2014/10/23(木)02:37
ロマンスヘ長調とユモレスク
ベートーベンのロマンスヘ長調とドヴォルザークのユモレスク。どちらも岡梨奈孝至の好きなヴァイオリン曲です。そのどちらも、ピアノ伴奏CDがあって、今の時代はひとりで練習できるようになっています。ロマンスヘ長調は、伴奏にあわさなくても、私の演奏とピアノ伴奏とが、ピッタリ合いますので、とても気持ち良く弾けます。ところが、ユモレスクのピアノ伴奏は、しっかり聴いて合わせないと、なかなかピッタリ合わないのです。これでは、ピアノ演奏、ヴァイオリン伴奏になってしまいます。 有名なヴァイオリン奏者、コーガンが来日した折り、時の首相(名前は忘れました)が、ヴァイオリン・コンサートを聴いて、「コーガンのピアノを聴いてきたよ」と言ったので、周囲はその首相を「音楽が分からない首相」と酷評した、という有名なお話があります。これは、実はその首相が間違えたのではなく、その夜のコンサートでは、コーガンのヴァイオリンがもうひとつ出来栄えがよろしくなくて、伴奏のピアノがガンガン聴こえた、という評があって、その首相のブラック・ユーモアだった、というお話です。伴奏に合わせながらユモレスクを弾いていて、そんな首相のお話を思い出しました。