小ちびの仮入学。
生憎の雪空で寒い寒い。
保護者たちが体育館で話を聞く間、子供たちは5年生のお兄さんお姉さんに連れられて学校内の案内や擬似授業みたいなことをして過ごします。
小ちびは支援クラスの先生にもついていただき、母から離れてそちらへ。
離れ際ちょっと不安そうな顔でしたが、学校へ通い始めたらそれが普通になるのです。ガンバレ。
先生やPTA会長などの話が終わると、子供たちが体育館に帰って来ました。
「それではお子さんのところへ行かれてください」との指示のもと、小ちびの姿を探します。
えーと、どこにいるのかな……。
…あ……あああぁぁ!?
そこには5年生のお兄さんにまるで抱きついてるかのごとくびったり甘えてくっついてる小ちびの姿が。
完全にしなだれかかった状態の小ちびに顎を落としそうになった母と、お兄さんの目が合いました。
「ごめんね。ありがとう」
そう言ったものの、き、気まずい。ええい小ちびよ、空気を読め。
…無理か。うん、無理だな。おかーさんが悪かった。
小ちびについてくれたお兄さんは幸いにも小さな子が好きなタイプだったようで、その後もゴソゴソする小ちびをさり気なく押さえてくれたり、立ち上がらないよう時折膝の上に抱っこしてくれたりしました。
ありがとう、お兄さん。ほのぼのする母の後ろでは、新一年生に足をわざと踏まれて「ぎゃー」と苦しむ別のお兄さんの声が。
お兄さんも大変だ……。
通学路を通って、通学班の子供たちと一緒に下校。
それを見計らったかのように外は吹雪。
正直道を覚えるとかみんなで仲良く帰るとかという余裕はさっぱりなく、みんな必死にひたすら歩くことになったのでした。
母に手を引かれている小ちびはともかく、もう一人の新一年生の必死かつ困惑した顔に「僕はこの先学校へちゃんと通えるのか!?」という疑問が見え隠れ。