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仙台・宮城・東北を考える おだずまジャーナル

2010年10月10日
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カテゴリ:宮城
藩政時代の仙台領の百姓一揆のあらましは次の通り。

(1)寛永6年 八島下野直訴
 伊具郡耕野、川張、大蔵の3村は政宗が関ヶ原合戦の時、上杉方に属した白石城を攻撃した際に参加した野武士の居住した村で、村民は素年貢で永代御蔵入地たるべき保証を与えられていた。
 しかし、寛永6年に3村が佐藤甚十郎の知行地に割り替えられたため、川張村の百姓八島下野が城下の大橋のたもとで政宗に直訴。割替は中止。

(2)延宝3年 松川村農民訴訟
 東磐井郡松川村の領主猪苗代氏の非違に対し、農民が連名で藩庁に訴訟。寛文6年頃から紛争が発生し、延宝3年に爆発。訴訟状は松川状として現在も地方の旧家に伝えられる。この後、猪苗代氏は転封されたが、訴訟がどう結着したか不明。

以上2件は、郡村の支配関係の過程でおきた紛争であり、純粋な近世農村を成立させる途上の紛争。封建農民の傾斜期における一揆とは別個の意義をもつ。

(3)享保9年 大平村農民騒擾
 5代藩主吉村の中興政治に対抗して刈田郡大平村に起きた騒擾。吉村は停滞しがちの年貢や諸上納を厳重に取り立てた結果、多数の農民が役人を宿舎に襲い乱暴を働いた。
 仙台藩で農民が集団蜂起した最初の事件である。

(4)寛政9年 仙北諸郡一揆
 天明飢饉で打撃を受けた農村も立ち直りはじめた頃、藩は買米政策を強化して農民の余剰米の収奪を計った。この時期に生じた仙北諸郡の蜂起は、仙台藩が体験した唯一の強力な一揆であった。

(5)文政6年 菊地多兵衛直訴
 阿武隈川洪水の被害と重課に困窮した伊具郡丸森町、小斎村の農民を代表して、肝入菊地多兵衛が藩主に直訴した事件。

以上の3件は藩が財政を立て直そうとした過程の一揆。

(6)嘉永年間 大迫村農民起訴
 旱害に困窮した農民のため、志田郡大迫村の農民代表が領主茂庭氏の重課と肝入治右衛門の酷薄を仙台藩庁に越訴しようとした事件。

(7)安政4年 四竈村一揆
 加美郡四竈村の肝入良助が公金を着服したのに対し、山伏の良性院が指導者となり中新田町の大肝入に訴訟した。肝入に味方する農民も中新田にくり出し双方の争論となったが、良性院は早鐘をついて手段蜂起の手法をも利用した。

(8)安静年間 佐沼及川東七ヶ村一揆
 栗原郡佐沼郷及び登米郡川東7か村の農民が、大肝入の不正を鳴らして一揆を起こそうとしたが、大事に至らず鎮定された。

(9)慶應2年 栗原郡三迫一揆
 栗原郡若柳町の小昧農民百人が村内の平野神社に集合。一迫二迫の農民も蜂起し、総勢四、五千人が歎願20ヶ条を携えて仙台に押し寄せようとしたが、高清水の邑主石母田賢頼が一揆と会見し解散させる。

(10)慶應4年 西磐井郡一揆
 西磐井郡赤萩村に蜂起した農民は、大肝入大槻専左衛門の私曲を鳴らし、その勢は郡内に波及して鎮撫の役人を殺し、山ノ目町の大槻家を襲撃。代表者が直訴のため仙台に向かったが一ノ関で捕らえられる。殺人と破壊行動を伴った過激な一揆であった。

以上の4件は、天保凶荒以降、藩政治が行き詰まり、農村も崩壊に瀕した時期のもの。

さらに明治初年には、藩権力の崩壊直後の強力な蜂起が頻発した。
○ 明治2年 西磐井登米両郡一揆 暴動
○ 同年 登米郡佐沼13ヶ村一揆 暴動強訴
○ 同年 江刺郡西方諸村一揆 暴動
○ 同年 伊具郡島田枝野村一揆 蜂起強訴
○ 明治3年 登米郡川西諸村一揆 蜂起
○ 同年 東磐井郡小梨村一揆 暴動強訴
○ 同年 栗原郡宮沢村一揆 暴動


仙台藩の一揆は件数がきわめて少ない。真に一揆らしいものは、寛政9年一揆と、慶應2年の三迫一揆、同4年の西磐井郡一揆の3件だけである。

■平重道『仙台藩の歴史3 百姓一揆』宝文堂、1972年 から






Last updated  2010年10月10日 01時34分49秒
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