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テーマ:あるゲイの日常。(399)
カテゴリ:【Go!!中野ウォーカー】(ライフ)
■俺と彼とは元々、同じ私立大学の同じゼミの仲間でした。
去年の同窓会の帰りに酔ってふざけた勢いで、 今の関係のきっかけが出来たのでした。 俺と彼は同性愛者です。 しかし「俺の指と彼の舌」、以上の関係はありません。 くちづけを交わしたことすらありませんでした。 「お前の声ってなんだかHだよな。」 彼は俺の声が好きだと言います。 虚ろに響いている様で、 そのくせヘソの下あたりに届くセクシィな声なのだそうです。 私の語尾がたまにかすれる時があり、 その時はたまらず生唾を飲み込む、 と彼は言っていました。 何の特技もない俺と、 完璧な彼とが愛人でいられるのは、 俺のこの声と、もう一つの特技のおかげなのです。 ■もう一つの特技。 その特技のためには、 東京メトロ丸の内線の「新中野」駅近くの鍋屋横丁にある、 「シュン」というチーズケーキ専門店の スタンダードな「レアチーズケーキ」と、 薬用消毒石けん、そして俺の指と彼の舌が必要です。 その店のレアチーズケーキのクリーム一すくいで、 俺はでたらめな空想ができるのです。 近所の他店や高名な洋菓子店、 他のケーキやデザートで何度か代用を試してみたのですが、 どうしてもこの店のこのケーキでないと、 俺の特技が発揮できないことがわかりました。 指先のケーキのクリームを舐めとる彼の舌の感触を感じるままに、 心に思いつくままを彼の好きな俺の声で語って聞かせるのです。 いや「騙(かた)る」のです。 (つづく) ▼レアチーズの指先1へ レアチーズの指先3へ ~チーズケーキ専門店「シュン」@新中野(その2)~ |