昨年あたりから老眼になったらしく、仕事中は近眼及び乱視矯正のコンタクトをした上から老眼用の眼鏡をかけるようになった。不便でしようがないが、これはこれで仕方がないと諦めるしかない。
それとは別な話だが、昨年夏から売りに出ていた玄関車庫前の4区画の土地の1区画が売れたらしく、暮れから基礎工事が始まったなぁと思っていると、最近のプレハブ・プレカット工法は早いモノで、帰宅して見たら、あっという間に屋根がかかっていた。4月からの消費税値上げを前に駆け込み需要を地でいっている。施主は市役所職員ということだ。30歳を前にして35年ローンを組んだという若者も知っているが、K氏というこの施主の事情は知らない。まぁ、この疲弊した地域じゃ公務員か銀行員くらいしか、新築の家を買うことはできないので、ある意味、地域に貢献しているのかも知れないというのが、近所の人の噂話だ。今日は旗日だが、朝から外装・電気・内装の工事業者であろう、駆け込みさえできない若者たちが入れ替わり立ち代わりやってきては、ドリルや金槌の音を響かせている。
若い人たちが独立したい、新しい家に住みたいというDNAを否定する気はさらさらないが、決して人口が増えている地域でもない、新しい家が建って人口が増えるのならまだしも、むしろ確実に減ってきているのに、同居を厭ってか、村部から流入する若者たちは競って安っぽいプレハブをつくりたがる。古い家は壊しも出来ず廃屋のまま村部に捨て置かれているのに、だ。なにか変な気がする。需要と供給のバランスで言えば、人が少なくなればそのうち住む場所や家も余ってくるのではないか。なにもそんなに急いで升目を埋めるようなオセロゲームをしなくてもよさそうなもんだ。むしろリニアが開通するまでに地域が消滅してしまわないか、という疑念さえ持つ。
それにしてもそんな状況で、数年前まで、360度田圃や畑だった焚き火小屋の周辺が10年も立たないうちにアパートや住宅で囲まれるようになった。とても蜂など飼っておられる環境ではなくなった。アパートと、新築されているプレハブで、ついに、水神橋から南アルプス仙丈まで一望のもとだった焚き火小屋からは、夏の花火も、春先の仙丈も、その一部分しか望めなくなった。これもこれで諦めるしかない。早く退職引退して、ニホンミツバチと一緒に山の中に引っ込むしかないか、…視界がだんだん狭まる偏屈者はそう考える。