2023/09/02(土)16:06
白鷺の恩返し
琵琶湖の沖ノ島と近江八幡の日牟礼神社に伝わるお話です。
昔、大国主命の社が火事になった時、以前大国主命に怪我をして助けられた白鷺が、この時ばかり恩返しにと、湖の水を口に含んでは燃えさかる炎に、必死で吐きかけて、火を消そうとするのですが、いっこうに炎は消えません。なおも死にもの狂いで水を含んでは、吐きかけ続けました。その一念が天に通じ、大雨となって炎は消えました。
しかし大雨の後の砂浜には、無惨な姿で白鷺がむくろを横たえていた、というかわいそうな白鷺の恩返しのお話が伝わっています。このお話をもとに、画家の三橋節子さんは、一枚の絵を描きました。このお話を読んで、三橋節子さんの絵を観て、そのお話の続きを創ってみたい衝動に駆られました。このままでは、恩返しした白鷺が、あまりにも可哀想過ぎ、読み聞かせている子供達も、安らかな眠りに就けません。そこで、以下のように、物語を追加してみました。
「あまりにも可哀想な白鷺は、天に召されて白鳥座になりました。天の川の上に翼を広げ、南十字星に対して、北十字星とも呼ばれ、夏の夜空に輝き続け、今宵も私達を温かく見守ってくれています。」
これを聞いて、子供達は、安らかな眠りに就いてくれるようになりました。