元心理カウンセラー＆保健師のつれづれなるままに

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• 急なご案内

  　お久しぶりな　物語でございます。何年前になりますでしょうか？すっかり忘れかけておりましたがあの素敵なパン屋さんからのお便りが届きました♪ご無沙汰いたしております。お馬鹿クラブの皆様はお元気でしょうか？私　ポン　は　雲の上から　月まで　奥深い森の中から　深い海底までをも旅をしてまいりました。そして　また皆様に喜んでいただけるようなパンを作り上げることが出来ましたので是非お越しくださいますようご案内申し上げます。PS 　もちろんキツネの機長が専用機でお迎えに上がります。こんな嬉しいお便り・・・早速お馬鹿クラブのメンバーに連絡を取りました。もちろん即参加でございます！！気持ちが固まった頃に専用機がお迎えに来ました。搭乗してから　ものの１分とかからずに　タヌキのパン屋さんに到着したのでございます。しばらくご無沙汰している間にすっかりと感動の心を失いかけていたお馬鹿クラブのメンバーは虹色に輝くお店と内装にしっかり魅入ったのでございます。カーテンも虹色の柔らかいシフォンのようなものでございます。その模様はなんと輝くばかりの星の子がちりばめられております！テーブルも椅子も虹色に輝いております。わ～～～なんて綺麗なの！！あまりの美しさに目を見張っておりますと甘い香りとともに運ばれてきた虹にあわせた７色のパン赤橙黄緑青藍紫色よく並べられたパン達！　形はいろいろです。どの色のパンも私たちの心を溶かし　感動の嵐に巻き込んでくれるのでございます。１口食べる毎にこころの扉が開きすっかり忘れてしまっていた事を思い出し今までの嬉しかった出来事の事柄を次々と思いだしてくれます。味わったことのない味なのに　懐かしく　　（表現の仕様がなく～～）今までの　店長さんからご招待いただいた　あの深い海の中で食べたパンあの真っ白い雲の上でいただいたことそのどれも　懐かしく　思い出されてしまったのでございます。演奏される美しい調べもね！！そう～～みんなの顔も満足げ！今回の　ご招待は　過去の美しい思い出をよみがえらせてくれる　旅行ともなりました。虹色のカーテンの隙間から　煌々と輝く月が見え１口食べては　楽しい思い出のシーンがよみがえり虹色のオーケストラからは感動がよみがえり～～すっかりお腹が膨らんだ頃タヌキの店長さんから「皆様今宵は満足いただけましたでしょうか？　残らず食べていただき誠にありがとうございます。これからも修行に励みまして皆様をご招待いたしたいと思います。」またもや　心もお腹も満足いたしました瞬間気づいたら　自宅前！！５～６時間は過ぎた感覚でございましたが自宅の時計を見ますとたったの５分しか経っておりません。やさしい不思議の時間！　夢ではございません！だって～～確かにお腹はすっかり膨らんでおりますしそれに感動の心とやさしい気持ちは確実に存在いたしておりましたもの・・・・

  2009年07月18日

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  Ｈeart 　Ｈeart　な　パン　たぬきの店長さんシリーズ

