オカリナ人生!

2018/08/17(金)12:25

レンブラントの『放蕩息子の帰還』~エルミタージュを深く知る旅(8)~

美術館を訪ねて(34)

​​​エルミタージュ美術館で、岡梨奈孝至がいちばん印象深く残っている一枚の絵。​それは、レンブラントの晩年の作、『放蕩息子の帰還』です。この絵は新約聖書、ルカによる福音書15章の「放蕩息子」のエピソードがテーマになっています。         ここに出てくるお話の要旨は; 父から財産を等しく分け与えられた二人の兄弟がいました。長男は家業を継ぎ、熱心に仕事をしていましたが、次男は家出をして放蕩三昧をした挙句、財産を潰し、乞食のような食うや食わずの生活をしていました。ある日、このままではどうにもならないと観念した次男は、実家へ舞い戻る決心をします。 この時の次男の心中は深刻そのものでした。「もう父には会ってもらえないだろうし、おそらく親子の縁も着られるだろう」と覚悟していたのです。 しかし、父の態度は全く予想していなかったものでした。 親子の縁を切るどころか、息子が久々に帰ってきたことを、心から喜び、飼っていた子牛をほふって、祝宴をあげようというのです。 「さあ早く、最上の着物を出してきて、この子に着せ、指輪を手にはめ、履物を足に履かせなさい。また、肥えた子牛を引いてきて、ほふりなさい。食べて楽しもうではないか。死んでいたと思っていた息子が生きて帰ってきて、いなくなっていた息子が、こうしてみつかったのだから。」(ルカによる福音書15章)​

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