14時45分05秒
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