  　お馬鹿倶楽部の皆様へあれから２年の月日が経ちましたが皆様お元気でお過ごしの事と思います。２年間修行いたしましてなんとか、皆様によろこんでいただけるパンがこの度形になりました。つきましては～～専用機にてきつねの機長を迎えにうかがわせますので是非お越ください。とお手紙がまいりました。もちろん　お馬鹿倶楽部のみんなが行かない訳がありません。思いおこせば～～深い森の中高い雲の上深い海の中での　美味しい出来立てパンをいただきながらの演奏会はそれは見事なまでの素敵な時間でしたもの！！当日は・・時間通りきっかりに専用機が到着いたしました。みんないつもよりフレアーの多い柔らかいスカートに色とりどりＴシャツだったりジャケットを羽織って乗り込みました。もうどこへ行くのでしょう～ワクワク　ワクワクほんの２～３０分くらい経ちましたでしょうか～～空から見える下界が急にピンク一面に染まってきました。大きく旋回して飛行機は下へ下へと向かいます。そこには～～数え切れないほどの桜の大木がありました。空気でさえピンク色に見えます。はなびらの形のテーブルに花びらの形のイスがセッティグされています。もう！！ピンク色した焼き立てのパンが盛られているではありませんか～～それに！！ティーカップもピンクです。２年ぶりにお会いする　たぬき　の店長さんは益々丸くなっていました。きっと試食　に　試食を重ねた結果かも知れません・・・身をていしてのパン作りをされたんですね～「どうぞ～～食べてみてください」の言葉を聞くや否やお馬鹿倶楽部のメンバーは口元にもう　桜色したパンを頬張っています。美味しくて～美味しくて～やめられません。ほんのり、甘い　ふしぎな味！優しい春の風が喉元を過ぎたようです！全身～～～幸せの感覚に包まれて～～桜と春と小鳥の演奏で吹く風も甘く優しくて満ち足りた心と体はいつの間にか眠りを誘います。気持ちよく眠っておりますと「まもなくお家に着きますよ～」と　きつね　の機長さんの声がします。久方ぶりの　ハートフルなパンに心地よく寝入ったようでした。　どうやら、お礼の挨拶もしないままに失礼してしまったようです。「みなさまの満足な寝姿に　たぬきの店長もとても感激しておりました。これからのパン作りの励みになったと申しておりました。新作パンができましたら、またご案内いたしますので今後ともよろしくお願いいたします」夢のような桜の花々に囲まれてあんなにも美しく優しいパンを食べられて心地よい耳元に優しく響く小鳥の演奏が奏でられしばし異次元旅行をしたような錯覚に陥っている面々でした。

  2007年04月16日

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  じいちゃんとまりちゃん　シリーズ６

  　校庭の桜が満開のうららかな春の日にまりちゃんの始業式がありました。とてもお勉強好きなお手伝いを良くするまりちゃんは学級委員に選ばれました。最初の頃は回りにはいつもいっぱい人がいたのですが・・・最近誰も寄り付かなくなったのです。少し淋しくなったまりちゃんです。気持ちが晴れないままに　早くに学校から帰ってきました。始業式が始まってまもないので学校は午前中で終わりです。それでも～～大好きなおじいちゃんが働いている石切り場にお弁当を持っていきます。道路から下にある石切り場に向かって石の階段を降ります。「じいちゃ～～んお弁当持ってきたよ」コツコツ　カツカツ　小気味良い音が途絶えません。「じいちゃん！！」「あ！！まりちゃね！いつもお弁当ありがとうね」きちんと１２時のサイレンウーーウーーって鳴ってから手を休めます。なんだか～～今の嫌な気持ちを話したいな～～と思いながらマリちゃんは言葉を飲みました。ちょっと暗い表情に気付いたおじいちゃんが「まりちゃん。学校でなんかあったとね？」ハッとしたまりちゃんは意識して明るく「ううん～～なんもなかよ！」おじいちゃんはいつもおいしそうにお弁当を平らげます。見ていて気持ち良いくらい・・・・おじいちゃんのお弁当を食べる休憩時間がまりちゃんは大好きです。なんも言わないけれど・・・いつでもニコニコ優しいるおじいちゃんだから・・・そしてお昼休みが終わるころ又ウーーウーーと、サイレンが鳴ります。おじいちゃんは、たった１人なのにちっともサボらずにきちんとコツコツするのです。まりちゃんはとっても感心するのです。だって学校の同級生はお掃除やら・・先生が見ていないところではサボる人も居るからです。それなのに～～毎日毎日同じ時間に仕事を始め～～同じ時間に休憩をとり～～同じ時間に終わりにするのです。そう～～今日も最近のまりちゃんは掃除やら宿題の事でクラスのみんなに「皆きちんと決められ事は最後までしなくちゃいけないよ！！」って注意したています。注意注意の毎日のようになっていました。それが～～皆が遠ざかった原因だったのかもしれません。ちょっと学級委員だから・・・先生の代弁者を気取っていたのです。お昼過ぎからおじいちゃんが作っているおじぞうさんの顔はどこまでも優しくて～～コツコツ　カツカツのリズムも心地よくおじいちゃんのお顔も優しくて～～ハッと気付くものがまりちゃんのこころに湧き上がりました。「おじいちゃん！！マリちゃん・・・宿題があるから帰るね～～」帰り道はスキップしながら～～　机に引き出しから　おじいちゃんにもらった「夢のたまご」出してもらった時の感激をかみしめました。なんだか今日１日で随分と成長したまりちゃんでした。コツコツ　カツカツ　コツコツおじいちゃんのリズムが聞こえてきました。物語を考えながら愛車を運転中同時に赤信号で止まったハーレーダビットソンが青になったとたんピューって瞬く間に遠ざかって行ったのでございます。

