カテゴリ:小説
江國香織『間宮兄弟』(小学館)を読みました。
映画を見て、面白かった作品で、気になっていたのです。 江國さんの作品は読むのに勇気がいるのです。読むのに勇気がいる作家がいるのです。レンアイ小説に対する拒絶反応ときっと面白いに違いないという期待がせめぎあって、なんかもう自分でも読みたいのか読みたくないのかよくわからないという作家。よしもとばなな、江國香織、山本文緒。 感想は、「映画はよく作ってあったなぁ」というかんじ。 やっぱり先に映画を観てしまうとね、それに影響されますね。キャストもピッタリだったし。読んでても、間宮兄弟の顔は映画のキャストのまんまのイメージです。 映画では、兄弟の生活の趣味的な部分が、映像で見せられるので楽しげなイメージが強かった。本で読むとちょっと、切ない感じが勝ってくる気がしました。 「だって間宮兄弟を見てごらんよ、いまだに一緒に遊んでるじゃん」という夕美のセリフにも、 ほんとの兄弟を知らないくせに・・・。間宮兄弟だって楽しいだけじゃないんだ、という反論したい気持ちになってしまう。 いいセリフだし、この姉妹も理想の姉妹だけどね。 ハタから見る間宮兄弟は楽しそうだけれど、間宮兄弟でいるのは楽しいけどちょっと切ない。いつまでも兄弟二人でくらしてるわけにはいかないんじゃないのか、と不安がちょっとあるんだよね。やっぱり。 うー、自分がかなり間宮兄弟側の人間なので、読んでるとつらくなってくるのだった。結局、自分の問題か。やれやれ。 それにしても、インパクトのある表紙ですよね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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