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本当に読みたい本・・・

本当に読みたい本・・・

スポーツ書籍

■■■ ★★★ スポーツ書籍 ★★★ ■■■
たったひとりのワールドカップ 『著者: 一志治夫』
 全ては日本をワールドカップに出場させるために・・・。
今でこそワールドカップ出場は、当たり前になってきたが、僕が小さい頃(当然カズが小さい頃も)は、
ワールドカップは出場するものではなく、見るものだった・・・。
 そんな中、単身ブラジルに渡ったカズ少年。その先にはワールドカップ出場という大きな夢があった。
そして、全てをサッカーに捧げてきた少年の夢は、後一歩の所まで来ていた。
手を伸ばせば届く所まで・・・。そう、すぐそこまで来ていた・・・。

 思い返せば、僕が大学1年生の時、アジア最終予選に駒を進めたサッカー日本代表の応援中。
これに勝てば日本史上初のワールドカップ出場という大舞台に、カズはいた。
ブラジルプロチームから凱旋帰国し、Jリーグも始まった。
カズがワールドカップのピッチに立つ舞台は完全に整っていた。
これ以上ないくらいに・・・。
 しかし、その最初の悲劇はロスタイムに起きてしまった・・・・。
1点リードの後半ロスタイム。イラク最後のコーナーキック。
意外にも、ショートコーナーで再開したプレー。マーカーはカズだった。
カズ必死のスライディングもわずかに届かず、イラクの選手のヘディングは、
無常にもゴールに吸い込まれていった・・・・。そう、悪夢のように・・・。
 終了のホイッスルがなっても、しばしうずくまり動く事が出来ないイレブン。
いわゆるドーハの悲劇の中心に、青年になったカズがいた。
しかし、カズにとってはこれは、悪夢の始まりに過ぎなかったのかもしれない。

 『たったひとりのワールドカップ』は、その後4年の月日が経ち、フランスワールドカップでの舞台裏を中心に
話が進んで行く。
そう、2度目の夢への挑戦だった。そして、今度はワールドカップ出場も決まったのに・・・。
予選が進むにつれ、かつての輝きを失っていくカズ。思う様に点が取れず、ワールドカップ出場に暗雲が立ち込め始めると、
得点を挙げる事が宿命づけられたエースに、マスコミの非難は集中していく。
そんな中、試合のビデオを見ながら、トレーナーに「俺やれてるよね。いい動きしてるよね。」
と、同意を求めるシーンがあった。まるで、自分に言い聞かせるかのように・・・。

 泣いた。僕は泣いた。
ワールドカップ出場に沸く日本の中で、最も悲しい思いをした男の姿がそこにはあったから。

 サッカーに興味がある人もない人も、ぜひ読んで欲しい。
40歳を超えてもプロサッカー選手であり続ける、KAZU。
サッカーが好きだ!彼を見ていると、そんな声が聞こえてきそうだ。

 僕もカズが引退する前に、もう一度この本を読み返そう。
そして、また感動の涙を流させて頂こう。
たったひとりのワールドカップ


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