  2007年04月12日

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• たぬきのパン屋さんのあれから～～～

  　もう～～長い事「たぬきのパン屋さん」からお誘いのメールがございません。お馬鹿くらぶのメンバー達も　とっても心配しております。そして、心待ちにしております。だって～～ね～～考えて御覧なさい！あれほど心とかして、とろけるようなパンを今まで食べた事がなかったんですもの。あれほど素晴らしい、、ここちよい演奏を聴いたことがなかったんですもの。いきとし生けるものに、あんなにすんなりと心地よく響いてくる音楽が～まるで天上の音楽のような美しいメロディー＾＾あ～～あ～～～～今思い出しても、心地よくて～～　「それじゃ～～こちらからメールしてみましようか？？」とメンバーの1人が言いました。「ううん是非そうしてね！！」「じゃ～～早速メールするわね」慣れないメールを必死で送ているようでございます。メール送信後　数分しましてからりりーん　りりーん　（鈴虫の音の着信音）と鳴り響きます。「誠に残念なお知らせなのでございますが～～最後の演奏会が終わりましてから数ヶ月しましてから、、たぬきの店長さんが寿命をおえられたのでございます。私共もたぬきの店長さんの作られるおいしいパンと愉快な演奏振りは忘れられません。いつか～～修行いたしまして残された私共が美味しいパンを作ることに成功いたしましたならば、、再び新しきパンを祝うディナーと演奏会を開催いたしたいと思っております。どうか～～それまで、、、お待ちいただけますでしょうか？1年あるいは２年～～あるいはそれ以上かかるかもしれませんが。成功いたしましたら、、また専用機でイケメンきつね機長にお迎えに上がらせますので、それまでごきげんよう～～」少し淋しく物悲しいような～～すこしがっかりしたような～～少し期待感が沸いたような嬉しい暖かい感情にこころが満たされたのでございました。お馬鹿くらぶのメンバーの目も幾分涙で潤んでおりましたが、、希望の涙にも見えたのでございます。それぞれの涙が７色に光っていましたもの☆☆☆☆☆☆☆

  2006年09月13日

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  じいちゃんとまりちゃん　　５　　たくさんのたまご

  　７才の誕生日を迎えた朝「まりちゃん、じいちゃんのところにお弁当を持っていってくれんね」っていつものように、ばあちゃんから頼まれました。「は～～い」大きく明るい返事をしますまりちゃんは、じいちゃんが大好きなのです。いつものように大きなおにぎり２個とサバの塩焼き、卵焼き、野菜の煮物、お茶のすいとうをばあちゃんから受け取って、スキップしながら歩きます。坂道なんてへっちゃらなのです。毎日毎日　雨でも雪でも、、腰をくの字に曲げてじいちゃんは通うのです。腰のまっすぐなまりちゃんなら「じいちゃんに比べたらまりちゃんは大丈夫！へっちゃらよ！」ってニコニコしながらゆるい坂道を上ります。丁度頂上について下り始めるところに石きり場へ降りる階段があるのです。１段　また１段　と降ります。いつものように１０段近く降りるとカツ～～ン　カツ～～ン　カツ　カツと音が聞こえます。そこはもう、じいちゃんひとりの世界です。周りはみんな石だらけ。小さな川が一筋流れています。音といったら、じいちゃんの石切る音と石を削る音だけなのです。まりちゃんがそお～～っと降りてじいちゃんのそばまでいきます。じいちゃんはまりちゃんに気付きません。また１歩！なにやら一生懸命に作っています。あんまり夢中でまりちゃんに気付かないのでとんとん　って肩をたたきました。「あ～～まりちゃん　来とったね！わからんやった。ごめんごめん、、。いつもお昼の弁当ありがとうね」そう言ってから、ふとじいちゃんの足元に目をやると、たくさんの丸い石が見えます。「じいちゃん、そん　丸いもんはなんね」「あ～～これね！これはね、まりちゃんの誕生日のお祝いったい！！」「わ～～ありがとう！！じいちゃん！きれいか石ね～～。きれいかばってん、みんなまるくていっぱいあるけど　なんね？」「うん　これはねたまご（卵）たい！たまごって言うたっちゃニワトリのたまごじゃなかよ！なんのたまごかは、これからまりちゃんが決めるったい」「え～～～まりちゃんが決めると？」「そうたい！この石のたまご、ひとつ　ひとつ　が夢んたまごたい！」「・・・・・・」「音んたまご　言葉んたまご　花んたまご　水んたまご　　いろいろたい、、」この石のたまごはまりちゃんが何かをしたいな～～と思った時にどうやら育ち始めるらしいのです。それにしてもじいちゃんから素敵なプレゼントを貰ってちょっと戸惑い気味のまりちゃんですがきっと将来に向けてたくさんのたまごが花開くことでしょうね。だって　もう　まりちゃんは　夢を見始めましたもの。それにしても、じいちゃんはスゴイナと思ったまりちゃんでした。

