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テーマ:あるゲイの日常。(399)
カテゴリ:【ウィンストンの日記帳】(社会人ゲイ)
■はじめまして。
神保亜希子と申します。 転職も経験し、今は、どういうわけか、ある出版社で働いています。今の会社に来て、かれこれ10年になるでしょうか。どういうわけか、というわりには、長く働いていますね。自分でもそう思います。今に至るまでの私の仕事人生を一言で言えば、「メラメラ」ですね。そう、「ムラムラ」でもなく「メロメロ」でもありませんよ。「メラメラ」なんです。「メラメラ」に動かされて、ここまで働いてきたと思うのです。 ■「メラメラ」とは何か?自己紹介がてら、私の中の「メラメラ」についてお話ししましょうか。 出版社というと、他の業種よりは、リベラルな雰囲気があるのでは、などと思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。でも、今私が働いている会社は、堅~い内容の本や雑誌を出している、堅さ(よく言えば堅実さ)が売り物の会社です。当然、そこで働く人たちも、世代を問わず、頭が堅~く、保守的な人が多いですね。また、女性はほとんどいません。私がこれまで配属された部署では、ずっと、女性は私一人、という状況でした。つまりレズビアンの私は、「堅~い」頭の異性愛者の男性達に囲まれて、この10年間ず~っと働いてきたわけです。まさに「異性愛者男地獄」の10年間でした・・・。 ■では、なぜレズビアンの私が「異性愛者男地獄」で10年間も働いてこられたのか?それは「メラメラ」のおかげなのです。最初の「メラメラ」、それは入社してすぐにやって来ました。 今でも忘れもしません。入社して、初出勤した日、私は上司に呼ばれて、こう言われました。「神保さん、君には前職でのキャリアもあるし、頑張ってほしいと思ってる。だけど、不安もある。執筆者や仕事に関係する社外の人たちが、女性の担当者をどんな風にみるのか、つまり、果たして女性の担当者を信用してくれるのかどうかってことなんだ。今まで、男性の担当者だったのに、女性の担当者に替わったことで、バカにされたとか、ナメられたと感じる執筆者もいるんじゃないかってね。そのあたりは、私だけでなく、部長も心配してる。そこのところを忘れずに、働いてほしい」 ・・・そこのところってどこのところ? まぁ、私も新卒者ではなかったし、社内や面接のときの雰囲気から、このテのことを言われるのは、半分予想はしていたのですが、やはり面と向かっていわれると・・・。 それで・・・上司のこの言葉に私の心は「メラメラ」と火がつきました。 ■なんだと、もういっぺん言ってみろぃ!!冗談じゃねぇや!ナメてんのはどっちだい!仕事の上で信頼されるかどうかということに、男も女も関係ないだろっ!今に見てろ、執筆者や社外の人間にもことごとく信頼されて、「神保さんがいなくては、何にも仕事が進まないんだよ!」って言わせてやろうじゃね~かっ! さすがに口には出しませんでしたが、これが私の心の中の「メラメラ」なんです。つまりレズビアンの私にとっては、異性愛者の男性に媚びたり、へつらったりということは、ありえないこと。また、百歩譲って、適当に聞き流すということも、私にはできないのです。だから、異性愛者の男性からこのテの言葉を投げつけられるのは、私にとっては最大の屈辱。レズビアンとしてのプライドが許さないのです。そんなとき、心の中に「メラメラ」と炎が燃えてくるのです。 (続く) 「『メラメラ』が私を動かしてきた(その2)」へ ~「神保亜希子」さんからの投稿~ |