ソースカツ丼を喰らう
東電の計画停電がヤリダマに上がっているが、電力があるうちは出来るだけ供給して、電力が供給不足になった時点で停電し、需要を満たすうちは供給し続ける。結果的に消費を抑えれば供給不足に陥らないから停電を免れる場合も出てくる、という対応に文句はない。「事ここに至る」までの事はさておいての話だが、あるものをあるだけ出し続け、なくなったら出ませんよ、と言っているだけなので、「事ここに至っては」それ以上の対応を望むべくもない。計画停電地域に入っていて停電にならないからといってブツブツいうのはただのわがままのように聴こえる。 しかし、そうした常識が政治の世界にはないのだろうか。収入より借り入れの方が上回る財政計画を立てて、のほほんとしている。口先だけはプライマリーバランスがどうだとか、こうだとかいうが、結局、組み上がった予算をみれば、入るだけの生活をしようという意気込みが感じられない。 どこかの「親バカ都知事」が、先の東北関東大震災(これも東日本大震災だとかいうマスコミもあって、どちらでもいいが一本化できないのか。当局が命名して、それを皆が使えばいいじゃないかと思うが)を「天罰」といい、すぐに謝罪したが、「天罰」と言わないまでも、これを機に国民皆がもう一度、未来に対する借金生活を考え直し、もう少し、簡素に質素に暮らせないものか。避難生活の困難を訴える報道を聞きながら、つくづく日本人は贅沢になり過ぎたのだと思った。 今日の休日にはヘトヘトになってようやく辿り着いた。 しかし妙に規則正しい朝食を摂りたがる犬の餌やりに5時過ぎに起きて、まだ薄暗いので二度寝をしていたら、7時を待ちかねたように隣組の回覧板が廻ってきて、結局、起きてしまった。規則正しい生活をする飼い犬と、マニュアル通りにしか動けない官吏は厄介である。 なにか勢をつけねばと、自動車免許を取るために帰省中の息子を誘って大盛り「カツ丼」に挑戦することにした。外食は、我が家にとっては年に数辺しかない、特別な贅沢イベントである。 飯島町千人塚の「志をじ食堂」に行きたかったのだが、調べてみると今年2月末で閉店、伊那市に4月開店とあるので、兄弟店と思われる松川町「わぁ食・EAT」の2段ソースカツ丼に挑むことにした。 昨年春、普通カツ丼は制覇したが、その時のことを思い返せば、今回かなりの苦戦が予想される。店では、普通に「カツ丼大盛り」(1100円)と注文する。 ほどなく出てきたモノを見て、息子が諦観を込めたうすら笑いを浮かべた。 この店では、丼の蓋は、トンカツを一時取りのけておくための取り皿として使うのが正当なのだ。 6つの肉片が丼からはみ出して乗っている。 戦闘開始である。ほどよく調整された秘伝の甘辛ソースがトンカツにしみて旨い。3つ目をのけると、ようやく出てきたご飯と細切りキャベツに出会う。肉片4つまでは昨春の実績からいって軽いと思われた。 しかし、あんなにおいしいとまで思った肉片が5切れ目に入る頃には、憎しみに変わり、食べ終えると、それが感動になる!? ふっとメニューをみれば、お持ち帰りのパックは30円とある。なるほど、頷ける心配りだ。