ゴモラ バリウム ファイト 2
(下記から続く)神谷浩史似の声であり、ドキドキしてくる。測定版が後ろに倒れて仰向け部を撮る。「はい、大きく吸ってぇ...ハイ、ストップです!」体軸線を中心として左右に動き横部撮影。また、クルリと回転してうつ伏せ部撮影。なかなかのアクロバットな動きにちょっとしたアトラクション気分であり、X線の撮影音も「チュィーン、バシュッ!」とか漫画「ガンツ」の射撃音みたいでちょっと楽しくなってくる。「は~い、良く撮れてます~、もう一枚良いのくださいねぇ!」しかし、このX線技師、ノリノリであり、もう気分はグラビアモデルである。その時、「勝機」の2文字が閃光の如く脳裏に浮かぶ。体力ゲージは、限りなくゼロに近いのであるが、渾身の力をこめて、「悩ましげな上目遣い」をバシッとキメる!!「あ...はい...もう終わりですよ~」スピーカの声は、明らかに動揺しており、「完全勝利」を確信した。髪をかき揚げて「あら、もう終わりなのかしら?」と余裕綽々に答えて軽やかに退場。「バリウム」係のオバちゃんも唖然としている。検査車両から降りて軽くガッツポーズ!!(ウフフ、相手が悪かったわねぇ...ボウヤ)してやったりとほくそ笑むことしきりである。これで、「医療関係者への恐怖」を払拭し、あの「耳鼻咽喉科のトラウマ」を克服することができたのである。しかし、喜ぶのはまだ早い。「バ リウム」検査後の可及的速やかに実施する事項「水と食物の大量摂取」(これをやらないとどうなるか...ご想像におまかせします)のため、持参した好物の 飛梅漬け入りのおにぎりにかぶりつき、神社から汲んでおいた聖水?を汚れた胃に流し込んで清め、勝利の余韻に大いに浸ったのである。