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おぼろ二次元日記

暴れん坊さんより400いじり記念小説♪






「スタート・ライン」      黒崎 一護




・・・体育館のざわめきの中で一人のオヤジが必死で熱弁をふるってやがる。


「・・であるからして、本日より君たちは空座第一高等学校の生徒として、
自覚ある・・・・・・。」


・・・くそ、校長の話なげえな・・。
オッサンの話なんざ誰も聞きたかねえよ・・・。


俺も、そして俺の周りの奴らもみんな真新しい制服を着てやがる。
校章はどれもピカピカだ。



・・・ま・・当り前か。



今日は・・・空座第一高等学校の入学式なんだからな。



おんなじ中学から上がってきた奴もいるけど、半分以上は
知らねえ奴らだ。
ツラ見れば、どいつも緊張してるのが分かる。
当然、俺もちょっとは緊張してる。


・・当り前だろ?
今、新しいスタートラインに立ってるんだからよ。
中学の頃を知ってるやつもいるけど、基本的には高校ではリセットされる。
今までの俺を知らねえ奴ばっかりなわけだ。


俺のことを何も知らねえ奴らと、一から学校生活をスタートさせる。
上手くいくかも知れねえし、いかねえかも知れねえ。
当然、それは他の奴らも同じだ。


だからみんな緊張する。
期待と不安。・・イヤ、この場合不安の方が大きいのかもな。



入学式の閉会の式辞は、俺たちにとって新しい生活のスタートを
知らせるピストルにも等しい。

・・そして、みんな走り始めるんだ。


それから一週間。
スタートダッシュの上手い奴は、上手く自分というキャラを出して
友達と呼べる奴を作りつつある。


だが、殆どの奴はまだ手探りだ。
新しい環境の中でどれくらい自分を出していいのか、手探りで探ってる。
中学で上手くいった奴でも、高校では上手く行かないのを感じる
奴もいるだろうし、中学でイマイチ上手く行かなかった奴は、
その緊張は相当なはずだ。今度こそは、と頑張ってるはずだ。


・・肝心の俺は・・今の所、上手くいってねえ。


なんせこの髪の色で目立つし、目つきもいいとは言えねえし。
早速『お優しい』センパイのお呼びが何回もかかってる。
当然、『お優しい』センパイのありがたい『お説教』には拳で
礼を丁重に言ってる。



入学早々生傷の絶えない俺を、高校で初めて一緒になった奴らが見れば、
印象は最悪のはずだ。
・・ちっ、いい加減ケンカも中学で卒業したかったんだどよ。
そうも言ってらんねえみてえだ。


中学の時俺と一緒だった、たつきなんかは、上手くやってるみてえだ。
早々に知らねえ奴らとダチになってる。
まあ、たつきは小学校のころからの付き合いだから、普通に俺に
話しかけてくる。


それを見て、それまで遠巻きで見てた奴らが、たつきに俺のことを
聞いている。


全く浮いていた俺に、ポツポツと話しかける奴が出始めた頃だった。


でも、話す内容はあたりきりのものばかりだ。
当然か。皆まだ手探りでいろんな奴を知ろうとしてるんだからよ。


皆自分の印象を良くしようと必死なんだ。
それが悪いことだとは俺は思わねえ。


最初の頃は誰もが好かれるようないわゆるイイコをそれぞれが
少なからず演じてるはずだ。
もちろん、人によってそれは違うんだろうけどな。


でも、本当の自分てえのはそうそう隠せるもんじゃねえ。


ちょっとした言葉の端や、ちょっとした態度の端に、ホントの
『そいつ』が見えてくる。
そしてこっちも出ちまうもんだ。
そんなこんなを感じ取りながら、自分に合うかどうかがわかってくる。


早くそれが分かるやつもいるし、時間がかかるやつもいる。


ダチになるのは自分とおんなじ接点が多い奴が多いのかもしれねえな。
だけど、必ず違うところもある。
当たり前だ。みんな違う人間なんだから。


人にはそれぞれ個性ってのがあって、それがいい場合にも悪い場合にも
働いちまうもんだ。
たとえば、俺はユーレイが見える。
これは俺の個性だと言っていいと思う。


他人には見えないものが見えるということは長所と言えなくも
ないけど、ただ気味が悪いだけじゃんと短所に思う奴もいるだろう。
俺はユーレイと話すこともできる。でもそれしか出来ねえ。
ユーレイを成仏させてやるなんてことは、話を聞いてやっても出来ねえんだ。


