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おぼろ二次元日記

八兵衛さんより兄様お誕生日記念小説♪

誇りとは護るべき者と見つけたり(朽木白哉)



・・・上級貴族として生まれようと、下級貴族として生まれようと、
貴族として生まれ出る以上、須らく子は親から教えられる言葉がある。


「我等は誇りに生きる者。

この家に生を受けた以上、誇りを護るためにその命を賭せ。」


私は朽木の家の跡取りとして、幼きころより厳しく教育されてきた。
誇りとは社会の秩序。
その秩序の頂点たる朽木の次期当主として、この命をかけてきた。


その秩序を護るためならば、多少の犠牲など厭うものではない。
秩序を護るため、不条理が生じることも承知していた。
しかし、それをしてこそ秩序は保たれる。


私はそう教えられてきたし、私自身そう考えてきた。


・・・そう、あの日までは。


ルキアが・・曲げられた『秩序』により命を奪われそうになっていたと
知るあの日までは。


私が護ってきた秩序は藍染の陰謀により歪められ、その歪みの不条理さえ
私は『秩序』の為と受忍しようとしていた。


そして今や『秩序』そのものであった四十六室は、壊滅し存在しない。


私の誇りとされていた秩序はもろくも崩れ去った形となった。



『誇りの為にその命を賭せ』



私は誇りを護るべく戦ってきた。
この命を賭すことなど、大した意味など持たぬ。


ならば、今の私にとっての誇りとは・・・何だ?


誇りとは、護るべきものだ。
ならば、護るべきものとは・・・何だ?


護るべきものとは、自らの命に代えても大切にしたいと思う対象。



そこまで考えて私の脳裏に浮かんだのは・・・・



・・・ルキアの顔だった・・。



無事では済まぬだろうと知りながら、あれを送り出した虚圏。
あれの微かになってしまった霊圧に、状況は深刻だと覚悟したにも
かかわらず、伏したあれの傍に、薄汚い破面の姿を見た時には、
この血が凍るかと思うほどだった。


あろうことに、あれの肉体を支配し思うままに動かそうなどと愚かな事を
言い出した時は怒りよりも純粋な殺意を感じた。


勝利するのは当然としても、この私があの程度の敵にここまでの手傷を
負うなど、反省すべきことだ。


虎徹副隊長が山田花太郎とあれのどちらを先に治療するか迷う様子に、
にべもなく山田の方を先にするよう、指示を出した。
理由は簡単だ。
敵は倒したとはいえ、一度支配されたあれがどのような状態になるのか、
わからぬからだ。
とすれば、治療をする者は2人いた方がよい。
一人が治療している間に、あれに不穏な行動が見られれば、もう一方が
薬で眠らせることが可能だからだ。


山田花太郎が動けるまでに回復すると、ようやくルキアの縛道を解く。
糸を切られた人形のように、崩れ落ちるその様子に今更ながらに、
あれが危険な状態であることを知る。


腹をやられているのだろう、治療のためにあれの着物の合わせが
虎徹副隊長に緩められる気配を感じ、私は背中を向けた。


「・・これは・・ひどい・。」虎徹副隊長の漏れ出る言葉にピクリと
腱を切ったはずの手が動いた。


あれは、井上織姫を連れ帰るまでは、てこでもここで戦い続ける道を
選ぶだろう。
それは、また今のように死地をさまよう事に他ならぬ。


いや、たとえ今回目的が果たされようと、あれが死神である限り、
死と隣り合わせの戦いを続けることには変わりはないのだ。


・・・いっそのこと・・・・。


・・・いや・・それはならぬ。


あれは、死神であることに誇りを感じている。
そして、仲間との絆もまた、あれにとっては何よりも護るべきものなのだ。


あれから誇りを奪うことは、あれに死ねと言うようなものだ。
何故なら、あれもまた朽木の名を持つ者なのだから。


・・・ならば・・・私に出来ることはただ一つ。


「よかった!気がついたのね!」


あれが、目を覚ましたようだ。
途端に、動こうとして窘められている。
時期に私の存在に気づいたようだ。
・・・声が裏返るほど驚くな、莫迦者。


目ざとく私の異変に気が付いている場合では無い。
私を案ずるよりも、まず自分を案ずることだ。
お前の力はまだ足りぬ。


私を構うヒマなどない。
己の事だけ考えていればよいのだ。


「構うなと言っている。今はただ伏して完治の時を待て。
この先にある真の戦いの為に。」


お前はお前の誇りを護るべく戦えばそれで良い。


そして私は・・・・。


『・・・・大事に思う者を亡くす痛みを知っている。

・・・・・分かっていながらどうにも出来ぬ苦しみを。

・・・・・いつ失うやもしれぬという恐怖を。

・・・・・いつまでも癒えぬ悲しみを。


・・・・・そして衰えを知らぬ愛しさを・・。』




・・私は私の誇りを護る戦いをするのみ。



病魔を斬ることは出来ぬ。


だが、敵を斬ることは出来る。




「誇りとは護るべき者と見つけたり」





なんちゃって。





**************************



兄様VS十刃ゾマリの話を元にしたなんちゃって、でした。

本当は危ないところにルキアをやりたくない気持ちで一杯の
兄様がルキアが何を大事にしているかを一番に思って
行動しているところにキュンキュンしました!
死神としての矜持、それは兄様もルキアも同じ。


真の目的を果たすために顔をあげる兄様の凛々しさを感じます!
八さん、いつも誇り高い兄様をありがとうございます♪






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