  2006年05月12日

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• じいちゃんとまりちゃん　　４

  今日は珍しく、まりちゃんのほうから「ばあちゃん、じいちゃんにお弁当を届けてあげるね」って。ばあちゃんがこさえた大きなおにぎり２個と野菜の煮物とサバの塩焼きとニワトリ小屋からとってきたばかりの卵で黄身の濃い卵焼きでお弁当の出来上がり。それに、必ずお味噌汁もついてます。じいちゃんはお味噌汁好きなのです。お茶も水筒にいれます。お弁当はばちゃんが風呂敷に包みます。出来立てのお弁当を上手にリュックにいれて背中にしょってじいちゃんの働く石切り場まで届けに行きます。いつもより早足になっています。道路から下へ続く石の階段が見えました。一段一段降り始めます。「カツ　カツ　カツ　カツ、、、、、」と小刻みな音がリズム正しく聞こえてきました。いつもの「カツ～～ン　カツ～～ン　カツ～～ン」という石切りの音と違います。じいちゃんの近くへ行くと、しゃがみこんでなにやら造っています。「じいちゃん、なんばつくりようと？」「うん、小さなお地蔵さんば造りよっとたい」カツ　カツ　カツ　カツ　カツ　コツ　コツ　コツ　コツ　コツ四角い石がだんだん丸みを帯びてきます。「まりちゃん、今日もばあちゃんに頼まれて弁当ば持ってきてくれてありがとうね」「ううん、今日はね、まりちゃんが自分から届けに行くって言ったと」「そりゃ～～嬉しか～～。まりちゃんはほんによ～～気のつく子やね～～」本当はそうではなかったのです。じいちゃんはばあちゃんの作ってくれたお弁当をおいしそうに食べます。まりちゃんも今日はお母さんが作ってくれたお弁当を持ってきています。いつもだったら、お弁当を渡して１０分ほどで帰るまりちゃんですが。珍しい２人の楽しいランチタイムです。食べ終わってからもカツ　カツ　コツ　コツ　と　じいちゃんのお地蔵さん造りが始まります。それから４時間ほど経ちました。間もなくお地蔵さんが出来上がりそうです。まりちゃんは今日はね、昨日学校で嫌な出来事があって、うつうつとした気持ちやプンプン怒っている気持ちをじいちゃんに話をしようと思ってきたのよね。でもねコツ　コツ　カツ　カツじいちゃんの一生懸命な姿と出来上がるお地蔵さんを見ているうちに、不思議とそんな感情がなくなってしまったの。あれ～～？？？なんだか不思議な気持ちです。気持ちがすっきりしています。あれほどじいちゃんに話したかったことがなくなりました。「じいちゃんお仕事頑張ってね」まりちゃんは笑顔でそう言うと再び降りてきた石段を登り始めました。足取りも軽やかにね！！

