オカリナ人生!

2018/03/10(土)23:39

『種を播く人』の意味~ブリューゲルの絵を観て~

名画の愉しみ(61)

『種を播く人』と言えばミレーの有名な代表絵画です。ゴッホも独特の『種を播く人』を描いています。 ミレーが『種を播く人』の中に、神への畏敬と感謝の念を込めたのに対して、ゴッホは「私は神の種を播く人を描きたかった。」という、この一枚の絵に託した、彼のメッセージを、私達に投げかけているのです! ところが、ゴッホの『種を播く人』を観た時は、その絵に込められたゴッホのメッセージを、充分には理解出来ていませんでした。今回、東京都美術館で、ブリューゲルの『種を播く人のたとえがある風景』を観て、そのメッセージのすべてが、分かったのです! キリストが説いた寓話に、『種を播く人のたとえ』があり、ゴッホはこのたとえを、伝えたかったようです。そのたとえとは; 種を播いても、道端に落ちれば、鳥についばまれ、石の上では根がはれず、茨の間では、芽が伸びない、というたとえです。 ここで、「種」は「キリストの言葉」をあらわし、「道端」はそれを聞く気がない人、「石の上」は、聞いても忘れてしまう人、「茨の間」は、世俗の欲にとらわれてしまう人を、それぞれたとえているのです。  このたとえをふまえて、ミレー、ゴッホ、ブリューゲルの3枚の『種を播く人』を観ると、今まで気付かなかった3人の画家のメッセージが、より鮮明に伝わってくるように感じられるのです。 

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