佐賀記念
佐賀記念には魔物が潜むそんな気がしたレースでした。オオエライジン第2章が明けてから初めてJRA勢との対戦となった今回の佐賀記念。1/31の能検の走りがバツグンに良くその後の状態も上昇カーブで、管理する寺嶋調教師はかなりの手応えを感じていらっしゃる様子でした。JRA勢が相手とは言え兵庫で復帰からの3連勝には南関東での重賞も含まれており、陣営みんなが色気をもっての参戦でした。装鞍所でのライジンの様子レースでは戦前の予想通りエーシンモアオバーが逃げ2,3番手にナムラタイタンとフリートストリート続いてソリタリーキングとデュナメスそしてオオエライジンが続きこの6頭が先団を形成します。ランフォルセは先団からは気持ち離れた7番手でしたが向正面から位置取りを上げていきます。それに合わせてライジンも下原騎手のムチに応えペースアップし4角手前では先頭に並びかけます。「おぉーっ!!」言葉にならない期待が胸から溢れ直線へと向いた瞬間。ライジンは顔を外へと向けました。すぐに下原騎手に顔の向きを真っ直ぐに補正されましたがすでにJRAの馬が頭ひとつ抜けた状態で必死に差し替えそうと粘りますが勝ち馬ランフォルセから0.8秒離され4着でゴールインでした。引き揚げてきた勝ち馬ランフォルセレースの少し前からみぞれに近い雨が降り凍えるような寒さだった今年の佐賀記念。そういえば、2年前。ライジンが5着に敗れた佐賀記念の日も昼間には小雪が舞う寒い日。いま目の前で終わった佐賀記念と2年前の佐賀記念とが頭の中でオーバーラップしました。ピイラニハイウェイが勝利した2012年の佐賀記念では前半、中団に位置していたマイネルアワグラスが1-2コーナーで位置取りを上げ向正面入口ではライジンも共に上がっていく場面がありました。後に陣営は「あそこで少しリズムが崩れてしまったかもしれない」と語っています。そして直線に向くと顔を外に向けるしぐさ。懸命に追い上げようとするものの差し届かず5着となりました。顔を外に向ける仕草は苦しがってのものなのかただのクセなのか...しかし今回、向正面で一気にペースアップした点について下原騎手は「急に速くなったペースにもついて行ったのはすごいと思いました」と、負けたもののライジンのすごさを讃えます。一方で「3-4コーナーでエンジンがかかりすぎたかもしれません。勝ち馬ランフォルセと一緒に上がっていきましたがもう少しじっくりいった方が良かったのかもしれません・・・」と言葉を絞り出しました。これだけ状態が良くても届かなかったダートグレード競走。直線でソラを使うご愛嬌をもつライジンですがさすがに今回は「遊ぶのはなかった」ということで、必死に走ってきました。鼻出血の経験があるので激走後のライジンの状態が心配でしたが担当の野々村調教師補佐いわく「特に変わりなく、20時に馬運車に乗せて西脇に帰ります」ということでしたので一安心です。敗れてはしまったけどこれからも果敢にJRA勢に挑んでいく姿が見たいです!