  2006年02月03日

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• じいちゃんとマリちゃん　　３

  じいちゃんの唯一の楽しみは、石切場のお仕事を終えて、ばあちゃんが沸かした五右衛門風呂にゆっくりとつかることと、お酒でした。くのじに曲がった腰をお風呂で上手に伸ばすのです。一日中カツーン　カツーンと同じ姿勢でのお仕事は曲がった腰がいよいよ折れ曲がりそうな勢いなのです。お風呂で腰、肩、腕のこりをほぐすのです。ばあちゃんが「ぬるくなかね？まきば燃やさんでよかね？」と声をかけると「ちょ～～ど良かよ、一日ん中の疲れがとれてきもちんよか～～～」五右衛門風呂から出たあとは、大好きなお酒が待っています。いつもはばあちゃんが用意したお酒をじいちゃんが曲がった腰で上手に食台まで運ぶのです。今日はマリちゃんが遊びに来ています。「じいちゃん、今日はマリちゃんがお酒運んでやるけんね。食台のところで待っとってね！」じいちゃんはニコニコして「お～お～ありがとうね」小さなマリちゃんは丸いお盆にのったお銚子とさかずきを運び始めました。２～３ｍの距離です。ゆっくりゆっくりと。食台に乗せようとした瞬間、お盆が斜めになりました。「あっ」と言う間もなくお銚子もさかずきも畳の上に落ちて、お酒はこぼれてしまいました。じいちゃんの大好きなお酒をこぼしてしまって、マリちゃんは泣きたくなりました。涙がひと粒あふれたかと思うと、「わ～～ん　わ～～ん」と大泣きです。そして涙もひと粒から、雨が頬をつたるように増えました。「そげ～～んなかんでよかよ。お酒はまたばあちゃんにつけてもらうけんよかよ」あいかわらずニコニコ顔でじいちゃんが言います。でもマリちゃんはしばらく泣き止みません。「えっ　えっ～～」小泣きになりました。泣き止むころ「マリちゃん、酒ん　おいしか～～」じいちゃんはもう、あつかんのお酒を飲んでいます。マリちゃんにはお酒を上手に運べなかった事がちょっと悔しかったようです。「上手に運んでじいちゃんば、喜ばせたかったばってん、こぼしてごめんね！じいちゃん」「よかよか、だれだって、さいしょから上手に運べんとだけんね」とニコニコ優しく言うのです。不思議な気がします。どんな時もじいちゃんはニコニコしているのです。「悔しがったり、ひとばなぐりたくなることはなかとやろか？」マリちゃんが悲しい時も、情けない時もニコニコしているじいちゃんを見るときもちがほんわかするのです。「そういえば、じいちゃんは人の悪口やら言ったことがなかもんね」そうなのです。けっして、人の悪口をいったり、人に怒ったりしたことがないのです。「ニコニコしているじいちゃんは天使みたいやね」マリちゃんはこころでそう思いました。

  2005年12月01日

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• じいちゃんとマリちゃん　　２

  マリちゃんと仲良しのおじいちゃんは、毎朝近くの石切り場に出かけるのです。腰をくの字に曲げてゆっくりゆっくり自宅からの坂道を登って出かけます。坂道を登りつめた所で曲がった腰を少し伸ばし一呼吸してから、またくの字になって坂道を下ってゆくのです。下る途中に道から降りる階段があります。石でできた階段です。１０段位おりますと、そこは広い石切り場ができているのです。そこがおじいちゃんの仕事場なのです。ここから上の道路は見えません。道路からもここの石切り場はみえないのです。ただカツーンカツーンという音だけが響きます。周りはすべて岩です。おじいちゃんは真面目な人で９時から１２時まで一生懸命石を切り出します。たった１人の職場なのにさぼったりしないのです。そして１２時から１３時の１時間はお弁当をたべたり、たばこを吸ったりゆっくり休みます。そのお昼休みにときどきまりちゃんは、遊びにいくのです。時にはおばあちゃんから頼まれたお弁当も届けたりいたします。ある日、お弁当を届けるわけでもなく石切り場に顔をだしたマリちゃん。いつもはきちんと元気な声で「こんにちは」ってあいさつするのですが、なにか元気がありません。「こ　ん　に　ち　は」小さな声です。「マリちゃん元気んなかがどげんしたね？」「あのね、弟の面倒を見ないで遊んでいるうちに、おとうとが怪我したと」「大きな怪我じゃったね？」「ううん、たいしたことなかったばってん、ひどく母ちゃんにおごられた」「なんな、そんなこつね。よかよか、どげんなかよ」マリちゃんの頭を軽くなでてくれます。マリちゃんがひどく落ち込んでも「よかよか、どげんなかよ」いつも、じいちゃんは言うのです。その言葉でいつもマリちゃんに笑顔が戻るのです。今だかって、じいちゃんの怒る顔を見たことがありません。怒鳴る声なんて聞いたこともありません。じいちゃんはいつもニコニコと笑っているのです。マリちゃんはそんなじいちゃんが大好きなのでした。だから時々じいちゃんへお弁当届けたりするのは嬉しいのです。またお酒を１人でちびちび飲むのです。すごくおいしそうに。そんなじいちゃんちに「お酒ば届けてくれんね」との母ちゃんの頼みも喜んで届けにいくのです。「マリちゃん、ありがとう」って言った後「まりちゃん、いつもありがとう」と頭をなでてくれるのです。そして「トルーハーの赤い実」を１粒くれるのです。マリちゃんの宝箱にはいくつも赤い実があります。不思議な赤い実なのです。

