精霊の踊り
《私の『精霊の踊り』》 |
ギリシャ神話に登場するたて琴の名手オルフェウスの物語りにちなんだ有名な曲です。 オルフェウスは太陽神アポロンから金のたて琴を授かり、オルフェウスがこの 金のたて琴を演奏すると、鳥獣はもとより、木石までもその旋律に魅せられて 吸い寄せられてきた、と記されています。このオルフェウスが金のたて琴を演奏する精神が、 西洋芸術の起源、原点と考えられており、音楽はもちろん、美術、舞台芸術など、 広く芸術世界に取り入れられています。このギリシャ神話を読んで、私自身の演奏の 考え方が変わったように思います。
オルフェウスは木と水の妖精と結婚するのですが、オルフェウスの留守中、邪悪な神に 犯されそうになった新妻が森の中に逃げまどい、毒蛇を踏んでしまって、死んで しまいます。嘆き悲しむオルフェウスは、金のたて琴を弾きながら、黄泉の國に 妻を迎えに行くのですが、その道すがら、妖精たちが一緒に悲しむメロデイーが、 この『精霊の踊り』です。
オルフェウスが、金のたて琴を弾きながら、黄泉の國に行くと、黄泉の國の門番は ついうっとりと聞き惚れてしまい、オルフェウスは簡単に黄泉の國に入って しまいます。 そこでは地獄の刑士もオルフェウスが奏でる金のたて琴にうっとりとして、 刑罰の手を休めた、と言います。黄泉の國の王様は、そこまでも愛する妻を求めて やってきたのなら、妻を現世に連れて帰ってもよい、という許可をオルフェウスに 与えます。ただし、条件があり、現世に戻るまでは、決して妻を振り返っては ならない、と厳しく戒めます。ところが、もうすぐ現世というところで、オルフェウスは 心配になって、妻を振り返ってしまい、結局、妻は黄泉の國に戻り、ひとりオルフェウスが 帰ってくるという哀しい物語です。 この曲をピアノに自分で第1ヴァイオリンと第2ヴァイオリンを入れて、これを伴奏に してオカリナ演奏して、1st Albumに収録しました。ピアノは私の学生時代の ヴァイオリンの先生で、元、宝塚歌劇団附属管弦楽団のコンサートマスターの 高柳孝太郎氏です。
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