この記事は『子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~』の連作となっております。
出来れば、
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 1
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 2
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 3
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 4
子育てハッピーアドバイス ~自己肯定感をはぐくむ子育てを考える~ part 5
と合わせてお読みください。
8.思春期の対応
・反抗しだしたら一安心
子どもの心の成長は、思春期になるとどうなるのか?
思春期(第2反抗期)は、中学2年生の2学期から、ガラッと変わるとよく言われていますが、
最近の子どもたちはませていますので、女の子で早い人は小学校の6年生ぐらいから、「プレ思春期」という風に、もう反抗期が出てきます。
それが中学生になると、本格的に反抗しだすのです。
小学校の間は、何でも言う事を聞いて、お手伝いもして「なんていい子だ」と思っていたのに、
中学校に入ったら・・・
何も話して来なくなる。
学校から帰って来ても「ただいま」も言わず、スーっと自分の部屋へ入ってしまう。
「学校どうなの?」と聞いても、何も答えない。
答えたとしても「別に」とか「普通」とか「微妙」とか、しか言わない。
「微妙って何なの?」と言うと
「うるさいな」
「うざい」
「クソばばあ」
とか、言ったりします。
「クソばばあ」なんて言われた日には、お母さんは真っ青になって
「いったいこの子はどうなってしまったのか?」
「このままでは犯罪化していくんじゃないか?」
という風に、心配している人もいます。
しかし、子どもが反抗しだすという事はどういう事かというと
それまでに十分依存して甘えて安心感をもらったから、反抗するのです。
という事は、子どもが反抗しだしたという事は
「基本的にはそれまでの子育てが間違っていなかった」
という事の証拠です。
「どこで育て方を間違えたのか?」ではなくて
ちゃんと育てて来たから、反抗するようになったのです。
我々医者からすると、むしろ
「思春期・青年期になっても、ちっとも反抗しない子」
の方が、逆に心配です。
もちろん、子どもによって個人差はあります。
また、親子のコミュニケーションが十分に取れていて、反抗する必要がない子もいます。
そういう子はそんなに心配ないです。
しかし中には、十分な安心感をもらってない為に、反抗したらその途端に
「見捨てられるんじゃないか」
「見放されるんじゃないか」
という不安が非常に強くて「反抗したくても出来ない」という子がいます。
では、そういう子はそのまま大きくなるのか?というと、そうではなくて、
「二十歳を過ぎてから、爆発的な形で反抗してくる」という事があります。
ですから、思春期・青年期に反抗期が出てくるという事は、子どもの心が健全に成長してきて、自立を始めた証拠です。
だから、「反抗しだしたら一安心」なのです。
それにしても、今の子どもたちは
「うざい」
「死ね」
「ぶっ殺す」
「クソばばあ」
とか、恐ろしい事を平気で言います。
「今の子どもたちの言葉遣い、何とかならんのか?」
「いったいこれは日本語としてどうなんだ?」という人も多いですし、私も困ったものだと思います。
しかしその一方で、「今の子どもたちは、そういう言葉遣いをするものなんだ」と割り切る事も必要だと思います。
日常的にTVやマンガで、そういう言葉遣いを聞いている訳です。
もう一種の外国語なのです。
だから、翻訳が必要です。
「うざい、死ね」は・・・「僕(私)に、構わないでね」
「ぶっ殺す」は・・・「僕(私)は、怒ってるんだよ」
「クソばばあ」は・・・「お母さん」
そういう風に聞いたら、ちょっとは冷静に聞けるのです。
(Part 7へ続く)
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