  2005年11月22日

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• 満月の宵コンサート　６

  晩秋の候　皆様こんにちは　いかがお過ごしでしょうか？さて私共は今厳寒の国に住んでおります。今回の満月の宵コンサートは「氷の国のセレナーデ」の演奏を楽しんでいただきたいと思っております。とのメールをいつもの「たぬきの店長」さんよりいただきました。早速案内されるまま、コンサートを堪能してまいりました。厳寒の地と言われるだけあって、周りは白い雪と透明な氷の世界なのです。頂きましたカクテルは虹色のように７色のオリジナルなのです。これがまたとっても美味しくて、日頃飲めない私もどんどんいただける不思議なドリンクでございました。薄い黄色のクリームでできたホワイトパイに良く合うのでございます。いくら飲んでも酔わないカクテルといくら食べても太らないパイに満足いたしました。ほっぺもとろけそうでございます。さて、ほっぺがすっかりとけかかったころ演奏会が始まりました。演奏はほとんどが氷で出来た楽器で行なわれました。氷のピアノがポロ～～ンポロ～～ン氷のバイオリンがビィ～～～ィン氷のトロンボーンがボオ～～～～ン氷のドラムがボンボンなどと　　演奏されるセレナーデはそれはそれは、こころに優しく響いてまいります。純粋な透明の音と柔らかく優しい音色に再び夢の世界へと誘われたのでございます。過去の素敵な思い出も浮かんでまいります。未来の希望も描かれます。何時間演奏されたでしょうか？厳寒とは言え氷の楽器はさすがに溶け出すのです。満月も傾きかけました。楽器のいちぶがとけはじめます。「皆様、今回の氷の国からの満月の宵コンサートをお楽しみいただけましたでしょうか？形ある楽器も時間と共に消失してまいります。こころ残りではございますが、そろそろ演奏を終了させていただきます。ご静聴ほんとうにありがとうございます」パチパチパチ、、、私達お馬鹿倶楽部のメンバー全員は今宵の不思議な素敵な演奏に惜しみない拍手をいたしたのです。毎回趣向をこらして私達お馬鹿倶楽部のメンバーを「満月の宵コンサート」にお誘いくださる「たぬきの店長」さんに感謝いたしながら、氷の国を後にしたのでした。これから迎える朝は燦然と輝くかに見えます。きっと今日の明日も素敵な事がおこりそうな気がいたします。それはメンバー全員同じ想いでしょう！！優しい笑顔の花が咲いておりました。

  2005年11月18日

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• 満月の宵コンサート　　その５

  やっと秋めいた風が吹いてきましたね。お馬鹿倶楽部の皆様お元気でしょうか？さて今宵の「満月の宵コンサート」は秋の虫達による演奏会を計画いたしました。皆様に楽しんでいただけるようにこころをこめて精一杯演奏いたしますので。是非お越しください。イケメンキツネ操縦士による専用機にてお迎えにあがりますので、いつものところでお待ちくださいね。とメールが、たぬきの店長さんより届きました。すすきの原のコンサートから約１ヶ月ぶりです。明るい満月の光があたり一面をてらし、萩の花が薄紫にけむってみえます。萩の木は相当な数あり、花は今満開を迎えています。どこからか金木犀の香りがしています。甘美な薄紫と香りに酔い知れていますと「皆様今夜は秋の虫さんによる演奏会ですが、ここで一言ご注意を申し上げます。いつもと違いまして今回はとても小さな音ですので、お話をなさりませぬように耳を澄ましてお聴きくださいますようお願いいたします」皆が席に着き静かになったころ「ちんちろ　ちんちろ　　りーんりん」一斉に秋の虫さん達の演奏が始まりました。なんだって、こんなにも美しい演奏ができるのでしょう！！明る過ぎるほどの満月に照らされて、秋の虫さん達の黒と茶色で統一された衣装もきれいです。音はあくまでも透き通りこころに響いてきます。嫌なことも、辛い事も大騒ぎしていた事も、何事もなかったかのような平穏さなのです。耳を澄ませば澄ますほど、きれいに、こころの芯まで響いて聴こえます。松虫さん、鈴虫さん、こおろぎさんに馬おいさん。秋の満月の宵はいつまでも終わらないような雰囲気さえあります。また終わって欲しくない願いが通じたのでしょうか。今回は一番長い演奏となりました。パンだって、やっぱり、「秋の虫さんの思い出パン」とてもおいしくいただいたのです。口の中でころころ溶けるような柔らかいパンです。もう、辛さなんてこれっぽちもありません。幸せな想いに浸れるパンなのです。いつもいつも、たぬきの店長さんには感謝しています。朝の光が射すか射さない時間になったでしょうか。「今宵の満月コンサートもご満足いただけた事と思います。また、趣向をこらして、皆様をお迎えいたしたいとおもっておりますので、是非お越しいただけたら幸いです」とたぬきの店長さんがあいさつをされました。帰宅した時はすっかり、明るい爽やかな朝日が辺りを金色に染めていました。

