2008/06/09(月)13:13
『ザ・マジックアワー』――三谷幸喜の映画愛
日本映画界の期待を一身に背負って昨日、堂々と公開された作品。
脚本家、三谷幸喜さんが監督も兼ねて制作された、4作目。
『ザ・マジックアワー』
一応、ストーリーを語っときますね。
暗黒街を牛耳るギャングのボスの愛人に手を出した男が、命を助けてもらう代償に伝説の殺し屋を連れてくるように言われます。
そんなの簡単に見つかるはずがなく、その男は売れない俳優に撮影と思い込ませて殺し屋役をやってもらうという無理満載な苦肉の策を思いつくわけです。
なんか、このあらすじだけで、すでに奇想天外ですよねー。
これまでの三谷幸喜さんの監督作品は、『ラヂオの時間』(1997年)も『みんなのいえ』(2001年)も『THE 有頂天ホテル』(2006年)も、みんな現実的な話をコミカルに表現してました。
でも今回は、リアリティがゼロ!
こんなふうになるわけないだろ!
って突っ込みたくなるような展開の連続で、でも出演者は大真面目に演じちゃってて、そこがまたおかしいっていうか。
あの舞台となる『守加護』って街自体、嘘っぽいですからねー。(しかもこの名前、「すかご」って読むんですよ)
パンフレットで三谷監督は、こんなふうに語っておられました。
「今回4本目で、やっと自分にとって納得のいく『コメディ映画』が作れたような気がします。ようやくスタートラインについたようです。皆さん、お待たせしました。僕の本当の映画人生は、ここから始まります。たぶん。」
実際この映画は、新しい三谷幸喜さんを観たような感じです。
最後までオチが読めない展開にハラハラしながらも、巧みに笑わせてもらいました。
なお、この作品は映画についての映画でもあるそうで、旧作名作のオマージュがいっぱいとのこと。
たしかに作品タイトルまでは正確にはわからなかったものの、見覚えのあるシーンがいくつもありました。
三谷幸喜さんの映画への愛が込められてますねー。