2006/05/30(火)23:18
『第三の道』の感想とブレア政権への見解
初夏の日差しが感じられるようになってきましたね。
先日のブログ「私の読書法」に関しまして、
『第三の道』の感想とブレア政権への見解について
質問をいただきましたので、自分なりにお答えしようと思います。
『第三の道』の感想については、
資本主義か社会主義かという論争を超え、
資本主義の手段である市場原理の効用も認めつつ、
社会主義の目的である社会的公正の確保を図ろうという
著者の着眼点は評価できると思います。
ポスト冷戦時代の社会民主主義の姿を彼なりに示したということで、
歴史的な価値のある仕事をしたと言えるのではないでしょうか。
ブレア政権については高い評価をしたいと思います。
サッチャーのはじめた急進的な改革に不安をおぼえはじめた
英国民の心をしっかりとつかむ一方で、
実際には、外国からの投資を積極的に呼び込む経済政策や、
EU諸国との関係よりも米国との2国間関係を重視するという
外交姿勢を取って、サッチャリズムを完全否定することなく、
ある意味で発展させ、岐路に立っていた英国の経済力も、
世界への発言力も、一定の力を保たせました。
高度な職人技で、彼にしかできない業績を残していると
いえるのではないでしょうか。