元心理カウンセラー＆保健師のつれづれなるままに

いよいよ、彫刻展の会場入り口に来ました。
待っている間に
じいちゃんの声をかける人がいます。
「お久しぶりですね、お元気でしたか」などと。数人の人たちです。
話し方で、じいちゃんの先生かな？　じいちゃんと同じ仕事をしている人かな？前にじいちゃんが教えた人かな？など色々な人に思えました。

会場内では、神社にある狛犬や、可愛いお地蔵さんや、観音様などたくさん飾ってありました。
じいちゃんはとても丁寧にゆっくり見ていきます。
ちょっと退屈になったまりちゃんです。
でも、ある観音様の前に来た時、じいちゃんがポケットからハンカチを出して、目をぬぐいます。
どうしたのかな？
じいちゃんは観音様の顔、目を見つめながら涙を流しているのです。
「こげな、彫刻が彫れるまでにはまだまだばい」とポツリと言います。
まりちゃんには、感動とか、感激と言う感覚はまだありませんが、じいちゃんの涙は悲しくてじゃなくて嬉し涙なんだなとはわかりました。

見学を終えて
「まりちゃん、昼ご飯ば食べようかね」と言って、食堂に連れて行ってくれました。
そこで、初めてデパート内で食べます。うどんがおいしかったこと。
「じいちゃん、うどんが.おいしかね」
「おいしかね～～」とじいちゃんも言いました。
うどんを食べた後で
「屋上に観覧車があるけん、乗ってみようかね」
「観覧車？」初めて聞く言葉です。
デパートの屋上にある大観覧車！
「うわ～～大きかね～乗られると？」
観覧車の乗ると、揺れると怖いけど、もう街中の建物や、遠くの山も見えます。
デパートでのうどんを食べたり、観覧車は初めての事。
実を言うと、展覧会よりそっちのほうが楽しかったまりちゃんです。
帰りのバス内で
「じいちゃん、今日のうどんおいしかった～　大観覧車も楽しかった～～～」
「そうね、そりゃ～～良かったばい」
家に帰ってから　ばあちゃんや母ちゃんに話す事は
うどんの事と観覧車の事でした。
今日の事を友達に自慢したいけど、もう少し後にしようと思いました。
だってまだまだいっぱい楽しい思い出を一人で楽しんでいたかったまりちゃんでしたから。