  2005年10月17日

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• 満月の宵コンサート　　　　　物語その４

  くしくも、今年は中秋の名月と満月は一致した日となりました。先日、「満月の宵コンサート」の詳しい案内を、たぬきの店長さんよりいただきました。お馬鹿倶楽部の皆様へお元気ですか？今月の「満月の宵コンサート」は、中秋の名月の下、すすきの原で行ないます。今回は特別に「よっちゃんのトトロバスカイト」でお出迎えいたします。何人でもOKな不思議カイトでございます。メニューも不思議な夢見パンにオリジナルアレンジをいたしました。それは、満月の周りの雲のかけらと星のかけらを加えたものとよっちゃんがお好きな「特製焼酎」入りの２種類のパンです。夜空の演奏に加え「白鳥とカラス」の黒と白のワルツ、ロンドの華麗なる演舞もお楽しみいただけます。　　では、皆様のお越しをこころよりお待ちいたしております。そういうわけで、今回が４回目の演奏会となります。中秋の名月、満月の宵ジャスト２２時に「パオーン　パオーン」とクラクションを鳴らして、よっちゃんネコバスのお迎えです。お馬鹿組　４人とも黒と白の衣装に身をつつんでおります。よっちゃんネコバスはのりここちが良く、ふんわりとしています。２時間の道のりもアッという間です。だってね月は空の青い路を指し示し、両側にはすずらんの形の星の街灯もキラキラ可愛らしく鈴なりに光っているのですもの。退屈なんて！！見飽きることがありません。風もとってもやさしく頬をかすめます。もう間もなく到着です。甘い焼きたてのパンの香りがいたします。たぬきの店長さんはいつものように、ニコニコとお出迎えしてくれます。すすきの原は金色の輝きをいっそう増しながら揺れています。今回特別の月の周りの雲と星のかけら入りパンは、またまた頬が落ちるくらいのおいしさです。なんだってこんなにおいしく、こころ安らぐお味なのでしょう！！よっちゃんはもうすでに、コロナと星のかけらミックスで醸造したオリジナル焼酎を頂いていい気分のようでございます。なんといっても。「白鳥とカラスカイト」のオーナーさんですから、好きなだけ飲んでいただきましょう。「中秋の名月」が真上にあがったころ、こころを揺さ振る情感たっぷりのバイオリン恋人に語りかけるかのようなチェロ鈴虫を思わせるトライアングル滑らかなピアノ笑いを誘う太鼓たちたぬきの店長さん率いる、仲間の動物達の演奏は、また一段と「月」に映え非日常空間はどこまでも、限りなく続いているのでございます。「白鳥の湖」のような舞をみせる「白鳥とカラス」の演舞。巧みなよっちゃんの演出で荘厳な空間となりました。私達の衣装も溶け合っています。楽しい時間はあっという間に過ぎてゆきます。今回もまた、とっても素晴らしい時間を過ごさせていただきました。もちろん、お腹も心も満足満足。「また、いらっしゃいね！！皆様のお越が私達の励みになっているのですよ。ありがとうございます」たぬきの店長さんが、いつまでも　いつまでも手を振ってくれていました。店長さんが視界から見えなくなると、もういつもの我が家への道が見えてきました。

