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2005/01/13(木)00:36

国家戦略論

楽天お気に入り最新日記ヘッドラインに二つ追加。アンネの日記とかみぽこぽこ。です。 アンネ~の方は言わずと知れたあの人なので解説は省きます。(オイッ)一方、かみぽこさんは英国の大学院で政治学を学んでおられ、国際政治に対する斬新な切り口と鋭い考察で知られ、某運スレ(まとめサイト)でも評価が高い。 ちなみに覚えている人は覚えていると思いますが、私とかみぽこさんは1年半ほど前に壮絶な戦闘を繰り広げています。(かみぽこちゃんの日記 2003年04月06日) 戦争が絡むと意見が対立する事もありますが、政治面については共感を覚える事も多く勉強させられる点も数多くあり、感心させられます。 ■日本発の国際関係論をぶちあげよ!  [かみぽこぽこ。] 『いくつかのサイトを覗いていて思うのですが、真面目に日本をこうしたい!と現実を踏まえて考えているサイトはあるのですが、もっと戦略的に、現状はこうなのだから、それらを踏まえると、日本の今後のとるべき道はこれこれだという切り口のサイトが見つからない気がします。 特定の事象に対して鋭い論評をしていても、左系の夢のような話を除けば、ビジョンを感じないのは私だけなのかなぁと思う今日この頃です。』 この書き込み自体はかみぽこさんではなく、掲示板へ竹馬さんが書かれたものですが私も考えさせられました。 戦術的視野ではなく戦略的な視野に立ち、国家戦略論を語る。 そこでこのサイトの基本スタンスに立ち返って見ます。まず、国家戦略とは誰の為に、何の為にあるのでしょうか。 『国益の追求』 結局はこれの為に国家の戦略が立てられます。世界中の全ての国がそうです。当然、日本も例外ではありません。そこで私の考える国益とは何か―最優先に考えるべきものは何か― 『生存性の向上』 これを最優先とします。そして海洋貿易国である日本のライフラインはシーレーンにあり、石油タンカーや鉱石を積むバルク船が日本まで安全に航行し、日本から加工製品を積んだコンテナ船が安全に目的地まで航行する事ができれば、日本は生き続ける事ができます。 故に、守るべきは商船。確保すべきは海峡。大陸への深入りは避け、海峡に位置する沿岸諸国と関係を深めていく事― 海上自衛隊の戦力だけではシーレーンの確保は物理的に不可能です。護衛艦の数が足りません。海上護衛用の水上艦戦力ならば世界第2位の戦力と数を有する海上自衛隊でさえ、単独では小笠原近海までが海上護衛戦での限界活動範囲とされています。(冷戦時の作戦計画) だから海軍強国であるアメリカと同盟を結び、沿岸諸国は敵に廻さず味方に取り込むべきとなり、理想的な形としては沿岸諸国の側から日本との連携を望んでくるようになれば良い感じです。そしてそれは現実のものとなっています。 マラッカ海峡を有する東南アジア諸国は、既に日本との軍事的な役割強化を自ら望んでおり打診してきました。(例1・例2)更にインド洋の覇者を自称するインド(インド海軍は空母も保有する、規模が大きな海軍)もまた、2002年に訪日中のフェルナンデス国防相が日本の川口外相に「シーレーンの共同防衛構想」を打診してきました。 なぜ、ASEANやインドは自ら打診してきたのでしょうか? それは経済的な問題ではなく、彼らもまた安全保障上の観点からそれを望んだのです。世界第二位の水上戦力を保有する、日本海上自衛隊の戦力それ自体の存在を他国への牽制とする為に。他国とは? 中国です。中国もまた石油輸入国であり、マラッカ海峡~インド洋のシーレーン確保は重要命題です。既に中国海軍はパキスタンに海外寄港地を確保しました。つまり、中国と日本は海洋戦略が重なるライバルです。何れマラッカ海峡を巡って緊張状態に陥ることもあるでしょう。中国海軍の実力では今後20年は脅威とは成り得ませんが、その後は分かりません。そしてその動きを警戒するアメリカは「ライス-ゼーリック論文」から見れば分かる様に日本の東アジアに置ける軍事的役割を強化させようとしています。 ・・・以前、ある人からこう言われたことがあります。イラク戦争に関連したテーマで論争を繰り広げていた頃の話です。 『日本は島国なんだから分相応にすべき』 確か楽天名物ぼたんの花さんかまいかちゃんのどちらかだったと思います。その時私は「なんだか大陸的な思考をする人だな」と思いつつ、こう答えました。 『ええ、日本は島国ですから、同じ島国のイギリスと同じような国家戦略になることは当然ですね』 ~とりあえずこれでお終い~  

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