こんな事を言っても周りの奴らは気味悪がるだけだから、学校の奴らには
たぶん言わねえと思う。


もし・・俺が学校の奴にこんな話をする時が来るとすれば、聞かせる相手は
ダチってやつになるんだと思う。


気がきいた奴なら、これを話題にしてとっくにクラスの人気者とやらに
なってるんだろうな。
でも俺はそれは出来ねえ。やるつもりもねえ。


死んだ奴らの魂を、自分の人気取りに使う気はねえから。



・・・毎日が手探りだ。
新しい生活が上手く行くかどうかは分らねえ。


でも、俺も思う事があるんだ。
俺は・・もっと出来ることがあるんじゃないかって。
それが具体的にどうすりゃいいかは、わからねえけど。


もっと・・人を守れる男になりたいんだ。

・・でも今んところはどうすりゃいいのかは分かんねえけど。


それも毎日が手探りってな状態かな。


毎日が緊張の連続。
でも、俺はそんなに悪いもんじゃねえと思う。
ま・・確かに疲れっけどよ。


それまでの自分と違う自分に。
もっとなりたい自分に。


それまでの俺を知らねえ奴らばかりいる環境だからこそ、
出来ることもあるだろ?


そんな自分へのまさに今がスタートラインなんだ。


・・・この緊張感を忘れたくねえな。
この張りつめた気持は、今だからこそ味わえるもんだからだ。


・・・よう。
オマエはどうなんだよ。


上手くいってっか?それとも俺みたく、あんまり上手くいってねえか?
あせんなよ?だってこれからだろ?


なりてえ自分はあるか?
ぼんやりとでいいんだよ。ハッキリしたのは走り出してから考えりゃいい。


ぼんやりとでも自分のなりてえものがあるんなら、それでいいじゃねえか。


今・・・スタートラインだぜ?
行く方向?そんな細かいこと気にすんなよ。走り出して分かることもあるんだからよ。


でもこれだけは言える。


『これは自分の行きたい方向じゃない』と思ったら、そっちには絶対行くな。


『これでいいのか?』と思ったら、一度立ち止まって考えろ。


『これが自分の進む方向だ。』と思ったら、何が何でも走り抜け。
後悔なんてものは走り抜いてからしろ。


・・・用意はいいか?


・・・さあ・・・行こうぜ・・!!!


・・・新しい・・俺たちの幕開けだ・・!!






なんちゃって。


・・・・新入生、新社会人、新しい事をやろうとしている人たちに捧ぐ。






空1






おまけ<兄様編>



護廷十三隊隊員が一堂に集められた中、総隊長の山本の声が響いている。



「朽木白哉。おぬしを新たに六番隊隊長に任命する。

・・これがおぬしの羽織じゃ。受け取るがよい。」

「・・有り難くお受けする。」



受けとった男の声に喜色は無い。

喜色どころか、一切の感情が押し殺されたものだった。

にもかかわらず、男の声には不思議と聞き入ってしまうような魅力がある。

現にこっそりと私語をしていた者たちが、私語をやめ声のした方向に
顔を向ける。



黒一色の死覇装。

昨日まで左腕には律儀に副官章が巻かれていたが、今日は無い。

男の手には渡されたばかりの折り畳まれた真白の羽織。

その中央には「六」の文字が染め抜かれていた。



男はなろうと思えば、もっと早くに隊長になれた。

いや、周りの方がそれを勧めていた。

しかし、男は敢えてしばらくの間、それを固辞した。



何故なら男にとって、誰か他人の下につくということが、希少な経験だった
からだ。



その男は・・・生まれながらに人の上に立つべき運命を背負って
この世に生を受けていた。



生まれながらに人の上に立つ者。

下の者の気持は下でなければ理解できないのだと、男は聞いた。

男は、その下の者を使うために生を受けている。

それゆえ、その気持ちをある程度理解する必要を考え、下積みの年を
多く取った。



しかし、男は突如、隊長就任の話を受ける。

下にいる必要は、もはやないと悟ったからだ。



男は悟った。

下の者は、優秀な上の者を強く求めていることを。

『・・・ならば、お前たちは私に従っていればいい。

この私がお前たちの上に立とう。』



全隊員の見ている中、新しき羽織に男の腕が通される。

どよめきにも似た声が起こる。

生まれながらに人の上に立つべきその男に、その羽織はあまりにも
ふさわしいものだった。



・・全隊長の推薦を受け、隊長となったその男。





名を、朽木白哉と云う。







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生まれながらに人の上に立つ者。
兄様が望まなくても周囲がそれを望んでいる。
なら、それに応えるまで。


兄様が自分の立ち位置をよく分かっているのが
ぴったりです。



一護とは違う輝きで人を惹きつける。
二人がまた供に輝く日が来ることを楽しみに待ちたいと
思います。
暴れん坊さん、ありがとうございました!




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