  2005年09月19日

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• 初秋の候　いかがお過ごしですか？

  あの「ぱんや」さんからお手紙が届きました。今月の満月の夜「観月会」を兼ねた「満月の夜コンサート」をいたします。詳細は後日改めてご案内いたしますがあの、よっちゃんネコバス貸切でお迎えにあがります。またゲストによっちゃんトトロの太鼓さんを予定しております。お楽しみにお待ちください。会場もまたお楽しみに。とありました。今から楽しみです。ワクワク。さっそくお馬鹿倶楽部のメンバーにお知らせしなっくっちゃね。

  2005年09月02日

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• コンサートは雲の上　　　その２

  たぬきの店長さんが心配を払拭するかのように一言いいました。「大丈夫ですよ」空から大きな雲のかたまりが降りてきたのです。「さあ　これにお乗りなさい」恐る恐る雲に乗りました。大丈夫のようです。皆が乗ると雲は見る見る上へ。でも不思議　ちっとも怖くありません。すっかり空をおおっていた雲の上までたちまち来てしまいました。満月はまんまるく一段と大きく明るいのです。１人１人の顔がハッキリわかるほどです。そしてフカフカの雲の椅子まであるのです。すわり心地も最高！！もう、うっとりです。だって分るでしょう？ね。遠くのほうから天使の竪琴が響きわたり始めました。だんだん近づき静かなバイオリンの涙を誘う音色も加わりました。時おり鈴虫の音色も涼しく鳴ります。うさぎさんのフルート、きつねさんのトランペット、店長さんの大太鼓、子たぬきさんの小太鼓、そうそう新しいメンバーイルカさんのピッコロの音まで鳴り始めます。ホルンはくまさんです。ピアノは店長さんの奥さん。それに星達も加わって私達お馬鹿倶楽部の４人は、もう一生分の幸せを味わったような気分なのです。夢見ごごちのなか「皆様、今宵も楽しんでいただけましたでしょうか。皆様の笑顔が私達の励みです、次回もまた新鮮な趣向でお迎えしたいと思います。本日は本当にありがとうございました」たぬきの店長さんのあいさつとともにコンサートの幕がおりました。また、素敵な時間を過ごすことができました。是非次回もおじゃまいたしますね。再びちっちゃな専用機で送られて岐路に着きました。

  2005年08月21日

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• コンサートは雲の上　　　その１

  たぬきの店長さんへ満月のコンサートに伺いたいと思いますのお迎えよろしくお願いいたします。とかねてよりご案内を頂いておりました店長さんにメールをいたしました。それから２時間位たったでしょうか。お馬鹿倶楽部のメンバーはウキウキして待っておりますと、専用機が見えてきました。機体はとっても小さく可愛らしいのです。屋上にチョコンと留まりました。「そおっと静かにお乗りくださいね」とあのイケメンのきつね機長さんが言います。４人は降ろされた縄はしごを一段一段ゆっくり昇り無事飛行機に乗る事が出来ました。あいにく空は雲が広がっています。夜が闇に包まれるころまんまるい満月も少しだけ雲の隙間から見え隠れいたしております。１時間位たったでしょうか。「まもなく到着いたします。シートベルトをしっかり装着してください」きつね機長さんのあいさつがありました。衝撃はほとんどなくふんわりとパン屋さんの屋根にとまります。また縄はしごを伝ってゆっくり降ります。「やあ～ようこそいらっしゃいましたね。今日はまた一段とおいしいパンを焼いております。是非ご賞味してください」「楽団もみなさまに披露するのを楽しみにしております」とたぬきの店長さんがお迎えかたがたあいさつをされました。テーブルに案内されくつろぎ始めた頃「うう～んいい香り」そう、焼きたてのパンの香りです。「さあ、どんどん召し上がれ」まあなんというおいしさなのでしょう！！まるで夢の味！！「そうなんですよ、夢パンは今回の自信作です。いかがですか？食べたとたんに懐かしかった頃が浮かんだでしょう?幸せな気持ちに包まれたでしょう？このパンの製作にはメンバーの愛情をしっかりもりこみましたからね」「なんておいしく、幸せになるパンなのでしょう」昨日までの気だるい、マンネリ化した、伸びきった細胞が水を得た魚のように跳ねました。夢パンがお腹を満たす頃「さあ皆様間もなく、満月の夜コンサートの始まりですよ」空は相変わらず雲におおわれています。不安げな私達の表情に気付かれたのでしょう。「ご安心ください」

  2005年08月21日

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