2008/10/29(水)02:12
夏の思い出 そして槍ヶ岳
約束通り、昨日の続きです。
唐松岳で自信をつけたので、その約1ヶ月後の8月17~18日、ちょっとチャレンジではあったのですが槍ヶ岳に登ってきました。
なんと日本のマッターホルンとも言われるあの槍ヶ岳(3180m)。
お天気が不安定だったので、明け方の予報を待ってギリギリでの出発の判断。
朝新宿駅を出て、松本に着いて、登山口までのバスに乗り込んでも登山客の姿はあまりなく、本当に大丈夫かなぁ … と心配ではありましたが、とりあえずえいっ!と登山開始となりました。
一般的といわれる上高地からのルートではなく、新穂高温泉からのルートで槍平小屋(1990m)に1泊、翌朝5時前には出て頂上を目指し、また同じルートを下るという行程。
夕方に着いた山荘では、さすがに怪我のあとが疲労で痛み、びっこをひかずには歩けない状態でしたが、それでも翌日予定通り出発。
裏側ともいえるルートで、頂上付近まで登らないと山の姿が全く見えなかったのですが、それだけに見えたときには感動
もう登頂を果たしたかのように興奮してしまいました。
そしてついに槍ヶ岳山荘の前に
上の画像のように、写真でよく見る槍ヶ岳の姿が目の前にあるんです。
3080mの世界。もう、これは超感動~
なんていうのか … ありきたりだけど、苦しみを乗り越えて到達できたというまさに達成感なんですよね。
がまんして登ってよかったという、ね。
感無量というのも、まさにこのときの感じです。
でも、ちょっと冷静になって考えた私。
目の前にたちはだかるごつごつの絶壁は、私にとってはまったくの未経験。
怪我のあとでもあるし、ここで命は落としたくない。
迷惑かけてしまうし、やめとこ~
と、あっさりみすみす最後の100mはあきらめました。
かなりいさぎがよい
とういうことで、私の槍ヶ岳はマイナス100mの3080m。
それでも大満足ですっ
山荘の前のベンチでひとりの~んびり幸せに過ごしながら、仲間を待ち、まさに至福の時でした。
この時は連日の悪天候でこんなに晴れたのはこの2日間だけだったようで、山荘では布団を干していました。本当にラッキー
それにしても、2日目の登りの後半は体力的に厳しくペースもダウン気味、そしてそれ以上に下りに時間をとられ最後はばてばてでした
もうぎりぎりという感じ。
「なんで来ちゃったんだろう」「もう山登りなんか無理、無理」… とマイナスのことしか考えられない。
それでも一歩一歩歩いていたら、頂上に着くしちゃんと降りてこられるんだよね。
だから山ってすばらしい。
だからやめられないんだと思います。
一歩一歩歩くって、決して特別なことではなくごくごく普通のことで、誰にもできること。
それを続けたら、天国のような世界に行くことができるんですもん。
そしてつらかったことを忘れてしまうんだよね。
まるで産みの苦しみみたいに
そうそう、今年は靴を新調したかったのですが、手術のあとが盛り上がっていてハイカットの登山靴だと傷にあたってしまう私。
仕方がないので、「軽いトレッキング」用の靴で登りました。
お店のお兄さんには、「唐松岳ですかぁ …?ちょっと今年は無理ではないですか?」と言われたけど、唐松どころか槍ヶ岳に登ってしまった。
槍平山荘では、ごっついハイカットの登山靴の並ぶ靴箱で、私の靴だけまるで子ども用の靴のようにかわいかったです
こうして、私もしっかり中高年登山者のひとりとなりました。
また来年も登ります。
おまかせ登山だから、とっても楽しみ。
今度はどこに登れるのかな~