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意外な戦史を語る~  カモメとウツボのメクルメク戦史対談

意外な戦史を語る~ カモメとウツボのメクルメク戦史対談

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2009.02.13
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(カモメ)「陸軍大学校の光と陰」とは、また重そうなタイトルですね。

(ウツボ)そうだろう。渚さんが「タイトル、悪くないでしょう」と言うから、俺は「今までのタイトルの流れからすると単に『陸軍大学校』だけで、いいと思うけど」と答えたんだ。

(カモメ)なるほど。

(ウツボ)すると渚さんが、「ウツボ先生、タイトルだけでも少しは引き立てないとね」とチクリときたから、俺も、ええっと、なっちゃって、「アオザメさんのリサイクルショップだって、最近客は少ないが、じいさん、のんびりしているようだよ。人生ゆっくり生きようよ。走っても、歩いても、辿り着くところは皆同じじゃないの」と言わせてもらった。

(カモメ)そういえばアオザメさん、この頃、いつも店の奥の畳の上に寝転がって本を読んでいますね。この間行ったら「船乗りクプクプの冒険」という変わったタイトルの小説を読んでいました。

(ウツボ)そうだろう。構えたって客は来やしないよ。それで、さっきのタイトルの話だが、渚さんが、「う~ん」とマジな顔になって腕組みしちゃったから、俺が「その筋のタイトルなら、まだ『天保銭の光と陰』の方が、軽いじゃないの」と言ったのだがね。

(カモメ)ああ、『天保銭の光と陰』ですね。悪くない。

(ウツボ)ところが、渚さん、しばし沈黙しちゃって、「ま、とにかく今回は、このタイトルでお願いします」とさ。

(カモメ)タイトル負けしたりして。

(ウツボ)ところで、渚さんが言っていたのだが、ヒラメが三月に、こちらに帰って来るんだって。

(カモメ)ええ、就職が地元に決まったものですから。

(ウツボ)そうか、ヒラメも、もう大学を卒業して社会人だね。早いね。俺の周りで、時は矢のように過ぎていく。ヒラメも、カモメさんも、輝いているね。人生、今からだね。

(カモメ)いえいえ、俺はそんな。でも、ウツボ先生も、今から、じゃないですか。

(ウツボ)そうか、俺も、今からですか。ありがとう。カモメさん、あのね、俺にだって、これでも若いときには、大きな夢がありました。理想も持っていたのです。だけどね、まあ、いいか、って感じで、時がどんどん過ぎていってしまってね。気が付いたら~。

(カモメ)気が付いたら?

(ウツボ)それが、何もなくなっちゃった。落し物をしたみたいに。

(カモメ)う~ん。

(ウツボ)ゴメン、コメントしようがないよね。でも、俺は、大きな夢はないけどね、ちっちゃな夢で、結構楽しんで生きています。例えば、ヒラメが帰ってきたら、今年もみんなで花見に行こう、とか。

(カモメ)ぜひ、花見、やりましょう。あの、コノシロくんの奥さん、誘ってもいいですか。以前、「ウツボ先生に一度お会いしたいな」と言っていました。

(ウツボ)どうぞ、大歓迎ですよ。では、ここらで気を取り直して、「陸軍大学校」に入りますか。「光と陰」に。

(カモメ)分かりました。「陸軍大学校の戦略・戦術教育」(芙蓉書房出版)によると、東京、青山の陸軍大学校の校庭には、当時二つの胸像が立っていました。一つは、有名なメッケル将軍ですが、もう一つは、陸大の戦史教官だった石田保政大佐(陸士23恩賜・陸大30恩賜)ですね。

(カモメ)石田大佐は戦史研究家として世界最高水準をゆく人だったのだが、残念なことに、昭和11年、大佐のとき死去した。

(カモメ)遺された名著「欧州大戦史ノ研究」(陸軍大学将校集会所発行)は不滅の書です。当時国防を考える人にとっては必読の書であると言われていましたね。

(ウツボ)この「陸軍大学校の戦略・戦術教育」には、石田大佐の著書の中から取り上げた、名言が列挙されているね。

(カモメ)そうですね。さわりだけでも、読んでみましょう。「戦場に出て、大砲の弾が飛んでくる。機関銃がうなり出す。敵がどんどん押し寄せてくる。こんな場面に遭遇したならば、或は今度は敵をやっつける機会に恵まれるかもしれないと喜ぶべきだ」

(ウツボ)続けて読みます。「敵が遮二無二突っかかってくる。弾雨が益々激しくなる。戦友が斃れる。よーし、殲滅(せんめつ)の脈が高くなってきたぞと、勇躍しなければならない」

(カモメ)続けます。「戦闘が惨烈になってくればくるほど、益々敵殲滅の可能性は確実となってくるのである。この時こそ、大勇猛心を奮い起こして頑張らなければならない」

(ウツボ)石田大佐の言動には、いかにして敵を殲滅するかの教訓が極めて多いと記されている。

(カモメ)石田大佐は陸軍士官学校も陸軍大学校も優等で卒業していますね。

(ウツボ)優秀な軍人一家だね。父親は、石田保謙少将(旧陸士1)で、兄弟三人は石田保道少将(陸士18・陸大27)、石田保秀中将(陸士20・陸大29)、石田保忠中将(陸士27・陸大39)だね。石田大佐の義父も成田正峰中将(旧陸士8)だ。

(カモメ)石田大佐は、中尉で陸大(30期)を卒業し、大尉でスイス出張、ドイツ駐在。帰国後、陸大教官に就任して少佐に昇進。その後、参謀本部部員などを経て、再び昭和9年3月に中佐で参謀本部戦史課長兼陸大教官に就任しています。

(ウツボ)まさに戦史研究家としての道を進んだ。先ほどもふれたけど、昭和9年8月には大佐に昇進し、期待されたが、昭和11年2月10日死去した。死去後少将に昇進した。

(カモメ)もし、生きていたら、太平洋戦争でも、参謀本部の中枢にいた人でしょうね。

(ウツボ)そうだね。石田大佐の陸士23期の同期には、小畑英良大将(陸大31恩賜・第三十一軍司令官・グアム島で戦死後大将)、岡田資中将(陸大34・第十三方面軍司令官)、神田正種中将(陸大31・第十七軍司令官)、橋本欣五郎大佐(陸大32・三月事件・十月事件・衆議院議員・A級戦犯)などがいる。










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最終更新日  2015.08.16 11:48:51


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