仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2005/09/26(月)21:55

楽天イーグルスの経済効果を考える

がんばれ楽天イーグルス(341)

本拠地最終戦も終わり、田尾監督解任で心も揺れていますが、ここで、楽天イーグルスがわが仙台・宮城に及ぼす経済効果について整理してみます。  今回は情報整理。新聞や雑誌からの情報を以下に簡単に整理しました。まとめは私の文責です。ちょっと長いですが。これを踏まえての分析や私なりの提言は次回以降にいたします。 ------------ 【5月5日産経新聞】「楽天想定内?」。 楽天が日本プロ野球組織に提出した収支計画では、初年度は収入45億円、支出60億円の15億円赤字。ところが、12億円見込んだ広告収入は22億円に達した。21億円と試算した入場料収入も好調で、年間シートは平均単価17万5千円で4千席が目標に対し、開幕前の実売で「21万円、5200席」と年間入場料収入の半分以上を確保。主催試合平均観客数(年間シート含む)を1万5千人に設定したが、厳冬もあり1万2千人(同)で、何とか達成できそう。 唯一苦戦しているのは10億円を見こんだテレビ放映権収入。本拠地開幕戦の宮城県内視聴率24.2%など関心は高いが、地元ローカル局の対応が鈍く目標の8割程度。理由は平日ナイター枠。ゴールデンタイム枠はキー局が全国放送を条件にスポンサー契約している番組が多く、宮城だけ楽天戦にできないようだ。 ファンクラブ会員は開幕前に初年度目標の3万人を突破、開幕後も一日50人から100人が入会し、4万人の大台も見える。 最大の課題はチーム成績の低迷。戦力充実に支出を控えたツケ。 ------------ 【6月26日河北新報】仙台商工会議所と仙台市が5月に実施した、仙台市中心部商店街の歩行者通行量調査の結果(速報)。楽天対阪神のデーゲームが行われた5月29日(日曜日)は、仙台駅前地区(主要5地点)の通行量は前年対比24.6%増加。中央通りも5年ぶりにプラスで、楽天効果浮き彫り。地点別では、東西自由通路が55.1%増で第1位に。 ------------ 【8月19日日本経済新聞】。経営諮問委員会のあとの三木谷オーナーらの会見。早くも来期のビジネス展開に思いを巡らせているようだ。来季は少なくとも勝率5割。当初は初年度15億円の赤字を見こんだが、大幅に減らせる。収支トントンというところ。ただ、今季終了後に10億円以上かけて選手補強するから、金額によっては赤字。インターネット配信や携帯配信を初めたが、今年は実験の域を出ず、来季は力入れて収益に貢献させたい。選手の肖像権ビジネスも来年以降の課題。 本業への効果としては、仮想商店街出店者数が全国47%増に対して宮城県内221%増、また楽天証券の出資するファンドに出資受けたりと、効果大きい。 ------------ 【8月19日朝日新聞】上記を受けて、アイリスオーヤマ、七十七銀行、東北電力などで構成するドーム球場建設協議会(大山会長)は、来月に凍結を正式に決定へ。 ------------ 【「仙台経済界」2005年、9-10月号、p.114以下】前半戦は1試合当たり平均1万4千人、入場単価平均2,646円、飲食やグッズの購入単価平均4,735円、という。 ------------ 【9月21日河北新報】基準地価調査結果の報道。東北の住宅地と商業地を通して唯一上昇したのが、商業地の宮城野区榴岡三丁目(ホテル東横イン)でプラス1.0%、197千円/m2。フルスタ宮城に近いことから、分譲マンションやホテル用地の需要が増大し、楽天効果がハッキリ出た。 ------------ 【9月25日毎日新聞】楽天効果の県試算経済効果は162億円。シーズン終了直前に楽天効果を検証。(1)人の流れ(上記6月26日河北新報記事参照)。駅の東口が増加に対して西側の一番町通りはほぼ横ばい。(2)ホテル。市内で8つのビジネスホテル経営する松月産業の声。球場まで徒歩10分のホテルは試合日はほぼ満杯、宿泊客は前年比4割増の勢い。家族連れや東北他県の修学旅行客中心。急遽40台駐車場増築。8つのホテル全体では1割アップ、駅から遠いほど楽天効果薄い。(3)交通。駅東口とフルスタを結ぶワンコイン(100円)シャトルバスが好調、1試合平均3200人運ぶ。市交通局などと共同運行している富士交通は、この路線だけで4月から700万円を売り上げ。(4)繁華街。国分町は予想ほどは客来ない。ナイター終了時刻遅すぎ、球場内で飲食してしまう、などの声。強く要請して実現した、定禅寺通りとフルスタ間のシャトルバスは1試合平均170人程度にとどまり、富士交通社長は来シーズン撤退を明言。一方、宮城野大通りは球場と往来する徒歩のファン1万人であふれるが金は落とさない。飲食ビルや屋台通り構想など来季に向けた動きも。  なお球団の収支について。フルスタでは1試合平均1万4572人が訪れた。球団目標の1万6千人には及ばないが、振るわない後半戦の割にはよく入ったとの見方。島田社長によると、単価の高い年間シート売れ行きが予想以上のため、動員数が目標下回っても、チケット収入は高水準。グッズ販売もカラスコ人気などで好調。6月中間決算は、事業売上げ高33億5千万円、営業利益9億8千万円。 ------------  まずは情報整理、以上です。

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