私の『2nd Album』

母子おかりな


 
《私の『2nd Album』》

 
 たったの7曲のトータル20分足らずのAlbumですが、曲のひとつ
ひとつに思い出があり、演奏しているオカリナは4本ですが、1本
1本、個性ある生い立ちのストーリーがあるのです。

 特に「モーツアルトの子守唄」は、遠い道を往復5時間かけて毎週
通って1ヵ月以上かかって5回で完成したD管で、演奏しています。

 1曲目の「からたちの花」は、小さい頃、母と兄弟で声を合わせて
歌った懐かしい曲です。「からたちのそばで泣いたよ。みんなみんな
やさしかったよ」というくだりは、胸がいっぱいになって、
どうしても吹けなくて、何度も何度もやり直しました。
この曲はヒロミチ・オカリナのC管で演奏しています。一番高い
音がのびやかに楽に出て、音楽的表現も充分出来ると想います。
最新版のヒロミチ・オカリナのC管は、この音色とは少し異なります。

 「シューベルトの子守唄」は、ヒロミチ・オカリナのF管です。
透明感のある音のこのF管も、大好きなオカリナのひとつです。

 「ブラームスの子守唄」は、2番が伴奏が旋律をかなで、オカリナ
が伴奏になり、最後はオカリナが締めくくります。これはアケタの
G管です。幅広い音がなんともいえない魅力です。

 「いつくしみ深き」のデュエットはなかなか2つの音が合わなくて
苦労した曲で、これもヒロミチ・オカリナのC管で演奏しています。

 「パッヘルベルのカノン」は、広く親しまれている曲のひとつで、
小学校の卒業式に用いられることもあるようです。
正式の曲名は『3つのヴァイオリンと通奏低音のためのカノン』と
呼ばれ、チェンバロが通奏低音を受け持ち、それに第1、2、3
ヴァイオリンが加わって演奏されます。

 このパッヘルベルのカノンを、オカリナで演奏したいと思い、例に
よってその伴奏作りから取り掛かりました。
まず通奏低音を受け持つチェンバロは、誰も引き受けて下さる
知り合いはありません。そこでひとつ新しい試みをしてみようと
思い、豊田市在住のギタリストで、オカリナ奏者でもある黒野宏通
さんに、この通奏低音をギターでお願いしましたところ、快く引き
受けて下さいました。

 このギターによる通奏低音に、私がひとりで第1、2、3ヴァイ
オリンを順番に、各パートを3回重ね録音していきました。
ここで一番苦労したのは、3つのヴァイオリンをいかにずれること
無く、ぴったり合わせるか、ということです。まず第1ヴァイオリン
を録音し、つぎに第1ヴァイオリンを聞きながら第2ヴァイオリンを
そして第1、2ヴァイオリンを聞きながら第3ヴァイオリンを録音
しますと、それぞれのパートが微妙にずれていってしまうのです。
これが多重録音の難しいところです。

  この微妙なずれを解決するために、ひとつの工夫を思い付きまし
た。それは、3つの各ヴァイオリンのパートを聴かないで、まったく
独立して、 ギターによる通奏低音だけをたよりに、第1、2、3
ヴァイオリンを別々に重ね録音してみる、という方法です。

  そうして最後に、3つの各ヴァイオリンのパートとギターによる
通奏低音とを、全部合わせてみたのです。そうすると予想通り、
第1、2、3ヴァイオリンがずれないで、ぴったり合わすことが
出来ました。

 こうして『3つのヴァイオリンとギターによる通奏低音のための
カノン』が出来上がったのです。これだけでひとつの完成した演奏
になるのですが、これをバックにして、オカリナ演奏をしています。
これもヒロミチ・オカリナのF管で演奏しています。

 CDジャケットの写真は、私が自分で、東山植物園で撮影した
作品です。娘がパソコンに取り込んで、デザインしてくれました。



おれんじおかりな ・・オカリナRing・・
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