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週刊オブイェクトはSeesaaに移転しました。(2005年3月24日)

2004年12月12日
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テーマ:戦争反対(1067)
カテゴリ:未分類ネタ話
蒼崎 橙子 「さて、今日は昔話をしよう。欧州のとある小国の、昔々のお話だ。

その国の名はベルギー王国。先ず話は第1次世界大戦にまで遡る・・・」



ベルギー王国は1839年にオランダから独立を承認された時、永世中立を宣言しました。そしてその中立の保障は、イギリス・フランス・プロイセン・ロシア・オーストリアによって為されました。

そして1914年、世界大戦が始まります。


イリヤスフィール 「もしもしベルギーさん? ちょっとこれからフランスをぶっ叩きに行くんで、ベルギー領内でのドイツ軍の無害通行権を認めて欲しいんだけど。

駄目?」

衛宮士郎 「なっ・・・駄目も何も、我が国は中立国だ! いかなる他国の軍隊の通行も認められない!

そもそもなんで我が国を通る必要がある?」

イリヤスフィール 「突破に時間の掛かる防御陣地を迂回したいから、ちょうどベルギー方面が抜け道なのよね。ここを軍主力が一気に抜けてフランス軍を片翼包囲して殲滅したいわけ。

ま、そういう作戦計画だから仕方ないのよ。通るだけで占領するわけじゃないから安心してね」

衛宮士郎 「通り道だから仕方が無いだと? 通るだけで占領、併合しないという約束など信じられない。

・・・再度言う、我が国は中立国である以上、いかなる国の軍隊も通すわけには行かない!」

イリヤスフィール 「フーン、あっそう。じゃあ実力で押し通るしかないわねぇ。

やっちゃえ♪ バーサーカー」

バーサーカー 「ガォォォォォン!!!」

衛宮士郎 「うわぁー!」

イリヤスフィール 「後でこの埋め合わせはキチンとするから、ご免ねぇ~」


こうして、ドイツ軍シュリーフェン計画の対フランス作戦編が始まりました。ドイツ軍主力はベルギーに侵攻、要衝リエージュに殺到しました。ベルギー軍はリエージュ市の周囲に12の要塞を環状に配置し守りを固めていました。

しかしリエージュ市は攻撃開始後2日でドイツ軍に降服しました。が、環状要塞群はそのまま抵抗を続けました。これに対し、ドイツ軍は秘密兵器の42cm臼砲「ディッケ・ベルタ」を投入しています。

ドイツはこの巨砲による攻撃前にもう1度ベルギーに無害通行を認めるように要求しましたが拒否されてしまい、砲撃は開始され要塞群は次々と陥落していきました。



蒼崎 橙子 「こうして、永世中立国ベルギーの中立性はいとも簡単に侵犯された。ドイツは、ベルギーに謝罪しながら軍隊を侵入させるという真似をした。ベルギーが徹底抗戦するとは思っていなかったらしい。

しかしベルギーを脅かすと言う事はイギリスの参戦を招く行為で、ドイツ軍はそれを承知の上で作戦を始めている。

彼らはイギリス軍が本格的に参戦する前にフランス軍を撃滅する予定だったのだ、だから気にしなかった。だがその目論みは失敗している。戦争は長期化し、イギリスが参戦して来た。

だが彼らは、次の機会でフランス軍を撃滅する事に成功する」



1939年9月、ドイツのポーランド侵攻により始まった第2次世界大戦。そしてドイツ軍はまたしてもベルギーへと侵攻します。

ベルギーは第1次大戦後、永世中立国としての地位自体は放棄しましたが、第2次大戦でも中立政策のまま臨んでいます。そして防衛力を強化するため、国境線付近にエバン・エマール要塞を構築していました。


イリヤ 「今回は一々説得するのも面倒くさいしねぇ・・・一気にカタをつけちゃいましょ♪」

衛宮士郎 「今度は前回のようにはいかない、このエバン・エマール要塞がある限り」

イリヤ 「もうこの手の要塞は時代遅れなんだってば。

というわけでライダー、要塞の攻略は任せたわよ」

ライダー 「どーして私が貴方の配下の役なんですか・・・ええ、空挺部隊の役ですからしょうがないですけどね。

アドラーよりシャンツェへ。これより要塞に降下する」


ドイツ軍はヒトラー総統の発案により、エバンエマール要塞攻略とアルベルト運河に掛かる橋の奪取にグライダー空挺部隊の降下猟兵による強襲作戦を実行します。要塞に投入された兵力は僅か78名。隠密のうちに部隊は降下し、成形炸薬と火炎放射器を使い要塞のトーチカを次々と沈黙させ、無力化に成功します。守備隊が外に出て戦っていれば撃退に成功していたでしょうが、混乱する守備隊は何もできず、次の日の朝にドイツ軍主力が到着し、降服しました。


ライダー 「アドラーよりシャンツェへ、作戦は成功した。友軍地上部隊主力が見えてきた。要塞は依然として沈黙中・・・。

繰り返す、作戦は成功した」

イリヤ 「よろしい。ファラシュルム・イェーガー(Fallschirm-Jaeger:降下猟兵)の輝かしい勝利ね」

衛宮士郎 「そんなバカな・・・これ以上はもう戦えない、降服する」

イリヤ 「もう要塞や塹壕で戦う時代じゃないのよ。これから電撃戦で証明してあげるわ」


そしてドイツ軍はその後、フランスに対して戦車と航空支援を活用した電撃戦を敢行。作戦開始から僅か1ヶ月でパリは陥落しました。



蒼崎 橙子 「と、まぁ、第1次世界大戦でも第2次世界大戦でもベルギーは中立国だったのにドイツ軍は無視して攻めて来た。パリへ攻め込む為の回廊とする為、ただそれだけの理由の為に。

こうしてベルギーはこれを教訓に、中立政策では国家の安全が保障されないとして中立を放棄し、戦後NATO軍に参加。立地条件と国力から考えて、精一杯の武装を施しても中立は保てないと判断した。だからこその集団安全保障さ。

ルクセンブルク大公国も戦後になって永世中立を止めた。この国もベルギーと同様にドイツ軍によって蹂躙されている。二度とも、だ。

この歴史の教訓から考察すべき事は、戦争なんてものはとても簡単な理由で始められてしまうと言う事だろう。

『通り道だから』

その程度で良いんだ、始める動機としては。だから日本も気をつける事だ。・・・何故って?

ベルギーは陸の交通の要所だった。そして日本は海の交通の要所だよ、『海峡』とは船の通り道に他ならない。そして世界地図を見てもらえれば直ぐに分かるが、日本列島はユーラシア大陸東岸を塞ぐような形状だろう?

つまり『海峡の通航権を確保する為』という程度の理由で戦争を吹っ掛けられる可能性は無きにしもあらず、って事だろうね」





 Read Me 眠りの園 時間ねぇー ニンニン
 






Last updated  2005年01月10日 20時52分50秒
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